新規事業成否

ベンチャー企業や大企業などの企業規模に関わらず、新規事業には常日頃から積極的に取り組まなければならないといわれている。なぜなら、企業を取り巻く景気や消費者の動向は、刻一刻と変化し続けており、情勢が変わるにつれて企業に求められるものも変わるからだ。

それでも、企業は常に新規事業に取り組む必要があるといわれるのはなぜなのだろうか。まず一つは、企業にとって「市場ニーズの変化に対応していくこと」が最優先だからだ。もう一つは、「新規事業による人材の育成」が重要であることが挙げられる。

企業が新規事業に取り組む必要性とは?

3Cの観点で考えると

1.顧客の動向を知る

2.新規事業を通して人材が育成される

3.他企業の動向を知る

市場ニーズは、既に顕在化しているものに加えて、潜在的に存在するものや今後新たに顕在化するものも含まれる。長期的にニーズを反映し続けられる経営プロセスをきちんとシステム化し、需要に合ったサービスを提供し続けていくことこそが新規事業の意義であり、安定した企業利益を導くカギでもある。

市場ニーズには3種類存在する

既に顕在化しているものㆍ潜在的に存在しているものㆍ今後新たに生まれるもの

新規事業の意義は、長期的にニーズに反映できる経営プロセスをシステム化し、サービスを提供していくことだ

1.積極的な人材の育成と採用
新規事業を成功させるためには、人材の育成とチームの意欲を高める環境作りが大きなポイントだ。特に新たに人材を採用した場合、チームの中で自己の役割を認識し、その重要性を自覚できるよう教育訓練することが重要である。事業のビジョンをチーム内で共有しあいながら、自分の役割を理解できる仕事環境を整えるべきだ。
良い人材が育つことで良い事業が育ち、事業が育つことでまた良い人材が集まる場になっていく。このサイクルこそが新規事業の成功ともいえるのではないだろうか。

3.ターゲットの明確さ
新規事業に限らず、“事業”というのは、まずターゲットが明確であることが何よりも重要だ。「すきま産業」「ニッチマーケット」ともいわれるが、新規事業の場合、ライバルのいない市場をいかに見つけられるかが成功の秘策でもある。
例えば、ターゲットが「女性」という大きなくくりでは、あまりに市場が広すぎて事業の方向性を定めるのは困難だ。そこで、女性の中でも「辛い食べ物が好きな人」「山登りが好きな人」「女性管理職」「働くママ」など、趣味や年代、ライフスタイルなどさまざまな視点からターゲットをできるだけ狭く絞っていく。
結果的にターゲットに対する想定ライバル数と、消費者の潜在的な悩みがあぶり出され、自社の得意を生かせる競合の少ない市場を見つけ出すことができるだろう。ターゲットは「ペルソナ」とも呼ばれ、事業開始後にニーズを呼び起こすノウハウを明確にする効果もある。

最終的なゴールは、「ペルソナ」を明らかにすること。

4.システム化指向の新規事業開発
新規事業を成功させるためには、ビジネスをシステム的に捉えることが大切だ。いくつもの成功している新規事業には、システム化によって生産性を上げ、コストや情報の競争力を向上していこうとする共通点がある。「どこをシステム化すべきか」については、事業の性質や企業規模によって異なる。生産分野に限らず、販売・マーケティングの分野、運営・管理分野など、広い視点で見極めよう。
ちなみに、システム発想で事業化することで、たとえ成熟産業への新規参入であっても、新たな市場を創造できる可能性がある。実際の事例を後述するが、消費者ニーズを迅速に反映できる社内フローをきちんとシステム化しておくことで、消費者にとって既存他社にはない魅力を打ち出せるだろう。特に近年、IoT(モノのインターネット)を駆使したサービスの拡大、多様なサブスクリプションモデルの出現には目を見張るものがある。

新規事業が失敗してしまう企業に共通する4つの特徴

夢を持って新規事業に挑むものの、現実的には、その多くは軌道に乗ることなく衰退・消滅してしまう傾向にある。ベンチャーが盛んな米シリコンバレーにおいても、成功するのは1,000社に3社、つまり起業しても0.3%しか生き残れないという意味で「せんみつ」といわれるほど。新しく事業を手掛ける前に、以下のような「失敗」の要因について学んでおく必要がある。

以下失敗である

2.ビジネスモデルが十分に検討できていない
事業が失敗する要因の多くは、需要予測や市場の読み違えが起因している。思い付きで行動することが悪いというわけではないが、あまりに楽観的な需要予測に基づいた事業化計画で進めてしまうと、軌道に乗れないときに適切な打開策を見いだせず、衰退を余儀なくされるだろう。
どんな新規事業も、市場に参入した後、需要が高まり成長期を経て成熟期を迎え、いつかは衰退してしまう。近年では、IoTの普及によってそのサイクルが短期化し、消費者ニーズもどんどんと多様化している。
情報化社会のなかで、自社にしか入り込めない市場をいかに見いだして、ターゲットを明確に定められるかがポイントになる。さらに事業を通じて人材を育てられる環境を整えながら、きちんと撤退ラインを決めておくことが、事業の成功と失敗を分ける一つの目安になるだろう。

まとめ 

新規事業は、顧客のニーズ変化を捉えるため、また若手育成のためにも行った方がよい。

その時のポイントはターゲットがきちんと絞れているか。

そのターゲットは、既に顕在化しているニーズㆍ潜在的に存在するニーズㆍこれから現れるものに分類される

どれを拾い出すか。そこが勝負だ!!

出典:https://the-owner.jp/archives/218

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