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文房具アーカイブ#10『ぺんてる 万年ケリー(発売50周年モデル)』

アーカイブの節目には節目のペンを。

ぺんてる 万年ケリー

商品スペック(ぺんてる公式サイトより)

発売50周年モデル:クラシックブラウン

型番:P1035
(通常版:黒/青/オリーブグリーン/スモーキーグレイ/ロゼ)
(50周年モデル:ANE クラシックブラウン/ANN トラディショナルグレー
/ANC ボトルブルー/AND グラスグリーン)
芯径:0.5mm
替え消しゴム: Z2-1N
定価:(通常版)1,500円+税(50周年モデル)4,000円+税
グリップ:金属
芯繰り出し方法:ノック式(後軸にキャップを装着してノック可)
(通常版)1971年~2023年2月現在販売中
(50周年モデル)2021年11月15日数量限定販売~流通分のみ

https://www.pentel.co.jp/products/mechanicalpencil/mannencil_kerry_50th/
https://www.pentel.co.jp/products/mechanicalpencil/mannencil_kerry/

 『万年ケリー』は常々欲しかったシャープペンシルだった。ちょこちょこいろんな所から限定の色が出ていて買おうかなぁと思っていた矢先に50周年モデルが出るという話を聞いて意気揚々とお財布を開いたら限定版が思いのほか高くて半泣きになった思い出がある。買ったけど。

『万年ケリー』とは

キャップをしめた状態。コンパクト。

 『万年ケリー』はなんといっても「キャップを軸の後端にセットしてノックができる万年筆型シャープペンシル」。万年筆なのかシャープペンシルなのかはっきりせいと言いたい気持ちもあるがキャップを開ければどう見てもシャープペンシルなのでそれを言うのは野暮だ。持ち歩きに最適、ビジネスマンの胸ポケットにあっても決まる1本。「50周年モデル」を見て知ったことなのだが、キャップは金属だが後軸パーツは樹脂。きちんとキャップを後軸にセットしてノックすることを考慮された軸の重さバランスには50年やってきたベストセラーの風格を感じる。キャップをセットしたときに「カチッ」と音がなるが泣く子どもも黙るいい音だ。

『発売50周年モデル』は何が違うのか

冒頭に「思いのほか価格が高かった」と書いてしまったがまぁ事実なのでしょうがない。買ったから言えることだが「まあ妥当だな」と思えるくらいには満足している。文房具であまり不満に思った価格設定もないっちゃないが。
『発売50周年モデル』は特に内部機構などは変わっておらず見た目がめっちゃオシャレになったものになっているが、本体だけで大きく違うのは

  • 金属部分(クリップなど)がメッキ加工されている(ロゼゴールド/シャンパンゴールド)

  • 通常にはない特別な軸色

ぐらいである。(オシャレで素敵な箱に入っていたが本体スペックに関係ないので省略)
見た目が少し違うくらいでそんなに値段が違うんかい!と皆様は思うだろうか、結構こういうことは当たり前なことで自分は驚いたりはしない。
 なお、「ボトルブルー」と「グラスグリーン」は後軸がスケルトンになっており、内部が見えるのでワクワクも倍増。これを見て後軸が樹脂だということを知った。「クラシックブラウン」と「トラディショナルグレー」は透けてはいないが高級感は爆上がりなのでそこはお好みで。

キャップ式シャープペンシルが増えないのはなぜか

 製図シャープペンシル、高級シャープペンシルが中高生に流行って早数年。修理受付自体もシャープペンシルの問い合わせが多くなってきた。芯詰まりはともかく、口金(芯が出てくる先)曲がりはもうメーカー送りかパーツ取り寄せなので素人にはどうにもできない。学生が「前も直したんですけど……。」と来るのもまぁよくあることで、原因は筆箱にそのまま入れていることが大きいんじゃないか?と思う。最近の学生は筆箱も高級志向の本革ペンケースに入れていたりして厳重に扱っていたりいなかったりするが普通の学生が持っているペンケースで持ち歩くと落としていなくても筆箱内でガチャガチャと揺れて曲がってしまうことはある。

 自分も学生の時に父親に買ってもらった製図シャープペンシルの口金が曲がってしまって強くショックを受けた。当時田舎に住んでいたので修理やパーツ取り寄せの選択肢を思いつかず、そのシャープペンシルは泣く泣く捨ててしまった。今ならあのペンを救えたんだろうなと思うとなんとも言えない気持ちになってしまう。そういう背景もあって製図シャープペンシルや高級シャープペンシルはあまり持っておらず今に至る。(高級シャープペンシルについてはあまり持つ意味も感じていないのでそんなに持っていない)

 話がそれたがペンケースに入れることを考えたらキャップ式のほうがよくね?と思ってしまうわけで。でもそうならんだろうなとも思う。

  • キャップ式だと今度はキャップをなくす問題がある

  • キャップ式でプラスチックだとキャップが割れてしまうと危険なので金属が望ましい(プラスチックのものもあるにはある)

  • こだわったペン先機構部がつけづらい(昨今のシャープペンシルは機構部ゴテゴテしているからつけられないかそれをクリアしても後ろにキャップを付けた際の重さバランスが難しい)

自分でもあげるとこういう点があるからにしてまぁ難しいなぁと思う。それからキャップ式シャープペンシルは他にもあるっちゃあるんだけど大体価格がかわいくないためやっぱりコストかかるんだなと思う。逆に『万年ケリー(通常版)』は1500円で買えちゃうのどうして?って思っている。

気になったら使ってみてほしい……けど。

このペンは2021年11月15日から数量限定販売~現在は流通分のみという「限定品」なので、もしどこかの文房具店にあったらぜひ手に取ってほしい。多分もうほとんどない気がする。

文房具との出会いは一期一会。気になったら買うんだ。

通常のカラーはこちら

いろんな所から限定色が出ているので好きな色が出たら買うのもいい。
なお、紹介しなかったが海外モデル(0.7mm)もある。いつか買いたい。

今回はここまで。
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