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特別養子縁組、いつから「親」か?

よく「子どもと暮らして初めて、だんだんと親になっていく」と言われますが
実子の長男と養子の次男と暮らして、
本当にそうだなぁと日々思います。


だけど
「自分はこの子の親だ」
と強く感じる瞬間は
ところどころ起こるもので…

これは、実子と養子とで
女親としての私は、
違いを感じた部分でした。


私の場合は、養子の次男と出会う直前に
「 あぁ、私はこの子の親だ 」
という感覚になった瞬間がありました。


それは、
団体さんから委託依頼の電話を受けた時です。


その時の次男の情報としては
本当に、数少ないもの…

(たしか1度目の電話では性別も分かってなかった笑)

だったんですけど、電話口で

「 今日、●●(場所)で
  産まれそうなお子さんがいます。
  養育をお願いできますか? 」

と言われた時、
「はい、迎えます。」以外の言葉は
頭に浮かんできませんでした。


この時に、私は急に
養子の子の親になるんだな~!
と、思い描いていた気持ちが ぎゅんっ と現実になりました。


逆に言うと

” その瞬間まで、
 親になる実感はほぼ無かった ”

と言ってもいいくらいです。



・・・



特別養子縁組の研修では、
子を迎えてからのことや
子どもの健康状態の捉え方のこと
夫婦関係のこと…

いろんなことを考えさせられますが、
「本当に、養子の子が来てくれるのかな…?」
という気持ちはいつもあったように思います。


審査にとおるかの心配という話ではなく、

我が子になる子の「実態」が無い中で
我が子との生活を想像するというのは、
わくわく楽しいですが、
同時に、ハードなことだなぁと思います。


実子の場合は、特に女性は
妊娠中の身体の変化と一緒に
子の存在を実感しやすいですが

養子の場合にはそれが無いので

なかなかに難しくて
なかなかにワンダー?な…経験です^^


・


実子の長男の時は、
お腹の中の子の「性別」が分かった時に
急に人格が感じられて、
そうか私、親になるのか…と思ったのを覚えています。

夫の場合は、もっと緩やかで、
長男が産まれた時にちょっと実感が湧いて
育ててだんだん、実感が出てきたそうです。



養子の場合は
男親と女親での性別的な役割の違いが無いので、
2人とも「親の自覚」という意味では
似たような感覚でいるのも
これもまた珍しい経験だなぁと思います。



・・・




実は
我が家には、長男と次男の間に、もう1人
ほんの一瞬だけ、我が子だった子がいます。

詳細は割愛するのですが、
顔も見ることが出来なかったですけど
ほんの数日でもたしかに、
私はあの子の親だったなぁ…と思います。



そう思うと
「親になる」というのはいったい何なのか?


それは人によって違うものですが、
「自分の子を大切に思った」
瞬間というものが、
実子にも養子にも、きっと誰しも
あるんじゃないかと思うんです。


「大切に思う」気持ちは、
これはやっぱり親の気持ちかなぁと、私は思います。


養子の場合は特に、
「親の気持ち」を実感するタイミングが
研修などで想像している段階では
湧きにくかったという実感があります。


だけど
「自分の子どもだ」、と
子を大切に思う瞬間は必ず来るはず…


研修中
委託の電話
初めて会った時
自宅に連れて帰ってきた時

もしくはバタバタして、そんな当たり前のこと感じるヒマも無いかもしれないし…

人によって違うとは思いますが


「養子の子の親になれるか?」
という不安を
もしも、研修中に考えている方がいたら、
それはきっと大丈夫だとお伝えしたいです。


実態を感じにくいなかで
夫婦で沢山考えたことが
気づかないうちに自信になって、
「迎えます」という時にはきっと、
もう親の気持ちだと思います。



・・・



さてそうすると。


養子の子には
「子を大切に思う親」という存在が
複数人いますけど…

それはそれで、素敵では?


子にとっても親にとっても、
「親」と思える人が何人もいるって
何も悪いことでは無いなぁと思います。


長男にも次男にも、いつどんな時も
親はあなたを大切に思っているよということを
絶対忘れないよう伝えていきたいです。



#特別養子縁組 
#多様性 

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