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【エッセイ】そうだ、恋ってこんな感じだった


テーマ:あの夜があったから

あまりにも赤裸々に書き過ぎて、恥ずかしいったらありゃしない。いっそ消してくれ…とも思ったりする。
自分って案外本気になると猪突猛進タイプだったみたいです。獣の呼吸…

思い返すと、呆れる程に馬鹿馬鹿しい。
でも、全力で生きた。全速力で走り抜けた。
そんな力がまだ自分にあったことを、恥ずかしいけれど嬉しく思う。

あの日買ったアイシャドウは、数年経った今でもまだ使っている。
底は見えているのに、枠の淵にしぶとくこびりついて、なかなかなくならない。
全部使い切る時、私は誰かと一緒にいるだろうか。

二年間のブランクは、なんと恐ろしい。使っていなかった細胞を久しぶりに動かすと、思いがけずバグるものなのだ。

女の体は、失恋を失敗としない。恋から逃れようとする意気地のなさが、最大の敗北なのだろう。
白いしるし(西加奈子 著)

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