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北見ハッカ美術館〜昭和14年当時、世界薄荷市場の約70%を占めていた産業だった

北海道北見市にある『北見ハッカ記念館』を訪ねた。

北海道北見市

北海道に何度も行っているのに、何回も通っているのに、北見市を観光することはあまりなかった。

過去に清月に寄ったくらい。

清月

オリンピックのカーリングのモグモグタイムで一躍有名になった『赤いサイロ』を売っているお店。

清月/北見市
840円が今や1,050円
新千歳空港でも1人で買える個数に
制限がある
バラで4つ購入
ミントのお菓子は苦手だが買ってみた
ものすごくしっとりで
サンド部分は柔らかく
ミントは控えめで爽やか
赤い方を購入
マグネット結構使うのだ
お店の人に聞いた人気商品
確かに美味しかった

道東最大の都市

ちなみに、2024年6月時点で
北見市の人口は11万781人

北見市は、北海道東部に位置する市。オホーツク総合振興局の中核都市。 オホーツク海沿岸から石北峠まで東西約110キロメートル に広がっており、北方領土内を除く国内の地方公共団体では4番目、北海道内では1番の広さを誇る。

Wikipediaより

北見ハッカ記念館で流れていた説明動画では道東最大の都市で東西約110キロと聞いたが、北海道でも一番広く、国内でも4番目とは。

知らなかった。

気になったから1位を調べたら、岐阜県高山市だった。

そして、令和6年では
北見市は5位に。
どこかが合併したのだろうか?

ちなみに第9位の遠軽町には、藤城清治さんの影絵美術館があって世界最大の影絵を見ることができる。
ここも素敵な美術館だ。

北見ハッカ記念館

そんな北見市にある北見ハッカ記念館にようやく行ってきた。

北見のハッカ油、有名だ。

今や地元の三省堂でも売られている。
北海道に行かなくても買えてしまう。

パステルカラーにミントグリーンの窓枠と屋根の色がアクセントで可愛らしい

入場無料。


私は『北のかおり ハッカ油』はこの北見の地で製造されていると思ったら違っていて、その事実が衝撃だった。

薄荷のお話


ハッカの命であるハッカ脳を取ることの出来るハッカを和種薄荷といいます。このハッカ脳は、熱を下げる力、痛みを取る力、炎症を防ぐ力、臭いを消す力、ガスを抑える力など薬として大変大きな力を発揮していました。科学の発達している西欧諸国ではハッカ脳を手に入れるためには、どうしても日本に注文しなければならなかったのです。日本にとってもお金になる作物(換金作物)としての魅力が大きくなり盛んに作付けされるようになりました。特に北見地方は寒冷地という土壌の性格から米を作ることが難しく、ハッカの作付けが増え、昭和14年にその作付け面積が20,020町歩(全国の90%)になり、そこから生産されたハッカ脳、ハッカ油の出荷額が当時の世界のハッカ市場の70%を占めることになったのです。                        

http://www.kitamihakka.jp/

ハッカ脳とはメントールのこと。

その後、戦争により、薄荷は他の作物に変わることを余儀なくされ、その生産量はブラジルにとってかわられた。

ブラジルにハッカのイメージはないと一緒にいた友達(ブラジルに過去数ヶ月住み昨年も2週間行っていた)が言っていたが、私もなかった。

製品のできるまで

ハッカ油は、ハッカ草を天日乾燥して蒸留し、抽出したハッカ原油を「精製メントール」と「精製ハッカ油」に分離して、さらにろ過・分離の工程を経て出来上がる。

北見ハッカ記念館内


北海道に住んだことがあったので、このハッカ油がそんなに認知度が低いと知らなかった。

今は、和ハッカをインドで栽培して、製造も現地でしているらしい。

薄荷蒸留館にあった和ハッカ
北見市で栽培されたもの

今、北見市で和ハッカを栽培してもそれだけでは暮らせないので、この地での大体的な製造はしていないらしい。

知らないことだらけ。

北見ハッカ記念館内写真


はっか取卸油脳分検定架台
輸出用ハッカ脳木箱
記念館の2階
北見薄荷工場見取図
昭和58年閉場
現上皇陛下(右)が薄荷工場を視察
左は加賀夫妻(2代目工場長)
いろいろなハーブの香りを
楽しめる


入り口にあるハッカ脳などの見本
たくさんのハッカの商品
木の温もりがある記念館
先の写真の加賀夫妻
加賀操氏の薫績

展示品も多岐に渡り、じっくり見るとそれなりの時間は必要。

薄荷蒸留館


北見ハッカ記念館の隣にある薄荷蒸留館では、北見市で栽培された和ハッカを実演装置で蒸留して、その製品を販売していた。

また蒸留実演装置の横のスペースで
アロマオイルと和ハッカでブレンドし、無添加オリジナルハンドクリームを作成していた方がいらした。

薄荷蒸留館


蒸留水
保湿作用があるみたいで
足湯に使いたい
蒸留実演装置

取卸油


取卸油は、非常に柔らかなミントの香りで、『北のかおり ハッカ油』とはまったく別物だった。

蒸留水と取卸油を購入
取卸油3mlで660円

取卸油はツーンとしたキツさがないので私はこちらも好き。
お風呂に入れて使うつもり。

ここ北見でしか買えないそう(残念)で、また機会があれば買いに行きたい。

蒸留水は1キロ欲しかったが作りたてがなかったので欲しかったら注文したいと思う。

この薄荷蒸留館の皆様はとても親切だった。

蒸留水の効能

合成ハッカのこと

ハッカに合成ハッカなるものがあることを知らなかった。

化学反応によってつくられたハッカ脳のことを「合成ハッカ」とよんでいます。現在、ハッカ製品の原料として利用されているのは、90%が合成ハッカと言われています。天然ハッカのメントール析出は、作業効率・コスト面・投機的要素を多分に含んだ作物であること等から、自由化による価格競争に耐えうるかが課題となっていました。また、このような背景をかかえる中、価格の不安定さが常に付きまとう作物でした。これらの課題を克服した合成ハッカは、利用者にとってこの上ないメリットをもたらしました。西ドイツで始まったこの技術は、世界中に影響し工場建設相次ぐ中、日本にも静岡に工場が建設されるなど、その需要もどんどん広がり、天然ハッカに続き合成ハッカの分野でも日本は世界の半数を占めるまでの生産国となりました。

合成で造られるのは「ハッカ脳」で「合成精油」と言うものはありません。食品添加物法では合成によって造られた「ハッカ脳」も精油から析出された「天然のハッカ脳」も差異は設けずどちらも指定香料と位置づけられていますが、天然のハッカ脳には過去の合成法で得られた合成ハッカには含まれない天然特有の成分もありました。

https://hakka.be/knowledge/component/

ハッカ脳、すなわちメントールがあの香りの成分なので、天然のハッカ草以外からハッカの成分(メントール)を作り出すことができて、それが合成ハッカ。

知らなかった!


初めて訪れた北見ハッカ記念館。

知らないことだらけで、とても勉強になった。

ですが、興味のない方には、
#どうでもいいか

でしょうか😢

#なんのはなしです (薄)荷


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