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石鎚山で神様に出会う

紅葉を思う存分楽しんだ石鎚山。午後から登り、その日は山頂山荘に宿泊しました。

山頂には小さな神社があり、ちゃんとお守りの授与所も備わっています。

宿泊者は18時からの夕拝と6時からの朝拝という神事に参加できるとのこと。ひとつだけ気になることを確認しました。

「夕拝の前に飲んじゃっても大丈夫ですか?」

宿の方が「大丈夫です!まずはビールですよね」と言ってくださったので遠慮なくビールでひと息。はぁ〜、美味しい!

10分前に館内放送で夕拝の案内が流れました。フリース、ダウン、レインウェア、持って来た防寒着を全て着込んで本殿へ向かいます。

小さいけど立派な本殿

美しい黄色の衣を纏った宮司さんが登場。この色、日本の伝統色的にはどんな名前かな?と思い、後から調べてみました。一番近い色を見ると『金糸雀色』とあります。金糸雀って?さらに調べると『カナリア色』と判明しました。ちょっとレモンがかったあの黄色はまさにカナリア!

さて、本殿に戻ります。『開式の儀』的な挨拶のあと宮司さんが太鼓を打ち鳴らしました。静かな山頂に太鼓の音が響き渡り、厳かな雰囲気。

祝詞が終わり一同頭を下げてお祓いを受けると、今度は各自に渡された『大祓詞』というものを全員で一緒に読み上げます。これがなかなかの長文。数えてみると、縦21文字で37行ありました。標高が高いせいか、はたまたビールのせいか、全然息が続かず苦しい!喘ぎながらもどうにか読み終えました。ナントカノミコトとかナントカヒメとかが登場する神話の世界が綴られているようですが、ほぼ意味不明。

御神体の扉を閉めたら再び太鼓を打ち鳴らして終了です。明日の朝拝にも参加せねば!

霊峰と呼ぶに相応しい姿

翌朝、5時半に山荘の明かりがつきました。皆さんと一緒にゴソゴソ起き出し、私はすぐに出発できるよう荷物をまとめて本殿へ。

朝拝には夕拝になかった神事があるというのでワクワク。扉を開いてお供えと玉串を捧げ、『大祓詞』を読んで・・とだいたい夕拝と同じですが、最後に御神体に触れることができるのです。全国に数ある神社のなかでも、こちらの石鎚神社だけで行われる神事だそうです。

御祭神の石鎚毘古命(イシヅチヒコノミコト)はおひとりなのに、本殿には三体の神様が祀られています。あまりに徳が多すぎて三体に分かれているとの説明がありました。なんとまあ!ありがたや〜。

中央に『優しさ』、右側に『賢さ』、左側に『逞しさ』の神様が並んでいらっしゃいます。うん、全部あやかりたい!

御神体に触れるお作法を聞いて、いよいよ本殿の中へ。神様の手を包むように触れていきます。御神体に触れられるなんて、オープンだな〜。こんな神社もあるんだな〜。色々と感心しながら一礼と共に本殿を出ると朝拝は終了。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

では、ガスに煙る道を下りるとしますか。

ご来光なんて見えるはずもなく・・

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