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決算分析 〜 良品計画 〜

こんにちは。
(ほぼ)給付金で投資を始めた株式投資家2年目のblbl(ブルブル)です。

3回目の投稿となる本noteでは決算分析の記事です!
良品計画の2021年8月期第一四半期の決算を中心に考察していきます。

私が既に保有しており、買い増しを検討していて、その判断材料をまとめたいなと思っております。

決算記事が初めてということもあり、馴染みのある企業を取り扱うことで、できるだけ多くの方に見て頂きたいなと思ってます ^ ^

4/14(水)に2021年8月期第二四半期決済発表を控えており、
そちらに向けて復習できる内容になっていれば幸いです。

良品計画について

無印良品というPB(プライベートブランド)を扱う小売セクターの銘柄になります。
https://ryohin-keikaku.jp/

ここ最近の株価は2020年の減益やコロナウィルスによる影響で低調でしたが、在宅需要の取り入れ(主に家具や食料品)やAmazon・楽天への出店を始めとするオンライン販売のテコ入れにより、徐々に回復傾向にある印象です。


もう少し長期で見てみると、順調な成長から一転、2001年に38億円の赤字を出し低迷したが、当時社長に就任された松井忠三氏を中心に下記に代表される改革に着手し、見事にV字回復を遂げて現在に至ります。

< 代表的な改革 >
・MUJIGRAMと呼ばれるマニュアルの作成などを通じて業務の標準化を図る
・創業に大きく関わったセゾングループの堤清二氏のカリスマ的なリーダーシップに依存しない文化を作るべく、経営陣の刷新や仕組み化の徹底

参考;無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

決算サマリー

最新の決算リリースは2021年8月期第一四半期(2020年9月〜2020年11月)の報告書です。
今回はそちらに加えて、毎月報告している国内月次売上概況(速報)を中心に分析していきたいと思います。

まずはサマリーです。

<PL>
売上高:114,637 百万円
- 昨対比(YoY):102.7%(※1)(111,538 百万円)
- 全四半期比(QoQ):114.1%(※2)(100,423 百万円)
営業利益:13,154 百万円(利益率:11.4%)
- 昨対比(YoY):142.6%(※1)(9,223 百万円)(利益率:8.2%)
- 全四半期比(QoQ):348.7%(※2)(3,772 百万円)(利益率:3.7%)

※1:2020年2月期第三四半期(2019年9月〜2019年11月)
※2:2020年8月期第二四半期(2020年6月〜2020年8月)

経常利益・純利益は営業利益から大幅な変化がないため割愛します
<BS>
・現預金:107,567 百万円
- 昨対比(YoY):274.5%(※1)(39,183 百万円)
- 全四半期比(QoQ):116.5%(※2)(92,308 百万円)
・棚卸資産(商品在庫):101,076 百万円
- 昨対比(YoY):91.4%(※1)(110,524 百万円)
- 全四半期比(QoQ):96.0%(※2)(105,284 百万円)

・短期借入金:4,705 百万円
・1年内返済予定の長期借入金:376 百万円
・長期借入金:71,977 百万円

※1:2020年2月期第三四半期(2019年9月〜2019年11月)
※2:2020年8月期第二四半期(2020年6月〜2020年8月)

昨対比、前四半期比ともに成長している決算で、
市場予想を上回った好決算だったと言えそうです。(下記参照)

事業解像度や今後の動向理解を深めるために、いくつかのデータに着目していきたいと思います。

着目ポイント① 在庫回転率

小売セクターの業績を見ていく上で大切な指標の1つに在庫(商品)回転率があります。
本noteを書く上でも参考にさせて頂いた記事をペタリしますので、在庫(商品)回転率とはなんぞやという方はこちらを参照下さい。

「ユニクロ」と「無印良品」の明暗を分けたコロナ禍決算 小島健輔リポート

本決算資料には在庫(商品)回転率は2.15で、前期の1.87から改善しました。
株価の高かった時期に重なる2019年2月期通期の在庫回転率は2.44でしたので、まだま改善余地はあるが、改善効果が出てきていると言っていい結果でした。

参考までに他の小売セクターの在庫(商品)回転率です。
(生活用品・衣類・食品と多角化しているとはいえ他社比較するとまだまだ改善余地があると言えそうです)

