社会人見習い2年目の上司飲み
人生で初めて"上司"という生き物と"華金飲み"なるものに行った。歓迎会+おれの研修担当の送別会、通称歓送会。
仕事中は恐怖でろくに喋れていなかった俺だったけど、酒が入った途端に本領を発揮。ただの気の抜けたピュアな男でしかなく、「こいつかわいいな、笑」と見事上司の心を射止めた。俺を最近いじめ続けた上司は「いやー酒の場でも喋らなかったらどうしようかと思ってたから安心したよ」と相変わらずちくちく言葉をうけたが、まぁ今の俺にはなにも通じない。地獄なら何度でも行ってきた、優勢だ。
ちゃんと上座下座などの日頃の礼儀作法で説教されたり、優秀な同期と比べられたりして心を殴られたけど、ヘコヘコしてその場を凌いだ。
時刻は午前2時を回る。おもむろに上司が1万を渡してくる。「こーいうときは1番最初にタクシー乗るんだよ」と、上司たちに肩を叩かれて今後の頑張りを応援され、1人タクシーで夜道を駆け抜けた。ほんの1月前までは、タクシーに乗ったら過呼吸になるくらい俺は困窮していたのに、まさか上司の金でタクシーに乗れる日が来るとは思わなんだ。
未来にはまだ希望を見出せていない俺だが、様々な童貞卒業をリアルタイムで体験できるのは悪くない。なるようになるさ。