10/18 日記 ラップ大好き芸人

10/17のアメトーーク「ラップ大好き芸人」での日本語ラップの歴史のパネル(らしい、見てないので…見てないまま書きます…念のためご注意を!)。そもそもテレビで日本語ラップの歴史を数分で語る、というのが無理筋なので、正確でないのはもう仕方がない。というか、正解は常に変わるのでそこはあまり意味がない。これで興味を持ってくれた人は各自調べて聞いて下さいという他ない。ただこの中でテレビで放送できる限りで訂正可能な部分があるとすれば、

①キングギドラ・ブッダ→成長期へ移動
②PUNPEE・SALU→現在へ移動
③JP THE WAVY・ZORN→現在から削除

このくらいだろうか。①この移動で、さんピン前後で黎明期と成長期の区分けをはっきりさせる(それが正しいのかどうかは置いといて、分かりやすくはなる)。②現役バリバリでそれほど歳を食っている訳でもないこの2人が、NITROやKREVAみたいなキャリアのあるベテランと同じ括りに入っているのがおかしい。③の2人、JPはワンヒットワンダーながらヒット曲があるからまだしも、ZORNはなぜここに選ばれたのか(番組的に何か理由付けがあったのだろうか)。まあ、それでもやっぱりパネル1枚で歴史を語れるほど浅いものではないという感想に落ち着く。

個人的に興味深いのは、むしろここで語られなかったところ。いとうせいこうとスチャはあるけどECDや高木完(MAJOR FORCE)はない、BAD HOPはあるけどSCARSはない、ブッダとギドラはあるけど雷はない、般若はあるけどオジロはない、KREVAはあるけどリップはない、PUNPEEはあるけど5lackはない、等々。カミナリの2人がいるから、SCARSの紹介はあるかと思ったが。

この中でも一番驚いたのは、これではMSCがまるでいなかったかのように見えてしまうこと。現在のフリースタイルバトルの隆盛を作ったのはUMBなのに、そのUMBを創設した張本人(しかもFSD初代モンスター!)がいるグループが消し去られるとは。事情があるとすれば、9sariのアカウントがRTしていたライブラと番組の持ちつ持たれつの関係性と、MSCの楽曲や彼らの存在自体が持つ政治的・社会的意味だろうか。「法律の上で寝そべるアウトロー」であり、「心にゆとりとさわやかマナー」を持つ「新宿拡声器集団」は、テレビで流すには過激過ぎたか。Anarchyもおそらく同じ理由だと思われる。

あともう1組挙げるなら、TBH。与えた影響の大きさと、一般的なテレビの視聴者の中での認知度がもっとも大きいのは彼らで間違いない。音楽的な面もさることながら、TBHがいなければ地方のラッパーが今のように活動できるようになったのはもっとずっと後になってしまっただろう。地方からインディーズで成り上がって、日本語ラップだけじゃなく音楽シーン自体変えてしまった功績は計り知れない。TOKONA-Xも影響力はあったが、当時でも日本語ラップのシーンの域を出るところまではなかったように思う。ILL-BOSSTINOがコラボレーションしたアーティスト群を見れば、その違いがよく分かると思う。

最後に。やっぱり視聴者に興味を持ってもらうために番組でフリースタイルが取り上げられたみたいだけど、それは正しい。入り口がバトルという人は今の30代あたりには多いのではないか。それこそUMBが日本語ラップの入り口の世代だ。PUNPEEだってその名を広めたのはバトルMCとしてだ。その後プロデューサー、ソロ、そして天下のNHKと徐々に幅を広げた訳で、玄人向けのプログラムは別でやるしかないのだ。

#日記 #雑記

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