【ワールドトリガー考察】二宮隊メンバーは本当に鳩原未来を軽く話題に出せるのか

※9月4日発売のワールドトリガー本誌の内容を含みます。


 20巻178話「二宮隊」で犬飼が鳩原のことを話題に出し、それに対して氷見、辻はいつも通りな反応を見せている。
 これに三雲は

「鳩原先輩のこと意外と軽く話題に出せる感じなんだな…」

ワールドトリガー20巻178話

と反応している。

 だが、例え鳩原の事情を知っていたとしても、密航者で隊務規定違反者は周囲の目を考えれば軽く話題に出せる存在ではないだろう。
 何より、鳩原は犬飼の誕生日に密航している。

 にも関わらず犬飼は自ら話題に出した。
そこに私は違和感を覚えた。
何よりその後の二宮隊の会話で

「そういえば鳩原先輩いなくなる直前も焼肉だったよね」
「犬飼先輩の誕生日肉だね」
「あのタイミングでまさか一般人と渡航しちゃうとはねー」
「ボーダーにいても「むこう」には行けなかったから仕方ないんじゃない?」

ワールドトリガー20巻178話

という会話があるが、軽く話題に出せる存在ならばこのレベルの話は過去にしているはずで、ここでそれを話しているのはおかしいと感じた。
 他の作家であるならば作劇場の都合と言えるが、葦原先生に関してはそうは思えない。

 つまり氷見、辻の二人がこのタイミングでこの話をしているのは軽く話題に出せるものだと感じているわけではなく、誕生日に密航され気にしているのでは?と思っていた犬飼が気にしていないような雰囲気で話題に出したから、それに合わせたのではないだろうか。
 (余談だが、一番気にしている二宮は鳩原の話題に全く口を挟んでいない。ここで話をしていなかったために二宮は無口で寡黙なタイプの人間だとミスリードさせられていたのだろう。)

 ではなぜ犬飼はここで鳩原を話題に出したのか。それは玉狛第二に二宮隊と同じ過ちを犯して欲しくなかったからではないだろうか。
 鳩原と同じように人を撃てない雨取。加えて遠征を目指している。犬飼は過去の自分達の姿を重ねたから、情報提供として話題に出した、と考えると自然である。

 ここまでは数ヶ月前から考えていた考察なのだが、核心に至る材料がなく記事として燻っていた。

 しかし9月4日発売のジャンプSQ本誌のワールドトリガー245話で犬飼は他人のためを思って行動するタイプの人間だということがわかった。同時にそのために外面と感情が一致していない事もわかった。

 それを踏まえると修に対してわざわざ鳩原のことを話題に出したことが更に自然になり、修が軽く話題に出せると勘違いしたのも頷けるものとなった。
 加えて「コソ練した?」や「ナイスキル」といった発言も深みが増した。

 改めて178話を振り返ると、修の誘導弾、二宮の性格の二つが確定しているミスリードとして仕掛けられており、更に私が考察した部分もミスリードかもしれないとなると「1話に何個ミスリードを仕掛ける気だよ!」となる。
 つくづくとんでもない人だ葦原先生は。

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