「読める日本語」の書き方

僕はありがたい事に(多分良い意味で)「独特な言葉遣いをしますね」とか「綺麗な日本語を書きますね」と言ってもらえることが多い。学生時代、人を好きになるたびに自作曲を書いてきた身としては、じんわりと嬉しい。
そしてこのスキルは、今は採用やチームメンバーとのコミュニケーションで活躍してくれているようだ。

そこでこの記事では、自分なりに日本語について気をつけてきたことを軽く整理する。

それで一体、誰が何をするの?

まず、文を書いたら絶対に読み返そう。特に主語と述語だけを読み返そう。
そして一目で主語と述語を探せる文になるまで推敲しよう。

たとえば下記の文を見てみよう。

昨日新宿で私は新しいコートを買って、決め手は色味がとても良いことでした

推敲の前

読みづらい原因は2つある。

  • 「私は」がなかなか出てこない

  • 「私は」と文末をつなげると「私は良いことだ」という意味不明の文が出来上がる

これを改善すると、一気に読みやすくなる。

私は昨日新宿で新しいコートを買いました。決め手は色味がとても良いことでした。

推敲の後

あいまいさ回避

複文を避ける

この画像みたいな文章を書くのをやめよう。

ちょっと難しい話をすると、修飾語が何に係っているのかを明示する文章を書こう。たとえば下記のように。

例1) 猫が、赤い魚を食べた。
例2) 赤い魚がいます。そして、それを食べている猫がいます。

推敲の後

句読点で息継ぎする

ここまでで既に使ってきたテクニックだが、句読点は日本語を「読める」文にするための便利な道具だ。
特に「誤解を生みそうだな」「長すぎて目が滑りそうだな」と思ったら、その直前で「、」を打とう。もしくは、思い切って文を切ろう。赤ちゃんが使うような二語文、三語文を堂々と使えばいいのだ。

ダイエット

文章を区切ったうえで、要らない装飾は全部取ろう。勢いで書いた文章には、かなり高い割合で無駄な飾りがついている。たとえば…

  • 〇〇する必要があるということです

  • 特に〇〇ではありません

  • かなり〇〇することができる

大抵この太字部分は、要らないか短く言い換えられる。一目で読み返した時に「なんか長いな」と思ったら探してみよう。

まとめ

読める日本語を書くために、個人的に気をつけていることを整理してみた。どれもすぐに使えて強力なコツなので、初めて聞くものがあれば試してみてほしい。

あなたが今日書いた「読める日本語」を読むのは、来月のあなたかもしれない。

おまけ

ここから先は人によって好みが出るので、おまけ程度に思ってほしい。

1. 文字種を変える

漢字を「ひらく」「閉じる」、ひらがなとカタカナを混ぜることで、読み通しやすくなる気がする。たとえば、この記事の本文から例を持ってくると…

ここまでですでに使ってきたテクニックだが

推敲の前

ここまでで既に使ってきたテクニックだが

推敲の後

では下の方が読みやすい。なぜなら「ここまで」と「すでに」が分かれていることが一目で分かるからだ。

また、

人によって好みが出るからおまけ扱いにしたポイントも紹介しておく

推敲の前

ここから先は人によって好みが出るので、おまけ程度に思ってほしい。

推敲の後

も、下の方が読みやすい気がする。「おまけ」をひらがなで書くと、直前の接続詞の「から」と一体に見えてしまうからだ。

なんなら、ここまでに使ってきた注釈である「推敲前」と「推敲の前」も推敲した。漢字が3つ続くと読みづらいからだ。

2: 接続詞に気を遣う

もはや趣味レベルだが、接続詞を変えると滑らかな日本語になることがある。たとえば、

一目で主語と述語が探せる文になるまで推敲しよう。

推敲の前

という文を

一目で主語と述語が見つかる文になるまで推敲しよう。
一目で主語と述語探せる文になるまで推敲しよう。

推敲の後

に変えると、滑らかな手触りになる気がする。


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