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Blackmagic Creator's Portfolio Vol.6 AKIYA MOVIE


Introduction

こちらのシリーズでは、弊社Blackmagic Designと深い繋がりがある、とても素敵なクリエイターの皆様についてご紹介します。

第6回目は、映像クリエイターとして活動されているAKIYA MOVIEさんにお話を伺いました。


Profile

AKIYA MOVIEさんは、2019年からYouTubeへ動画を投稿している大阪府出身の映像クリエイターです。
YouTube活動だけにとどまらず、数多くの映画・MV・CMなどの撮影も行っており、また、自身のオンラインサロン「1Bloom」を立ち上げるなど様々な挑戦を続けていらっしゃいます。


ー 最初にクリエイターとして活動されるようになったきっかけ・ルーツを教えてください

映像制作を始める前はダンスをしていました。ダンサーは自分の表現を大事にしていて、細かい動きや、自分のパフォーマンスの見せ方をたくさん研究してきたルーツがあります。映像制作も、自分のダンスを確認したり、自分や周りの友達のダンスを格好良く撮影したいという思いから始まりました。そのため、きっかけは自己表現の延長というのが近い気がします。完全に裏方として映像をつくることも自体が楽しく、楽しみながらスキルを磨いています。特に、YouTubeというプラットフォームが自己表現の世界において、すごく僕の考え方とマッチしている気がするんです。さらに、僕は「裏方が輝く世界」を作りたいという理想を持っています。映像作品で注目を浴びるのは主に俳優や監督ですが、裏方の大変さは見えづらいものです。しかし、そのたくさんの努力や苦労なしでは、素晴らしい作品が生まれません。僕は、どこかの世界線でそれらが見えてもいいんじゃないかと思っています。僕のチャンネルでは裏方の人たちが、「こだわりをもって本気で取り組んでいるかっこいい姿」をエンターテイメントとして見せていけるようにしたいと思っています。

ー 1Bloomを立ち上げられたきっかけは何でしょうか?

僕はこれまで、人脈という点で非常に恵まれた環境にいたと感じています。映像制作を始める際にも、同じ目標を持つ仲間が周りに6人ほどいました。特に、今も一緒に仕事をしているダンス仲間が多く、その点でも恵まれていると思います。そして、制作会社で多くを学び、YouTubeを通じて多くの人々と繋がりを持つことで、映像制作スキルも向上していると感じています。僕のような恵まれた環境は、皆が同じように持っているわけではないと思います。ダンスをしていた頃から、何かしら競り合える仲間がいると、自分自身も成長すると感じていました。その経験から、ソロで映像制作に取り組んでいる人たちが集まれば、お互いにモチベーションを高め合い、一緒に成長できるのではないかと考え、このプロジェクトを立ち上げました。実際に始めてみると、多くの課題もありますが、試行錯誤しながら進めています。オフラインイベントも開催し、バーベキューや撮影会などで遊んだりもしています。共通の趣味を持つ仲間と実際に会うと、お互いに熱い想いを語り合えるので、その重要性や多くの学びを感じています。

ー コミュニティの中で大切にしている考え方や価値観はありますか?

この業界に入って感じたのは、誰が優れているか、誰が劣っているかといったことは一概に言えないということです。それは人それぞれの価値観や正義が存在するからで、アートの世界だからこそ、優劣をつけることは難しいと思います。そして、時には居心地の悪さを感じることもあります。特に、ツイッターなどで話題になる多くの事象や意見が、この業界ではよく見られます。それが「絶対にこちらが良い」といった一方的な意見に繋がり、業界全体が燃えやすい環境になっていると感じています。しかし、そのようなノイズに囚われず、映像制作をシンプルに楽しむことが僕のスタンスです。同じように考える人たちが集まれば、それが最高だと思います。何十年も業界で活動している方々から見れば、僕のような若手がYouTubeで知名度を得ていることが気に入らない人もいるでしょう。そのような価値観の違いや不満が存在する中で、僕はただ単にやりたいことを追求し、好きなことを大切にしたいと考えていて、僕と同じような価値観を持つ人たちが集まる場所を作りたいと思っています。

ー 弊社製品を知ったきっかけは何ですか?

DaVinci Resolveから知りました。4年くらい前は、カメラの性能的にも色表現というのは、LUTを当てて終わりという風潮があったというか、特に、YouTubeではあまり一人一人が自分なりの色を表現するっていうのがトレンドとしてなかったと思います。映像業界とは違い、僕らみたいな趣味で映像を始めた人たちからすると、色はLUTを当てて、結構同じような感じの作品があったっていうのが多かったと思うので、もっと自分なりに表現できないか調べていて、DaVinci Resolveに出会いました。また、BMPCC4Kがいろんなコミュニティで話題になっており、既に最前で活動している人たちが使っていることが多い印象でした。当時10万円くらいでRAWで撮影できるカメラがあって、それを買えばDaVinci Resolveの有償版がついてくることが印象的で、製品を知ったきっかけにもなりました。

