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餘部橋梁物語 第17話 総裁からの手紙
皆様こんばんは、本日も、餘部橋梁物語アップさせていただきます。
兵庫県知事のちょっと粋なはからい・・・ですが、このへんのお話はもう少し後になりそうです。
すみません。m(__)m
> 季節は、すでに秋の声が聞こえる9月になっていました、さて、この文書を受け取った兵庫県知事は、ちょっと粋な計らいをすることになりますが、この続きはまた明日の夜にでもさせていただきます。
国鉄本社からの手紙は、2日後には兵庫県県庁に届けられていました。
秘書室では、毎日たくさんの文書が知事宛に届けられます。
もちろん、知事宛と書かれていても、実際には単なる売込みの手紙だったりしますので、すべて秘書課で確認の上必要書類だけを上げるようにしているのです。
末席の秘書が、知事宛の文書の封をすべて開けて係長に持ってきました。
係長は、その中身を確認しながら、秘書課長どまりの文書、知事宛文書と手際よく分けていきます。
そして、ある1通の封筒を手にしました。
墨書きで、兵庫県知事 坂本 勝 殿
立派な字でした、差出人の名前を見て、係長は思わず
「あっ」
声を上げていました。
なんと、国鉄総総裁、十河信二と書かれていました。どうやら、十河総裁が直々に出した手紙でした、というのも、それとは別に事務的に「兵庫県知事 坂本殿」と書かれた日本国有鉄道総務部発信の茶封筒は別にあったからです。
総裁の手紙には、知事の熱意ある行動が私に決断させたこと、現在の国鉄は、戦後の経済的発展に伴う輸送力増強と老朽資産の取替えが中心となっており、なかなか地方にまで光を当てることができないこと、それゆえに直接地方の窮状を訴えてくれたことに感謝する旨書かれていました。
秘書係長は、本来は文書の内容などを読むことはご法度なのですが、・・・
秘書係長は、これは業務の一環だからと自分に言い聞かせながら、こっそり読んでしまったのでした。
係長は、読み終えると再び封筒に納め、国鉄総裁からの手紙を一番上に載せて秘書課長に提出するのでした。
秘書係長から知事宛の文書を預かった秘書課長は、それを知事室に届けようとして、ふと手が止まりました。
そうです、国鉄総裁からの手紙を見つけてしまったのです。
無理もありません、この件については最初からかかわっているわけですから。
改めて、すべての手紙をそろえると知事室をノックする秘書課長でした。
「どうぞ」
知事の声が聞こえます。
「失礼いたします、郵便物を届けにあがりました。」
秘書は、机に郵便物を載せていくとともに、決裁箱に入っている既決書類を抜き出しました、そして退室直前に、知事に小声でささやきました。
「国鉄本社からの書類が届いております。」
国鉄総裁からとは言わず、本社からとわざと言ったのです。でも、実際には国鉄総裁からの直筆の手紙が郵便物の一番上に置いたのです。
いわば、秘書課長の茶目っ気というのでしょうか、ちょっとした驚きを知事に与えたかったのでしょうね。
秘書課長が退室してしばらくすると、知事はいすに腰をおろすと山積みされた郵便物と書類をひとまず、机の右側に積み上げたのでした。
昨日から残した、一部の書類の決裁の花押をおしたのち、やっと郵便物に目を通すこととなりました。
一番上には、十河総裁からの手紙です、達筆で書かれた「兵庫県知事、坂上勝 殿」と書かれたじを見た知事はふと裏をめくってまたびっくり。
なんと、十河総裁が・・・、少し興奮気味に手紙を開いてみると。
総裁から知事に宛てた感謝の言葉がしるされていました。
・・・・さて、どんな内容だったのかって?
それは、明日のお楽しみということで。(^-^;
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