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映画「マリア 怒りの娘」を観て来ました

こんにちは。
映画監督の武内剛です。
アタクシの実の父を探す旅を描いたドキュメンタリー映画「パドレプロジェクト」を世に出すためのブログです。

今日は最近観た映画「マリア 怒りの娘」を紹介させていただきます。

ゴミ山というとフィリピンのスモーキーマウンテンが有名ですが、実際は世界中の至るところにそうした場所があります。

そしてそんな劣悪な環境の周りでしか、生きざるを得ない子供がいます。

この映画の舞台は、中米のニカラグア。
冒頭のシーン、実際に存在する「ラ・チュレカ」といわれるゴミ山地帯の映像はスクリーンから腐臭が漂ってくる程に、溢れかえるゴミの量に息を飲みます。
そんな中で母子家庭のもと逞しく生きる幼い少女、マリアちゃんの物語です。

ニカラグアは政治がとても不安定な国で中南米の中でも貧しい国の一つです。
そして独裁政権が長らく続いており、そんな影響からか、ニカラグアでこれまでに作られた長編映画はたった数本。

確か、この「マリア〜」が5作品目の長編だったかと。

会場は渋谷ユーロスペース

というワケなのでアタクシも勿論、生まれて初めてニカラグア映画というものを鑑賞するという貴重な経験をしたワケですが、感想はというと、、、、
とっても好きな感じの作品でした!

ホラー映画とかではないのですが、終始どんよりした、不穏で殺伐とした空気で物語は進んでいきます。
そんな中、主人公であるマリア役の少女の澄んだ瞳、それでいてどこか大人っぽさも垣間見える素顔に癒されます。

猫女の空想的な描写は現実逃避願望かなぁ。

アタクシは本作品の公開初日となる2/24に渋谷にて鑑賞したんですが、はるばる監督も舞台挨拶の為に来日されており、館内には通訳の方や配給さん、映画関係者らしき人がたくさん。

ローラ監督と新谷さん(ラテンアメリカ研究者・通訳)の舞台挨拶
映画パンフレットの新谷さんの文章も良かった

そしてお客さんも、Q&Aでスペイン語で質問される方がいるなど、なんだかイイ感じに非日常感溢れる空間が心地よかったです。
やっぱ、公開初日に鑑賞するのって、チケ代+アルファのお得感あるよね。

アタクシはアメリカ、ニューヨークに住んでて、ニューヨークも中南米の移民が多い街なので、久々のスペイン語のシャワーを沢山あびれて楽しかったです。

ニカラグアの移民はニューヨークには少なかったけど、ローラ監督に聞いたところ、ニカラグアの人は大体隣国のコスタリカに行くんだそう。

こういう、自国を離れて移住して暮らすっていうのが、とっても身近な価値観としてあること自体に、その国の不安定さが垣間見えるよね。

ローラ監督は、本作品を製作し、全世界に公開したという事で独裁政権の怒りを買ってしまい、
ニカラグア本国での上映はおろか、国に戻れずメキシコで暮らしてるとか…

ジンワリ感じる作品でした。
今も未だ、まだ上手く言語化する事ができませんが、以前よくSDGsのワークショップ等をやっていたアタクシにとってはとても考えさせられる問いを突きつけられました。

とりあえず、今後スタバのコーヒーは毎回マイタンブラーにしようと思います。22円引きになりますしね。

企業はSDGsも良いけど先ず「マリア 怒りの娘」を観て打ちのめされてみましょうね。

令和六年 二月二十八日 武内剛 ぶらっくさむらい

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