ー DaVinci Resolveについての印象を教えてください

当時3万円後半くらいで有償版を購入したと思うんですけど、この値段に対して、できることがとても多く、とても費用対効果が高いと思います。他の編集ソフトは、それぞれの機能によって、ソフトを使い分けないといけないところ、DaVinci Resolveは、EditやColorだけではなく、FusionやFairlightなどのVFXやMA、サウンドデザインまで細かく調整できて、1つの編集ソフトで全て完結させられるのが、最も強みであると実感します。DaVinci Resolveは、無償版で誰でも気軽に始められ、自分のスタイルに合えば、ステップアップとして有償版へいつでも切り替えられる柔軟性のあるソフトです。誰かにおすすめの編集ソフトを聞かれたら、自信を持って"DaVinci Resolve"と答えられるところもすごく気に入っています。

ーAKIYAさんが一番気に入っている作品はありますか?

「自分が好きだな」って思う動画、作品もあるんですけど、それよりもYouTube上では、自分が表現してる動画、例えば、さっきお話したL Babyの「Show Me Your Love」のメイキングドキュメンタリーであったりとか、新製品を使って、その一部始終を届ける動画の方が、たくさんの方に見てもらえる作品になることが多い気がします。僕の中で、今明確な答えを出すのは難しいかもしれません。基本的に作品を残したとしても、半年くらい経つと課題点が見えちゃって、「もっとこうできたな」ってなってしまうんですよね。現時点では代表作と呼べるような作品ができていないのが現状ですので、今後さらにスキルアップをして、生涯で自信ある作品を制作し、後世に残したいです。

ー 動画をつくるとき、大切にしている価値観はありますか?

自分の強みを磨いて、自分が咲くべきところにいることが僕は大切だと思っています。世間一般的に、映画撮影が一番難易度が高いっていうイメージがありますが、「映画監督が一番偉い」、「MVをつくっている人や、YouTuberは偉くない」という位置付けは違う思います。僕は色々な映像制作会社に入って、映画撮影にも挑戦しましたが、映像を本格的に裏で何十年もやっていくっていうことは自分の強みではないと思ったんですよね。自分自身がエンターテイナーだからこそ、映像を使って写真や動画を楽しんでる様子を届けて、映像制作に興味がある人口を増やしていく方が、実は向いてるんじゃないかなって感じています。ディレクターとしてやるのが強みな人もいれば、撮影が強みな人もいたり、音にこだわることが強みっていう人もいるので、自分の強みが何なのかを早いうちに見つけて伸ばしていくと、一番遠回りせず良い作品っていうものを生み出せると思います。

ー AKIYAさんが制作するような映像を目指す方に向けてアドバイスをお願いします。

僕は主にVimeoをよく視聴しています。YouTubeよりも、Vimeoの方が「0から1を生み出す」ような脚本やアイデアがたくさんあるように感じるからです。シネマティックとは、「既存のものをどのように美しく映すか」という点に重点を置いてて、例えば、素晴らしいロケーションで特定の人物をどのアングルから撮影するか、海外の文化や風景をどう美しく映すか、といったことです。中でも、僕が特に重視しているのは、「何もないところから何か新しいものを生み出す」つまり「0から1を生む」プロセスです。この点で、Vimeoは非常に参考になると感じています。クオリティの高い映像に触れることは、視野を広げる意味でとても重要で、お気に入りの作品を何百個もフォルダに保存して、必要なときに参照することが大切だと考えています。YouTubeにも素晴らしい作品はありますが、多くが予告編やミュージックビデオに偏っていると感じます。ハリウッドレベルの作品も素晴らしいですが、距離があると感じます。Vimeoでは、自主制作の作品も多く、海外のCMなども豊富にあります。さらに、Vimeoの関連動画のシステムやアルゴリズムは非常に優れていて、自分の興味に合った高品質な作品を見つけやすいのでオススメです。

ー 今後の目標を教えてください

過去1年間、YouTubeに全力投球してきました。時代が急速に変化していることから、YouTubeの難易度も上がっていると感じています。市場も飽和状態に近づいているため、YouTubeで一定レベルの成功を収めたいという目標が強くあります。私の中での成功の定義は、登録者数10万人を達成することです。多くの人に登録されるということは、何らかの形で価値を提供できた証拠だと考えています。YouTubeは半端な努力では成果が出ないプラットフォームです。そのため、今後1年半から最長で2年間、YouTubeに集中して取り組むつもりです。その後で、自分のプロダクションを立ち上げたいと考えています。YouTube制作には多くのリソースが必要で、現状ではそのような制作が十分にできていないのが現実です。長期的には、Netflixに関わり、自分の名前をクレジットに残すという目標もあります。以前、「Sin Clock」という映画に関わった際、YouTubeの更新が停滞してしまいました。その経験から、YouTubeと映画制作を同時に行うのは難しいと感じ、一つずつ目標を達成していく方が良いと考えています。



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