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自主映画製作者と英語字幕その1 (毎日投稿59日目)

こんばんは。映画監督の武内剛です。
アタクシの初監督ドキュメンタリー作品「Padre」を世に出す為の毎日ブログでございます。

本日は、海外の映画祭でノミネートを狙う超低予算自主映画の製作者が、
どうやって限られた予算で英語字幕を作成するか…
この難題について考えてみたいと思います。

今回、アタクシの映画、「Padre」は撮影段階から、
"この作品は日本人だけではなく、全世界の人に届けたい"
という思いで作っていました。

作品の舞台もイタリアで、本編の台詞も、
1/3は日本語以外の言語(英語、イタリア語)で、
いわゆる"ザ・日本映画"って感じでもない為(日本の伝統文化や風習などがテーマの場合、様々な背景の説明をする必要がある)、
字幕をつけて英語圏の人に伝える事に関して、
そこまで小難しい説明や、情報は少ないかもだけど、それでも、
日本で生まれた日本人以外の人が自然とストーリーを理解できる様な言い方を考える作業というのは、なかなか骨が折れるものでした

そもそも字幕制作を、正攻法で、プロの方や業者に頼んだら、
結構な金額を支払う必要があると思われます。
それだけ、技術も求められ、時間のかかる作業なので。

あと、字幕を字幕制作者の方に直接映像素材の上に貼り付けてもらうトコまで依頼するのか、それとも、テキストデータだけもらって、その作業は自分達でやるのか、この辺の作業量によってもかなり金額は変わってきそうです。

では海外映画祭に応募する、自主映画の監督達は皆さんどうやって、
この"英語字幕"の壁を超えているのか….

人それぞれやり方は違うと思いますし、
これに関する情報は殆どググっても出てこないので、
とりあえず、アタクシのやった方法を2.3回に投稿を分けて、
シェアしたいと思います。
※もし読者の方で他の方法を知っていたら、是非コメント欄に書いてね。

おそらく自主映画の製作者の皆さんは、カツカツの予算でやってるので、友達や知り合いの英語が喋れる方に、土下座してご協力をお願いするパターンが多いんじゃないでしょうか?

というのも、何を隠そう、アタクシがこのパターンだからです。

5回ほど土下座しました。

アタクシの場合、幸い日常会話程度の英語が話せるのと(ネイティブではない)、今回の映画の編集者でもあるので、
まず自分の英語力と DeepLを駆使して、
英語字幕をアタマからエンディングまで自力で作り、
それを映像に貼り付けて、一旦完成させた映像素材を、
日・英バイリンガルの友人2人にチェック・校正してもらいました。

※DeepLは今現在、一番翻訳の精度が高く、使えるアプリだと思う。

フォントの見やすさ、何秒表示するのか、1行 or 2行?…etc
様々な配慮が必要なので、かなり根気の要る作業です。

ちなみに、字幕制作に協力してくれそうな英語が喋れる友人がいたとしても、その友人がある程度、人に物事を伝えるという事への素養がないと
英語字幕の作成は難しいと思います。

つまり、日・英バイリンガルだからといって、
映画やエンタメに全く興味がない人に頼んだらダメというコトです。

「自主映画制作者が上から目線で選り好みすなっ!
どうせ大した謝礼も払えないのにっ!」と、
ツッコミが飛んできそうではありますが。。。

友人達から返ってきたフィードバックを見て、
更に修正、修正の繰り返しです

アメリカに無駄に7年も留学していたアタクシ。
「7年はさすがに、ちょっと長すぎたかなぁ….」、
と思ったこともありましたが、今回の英字幕制作で、
最初の土台を自分で作れるレベルの英語力があった事に心からホッとしました。

日本で普通に生活していると、普段、英語を使う機会は全くありませんが、やはり、こーいう来たるべき時の為に英語の勉強は常日頃からしとかなきゃな、と強く思いました。

今回も、全くのゼロの状態から、友人に英字幕作成をお願いするのと、
既に英字幕が入った映像を観てチェックして頂くのとでは、
作業量に天と地ほどの差があると思いますので、
そこら辺も、誰かに依頼する前に、
自分はどの部分ができて(できなくて)、
何をお願いしたいのかをハッキリさせといた方が良いと思います。

その2では、独自で調べた字幕のルールなど、
もう少し細かい部分を書けたらと思います。

P.S. 海外映画祭に応募する為の字幕制作費や、ノミネートされた際の渡航費などの助成金が申請できる、公益財団法人ユニジャパンのサイトです↓
令和五年度分はまだ発表されてませんが参考まで。

令和五年三月二十七日 武内剛




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