ファーストリテイリング(2020年8月期通期):2.50
ニトリ(2021年2月期通期): 4.44
ワークマン(2020年3月期通期):&nbsp;5.54
セブン&アイ(2020年3月期通期):&nbsp;3.59

※ 各決算資料から売上原価 / (期首棚卸資産+ 期末棚卸資産÷2)にて算出

この辺りは経営課題として以前から着手してしている領域でもあるようで、
新システムへの移行などによって一層の改善を期待したいところです。


着目ポイント② 売上構成比

国内事業では食品分野の拡大を強化しています。
背景として来店頻度の向上が1つの狙いです。
大雑把に説明すると、食品分野の拡大によりタッチポイント(店舗への来店/ECへの来訪頻度)を上げて、利益率の高い衣類・生活雑貨のついで買いしていこうということです。
商品の拡大に合わせて店舗の大型化も進んでいるような状況です。
この辺りの詳細を伺っている記事がありましたの参考下さい。

良品計画 松﨑曉社長が語る 無印良品が食品を強化する理由
~2030年頃までに売上構成比30%へ(2020/04/03)

現在の売上構成比をまとめてみたところ以下のことがわかります。

・国内と海外の売上構成比は約7:3
・国内事業における商品カテゴリー(衣類・生活雑貨・食品)ごとの売上構成比は約3:5:1
・商品カテゴリーにおいて最も成長率が高いのが食品カテゴリーで四半期対比で130%の成長率

これまで無印の食品のイメージはカレーやお菓子が強く、強いブランドを築いている印象ですが、その他の分野(例えば冷凍食品やお茶などの飲料、生鮮食品)での拡大がうまくいけば一層の成長が期待できるため注目しています。

また、食品分野の拡大により客数が増え、客単価は減る傾向になるはずですが、
これまでは順調にその傾向が出ているため、概ね順調に成長していると言えそうです。

着目ポイント③ 形態別売上割合

こちらは端的にいうとECでの売上順調に上がっているのかということになります。
2020年の5月からAmazonや楽天などのいわゆるモール型のECでの販売をスタートし、EC販売の強化が伺えますが、それが売上構どの程度反映されているのかをみていきたいと思います。

IR資料の形態別売上割合に下記のように推移が記載されてますが、
四半期ごとに公開はされず、半期ごとの公開となっているため、2021年8月期第一四半期の状況は第二四半期のデータを待ちます。


ここからわかることは2020年第一四半期では第一回目の緊急事態宣言期間中であったことで国内事業におけるWEB販売の割合が15%まで急増しています。
モール型での販売も同時期の第一四半期で、自社ECのみの販売時は前年比120%成長率でしたが、これが130%(第一四半期)140% (第二四半期)と成長率が加速していることがわかります。

個人的な見解ですが、化粧水などの一部生活雑貨を再購入する際に、わざわざお店に行かずに購入できたり、カレーなどの一部食品では店舗在庫数を気にせず好きな種類を好きな数まとめ買いできるのはメリットに感じます。

形態×商品カテゴリーごとにデータを開示してもらえたらこの辺りがわかるのですが、流石にIR資料でそこま事細かにまとめてくれないと思うので想像に留めておきます。

WEB販売の成長率が加速している点から形態別売上割合も良い評価だと言えそうです。
今後もWEB販売には再注目ですが、敢えて加えるならFM(ファミリーマート)グループがローソンへ表記が切り替わりどの程度の割合を占めるのかは気になるところです。

<参考>

2020年6月にスタートしたローソンでの実験販売は、東京、千葉、埼玉の約100店舗(
(※ 2021年5月末までに約100店舗となる予定)へと広がっていきます。

https://shop.muji.com/jp/lawson/


まとめ

2021年8月期第一四半期を見るかぎり、再成長に向けて概ね良い進捗であると言えそうですが、
特に在庫回転率の課題をはじめとする経営課題はまだまだ良好とは言い難い状況のため、買い増しは一旦ステイとします。

第二四半期決算発表では上記をはじめとす経営課題の進捗に加えて、
コロナの影響で見通しが不透明になった中期経営計画に対しても説明が予定されているので注目です。


第一四半期決算以降に発表している月次売上の状況から順調な決算発表になると予想していますので、下記2点に対する状況によっては買い増しを検討しようかなと思います。

1. 売上/EPSが市場予想をきちんと上回っているか
2.中期経営計画に対する説明が十分で納得のいくものか


以上です!

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