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ソウル・漢江 ~美しさと別の”厳しい側面”~

●漢江の洪水

普段は美しく、静かな流れをたたえる漢江ですが、ときには信じられないような増水が発生します。
2020年8月、連日の大雨によって越水しました。漢江公園は完全に水没し、周辺を走るオリンピック大路や江辺北路まで浸水して交通が麻痺しました。木々をなぎ倒しながらうねるように流れるさまは、本当に恐ろしかったですね…。
2週間後に中洲のノドゥル島を訪れたとき、街灯や街路樹もほとんど倒れていて、洪水のパワーに圧倒されたものです。川幅が約1kmと巨大な河川なだけあり、増水したときの威力は想像をはるかに超えます。
今年もソウルなどは本格的に梅雨のシーズンに入り、昨日(6月24日)は数百メートル歩くだけで、全身ずぶ濡れになるレベルの土砂降りでした。日本の梅雨のように”しとしと雨”ではなくて、急にどかっと降るので、注意が必要です。

●悲しい漢江の側面

また、漢江は時に、世を儚む人が訪れる悲しい場所でもあります。
この漢江大橋では、去年、長い時間をかけて欄干の工事が行われ、簡単に上って外側に出られないように手すりが回転式に変更されました。大人の目線よりも高く、下側にも金属パネルが貼られ、水面が見にくい構造になりました。以前の欄干には、心理的なバリアとして、思いとどまらせるような言葉が並んでいました。
橋の欄干の近くで、しばらく考え事をしていると、監視カメラでその様子は見られていてスピーカーで呼びかけられます。橋の途中何か所かには「SOS電話」も設置。また、株価や仮想通貨が大幅下落すると、付近の警察が漢江にかかる橋の警戒を強化したりもします。

綺麗な景色を見ている限り、なかなか気づきにくい部分ですが、これもまた「韓国や漢江の現実」だったりします。