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レイ

重なれるものがあるから、自分を支えられる。
醜さで腐りそうになるはずだった人生が、何かのイタズラか、こんなにきれいに調えられて。
ずっと小さい時から感じてた全ての違和感は、剥離だったのか。世界と私との境界には、どちらでもない何かが強固に薄く在り、それが絶対的に私を融和から隔絶しているのだ。
それは私の体の表面に纏わり付いて、いくら喰い破ろうとしても、どこまでも柔軟に私の体の真似をする。一瞬たりとも隙は無い。
世界、本当は好きなのに。
世界、私を見ていてくれる世界。
どうしてあなたは、私に自分自身を異物として認知させたの。
私はあなたには荷物なの。なぜ私を受け入れてくれないの。
私はもっと、あなたの近くに行きたい。私をやめてしまえたら、どんなにいいだろう。
今はあなたの何をも感じることが出来ない、何をも聴けない。私に世界を聴かせて。私の芯に、届いて欲しい。轟音も、微かな摩擦音も、全部みんな総て統べて。

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