母が健康と引き換えに私に与えてくれた、たくさんのもの
大腿骨骨折をして入院中の母。
私もだいぶ慣れてきた。
当初は、私自身病院も苦手だし、行くだけで消耗していた。
昨日の母
毎日病院でヤクルトを飲ませている。プラスして、最近ジュースも少し。
あと少量の間食。むせないように、慎重に、注意しながら。
こんな吸い口も購入した。
病院から言われて、とろみ剤も用意した。
でも、とろみ度合い?が難しいから、結局スプーンを持参して、スプーンに少量入れて一口ずつ飲ませている。
昨日の母は、お疲れだった。
ヤクルトだけでも、途中で『疲れた。』と言う。
『リハビリしたから疲れた』と言う。
主治医の先生が来てくださり、聞いてみると確かにリハビリはしたらしい。
立ち上がり、骨折していない右足を軸に左足は前に出たが、逆はできなかったそうだ。
もともとパーキンソン病で右足が出づらい気がしていたから、そのせいもあるかもしれないし、もちろん骨折したのが左足だから、そちらが踏ん張れないのも分かる。
でも、母が立ってくれたのがとても嬉しい。
先生からは、
①今日は朝と昼あまり食べていないから点滴をしている
②熱が下がらないから、炎症や肺炎の可能性を調べている
→肺炎は大丈夫そう。
→尿路感染がありそうだから抗生剤を入れる。
③肺は大丈夫だが、甲状腺に腫瘍みたいのがあるから月曜日に耳鼻科で診る。
と言われた。
⚪︎お医者様には当然のことも、私には分からないことも多いからきちんと説明が欲しいこと
⚪︎患者にもお医者様を選ぶ権利があること、(緊急入院だから最初は余地がなかったため)つまりは、対応が不安なら変えることもあること
などお伝えして、それ以後比較的ちゃんと説明してくださるようにはなったが、こちらが聞かないと分からないので、数日に1回は聞くようにしている。
まだ熱があるから、頭が熱かったらアイスノンをお願いする。
排便コントロールもどうなっているかとかも聞かないと分からないから聞いて確認する。
ともかく。
母が立ってくれたことが嬉しい。
先生に言われた先の3点。
②③はお任せするしかない。
ただ③は以前指摘は別の病院で受けていたからそのことかもしれない。
経過観察をすることになっていたからこれから病院に聞いてみたい。
①は私がおやつなり、りんごなり食事を補うもので対応しよう。
今日の母
面会の受付を済ませて、病室のある会に上がると、ナースステーションに母が看護師さんと一緒に車椅子でちょこんと座っていた。
リハビリの後、家族が来るかもしれないと、看護師さんの気遣いで病室には戻らずナースステーションにいたらしい。
久しぶりにベッドの上でない母を見て嬉しかった。
ただ、まだ点滴をしており、車椅子の横に点滴のスタンド?みたいなものが置いてある。痛々しい。体も右に傾きがち。
今日は、りんごを煮たのと、オレンジジュース少し、後はチョコレートをひとかけ食べさせる。
今日の看護師さんはとても優しく、母の爪がとても汚れているので、『手を洗いたい』と言うと、いろいろ手伝ってくれた。母の様子もいろいろ教えてくれて、とてもありがたかった。(なぜか右手の親指だけ特に汚れていて、理由が不明。)
看護師さんによって、対応にものすごくばらつきがある。
めんどくさそうな人もいるし、とても優しく思いやりに溢れた方もいる。
今日の方がとても親切だったので、母も笑顔が多くほっとした。
(今までの看護師さんは、爪のことを相談しても対処してくれなかった。)
そろそろ病室に戻らないといけないのではないかと思うが、母は気が進まないのか戻ろうとしない。
すると、看護師さんが『もうしばらくナースステーションで、一緒にいようか』と母に話しかけていた。
迷惑ではないかと思うが、『大丈夫ですよ。』とおっしゃるのでお任せすることにした。
ナースステーションはエレベーターの前にあり、最後、母と看護師さんが私と父を見送ってくれた。
元気そうだったり、弱々しかったり、日によって違うが、ベッドから降りられたのは嬉しい。
しかも夜中も2時間おきに姿勢を変えてくださっているとのこと。
ありがたすぎる。
看護師さんによれば、母は寝ている時間が多いのに、背中や腰は大丈夫そうとのことだった。
戻ってきたら、こまめに姿勢を変えてあげようと思う。
まだ歩けはしないが、車椅子に座り立つ練習をしているだけでもありがたい。
焦って転んでも困るから着実に進めていきたい。
目下の心配は、母の食がまだ細いこと(貧血と栄養不足もある)、管を入れていることによる尿路感染、甲状腺の問題、熱が下がらないこと、この辺りだろうか。
それでも、母は今生きてくれている。
生きていてくれることに感謝して、母のお世話を日々してくださる医療関係者の人にも感謝し、会社の同僚にも、ここでの皆様も・・・
とにかく全てに感謝だなあと思った。
母が健康と引き換えに私に与えてくれたもの
母の病気で私は本当にいろんな経験をしていると思う。
それまで、平日は自分の仕事だけで1日の大半を過ごしていた。
それが、母のことで働き方も住む場所も変えて、数年。
◯家族との時間(父、母、たまに戻ってくる弟)
◯母を世話できる時間
◯地元に戻ったから、今までの友達との時間
◯美術館に行く時間(首都圏に戻って美術館に行く時間が戻った)
◯老いと向き合う時間
その他諸々。
特に、母の世話の時間は育児をしたことのない私にとってはとても貴重だと思う。
この経験で(全く同じではないだろうけれど)育児と仕事の両立をされている人の大変さもよくよく分かる。
今まで「時間で仕事を解決していた部分」もあるけれど、そうもいかないとどれだけ大変かということを、今、身をもって体験中。
昔、早く子供を産んだ友達が、『20代で産んでおいてよかった』と言っていたがそうだろうと思う。
40代なんぞで出産したら、もう本当に無理!!!って思う。
(産んでないけれど、50代で親の世話をしていて一番きついのは自分の体力不足なのだ。)
うまく言葉にできないのだけれど、母が私に与えてくれたものは、大人になるまでもたくさんあったけれど、今与えてくれているものも本当にかけがいのないものだと思う。
そう思えるから、今私はできる限りのことを母にしたいと思うのだ。
私の勝手な自己満足であったとしても。
この”かけがえのない大切なもの”を毎日大事にしていきたい。
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