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動画編集ソフト「DaVinci Resolve」はなぜ無料なのか?

Blackmagic Designの代表的な製品の中に、
動画編集ソフトDaVinci Resolve(ダビンチ・リゾルブ)がございます。
DaVinci Resolveはハリウッド映画の制作にも使用され、圧倒的なシェアを誇っています。

2021年のアカデミー賞ノミネート作品にもDaVinci Resolveが数多くの作品に使用されました。

第93回アカデミー賞®ノミネート作品「ムーラン」、「ミナリ」、「この茫漠たる荒野で」などの数多くの作品に弊社のDaVinci Resolve StudioやPocket Cinema Camera 6Kなどが使用された。

DaVinci Resolveはカラーコレクション(カラーグレーディング)をはじめ、動画編集、オーディオポストプロダクション、ビジュアルエフェクト機能が統合されているソフトウェアです。プロだけではなく、初心者にも低コストで動画編集を手軽に始められるのが特徴です。

無償版と有償版(DaVinci Resolve Studioは¥47,980でライセンス買い切り)が存在しますが、無償版においても期限なし、商用利用可能、4Kまで出力可能という破格の条件で、有償版の95%以上の機能が開放されています。


DaVinci Resolveの歴史

昔のDaVinci Resolveは、開発元であるda Vinci Systems社がカラーコレクションシステムをソフトウエアとハードウェアをセットで販売し、一式で3000万円から1億円ほどする非常に高価なハイエンド向けの映像編集機器でした。

そのような状況のなかで、Blackmagic Designの創業者グラント・ペティは、「クリエイティブな作品をつくりたいのに、制作ツールが高価で限られた人しか入手できないのは非常に残念だ」と考え、2009年にda Vinci Systems社を買収した後、まず行ったのが価格面の改革でした。また、システムをソフトウェアのみでも動作するようなものに変えました。

買収前からDaVinci Resolveは映画業界でハイエンドなカラーコレクターとして使用されていましたが、今ではプロと全く同じソフトを学生も使うことができるようになりました。DaVinci Resolveを覚えた学生は、新しい製品を覚えることなく、ハイエンドの映像業界にすぐに進んでいくことができます。

Blackmagic Design創業者 グラント・ペティ

誰かがお金を持っていないからといって、それはその人がバカだということにはならないということです。ただまだ成功していないだけなのです。我々の仕事は、こういう人たちが志を実現し、新しいレベルに行くための手助けをすることです。DaVinci Resolveには限界は設定されていません。以前、ハイエンドで使用されていた機能を安くするために省いたりすることもしていません。ハイエンドに限らずすべての人たちに豪華な機能を使って欲しいからです。

ーーBlackmagic Design創業者 グラント・ペティ


DaVinci Resolveのビジネスモデル

無償版自体では収益を得ることはできませんが、ユーザーが無償版で仕事を始めてお金を儲けることができたら、ゆくゆくはカメラなどのBlackmagic Design製品に興味を持ってくれるでしょう。そこではじめて私たちは収益を得て、DaVinci Resolveをさらに良いものにする研究開発ができるようになるのです。

我々のビジネスモデルは、顧客とBlackmagic Designが一緒に成長していき、最終的にはうまくいくとグラント・ペティは考えています。我々の顧客が成功しないと我々も成功しないのです。これこそ最高のwin-winな関係ではないでしょうか。

DaVinci Resolveに関する今後の展開

「業界のルールやトレンドに偏った製品」ではなく、ユーザーが必要としているものを作るということが我々のミッションです。ライバルと競争するのではなく、ユーザーの問題を解決するために、どこにもないユニークなことを作り出したいと考えています。

関連情報

Blackmagic Design 公式ウェブサイト

Blackmagic Design製品に関するチュートリアルビデオ集

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