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【ポケモンカード】ポケモンレンジャー再録は本当に三神の対策となるのか?

初投稿です(大嘘)

はじめに

今回は、先日めでたく生誕1周年を迎えた、三神ことアルセウス&ディアルガ&パルキアGXくんにまつわるお話をしたいと思います。

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9月6日にめでたく1歳の誕生日を迎えた三神のみなさん

さて、三神といえばGXワザ「オルタージェネシスGX」により取れるサイドを1枚加算することができ、剣盾シリーズから登場したザシアンVと強烈なシナジーを生んだデッキ、三神ザシアンが強力なデッキタイプとしてスタンダード環境に幅を利かせています。

HPが高いVMAX主体で戦うデッキに対してはVMAXを無視してデデンネGXやクロバットVを2体倒してゲームセットを狙うことができ、取られるサイドの枚数が少ない非GX/Vポケモンを主軸に戦うデッキに対してもサイドレースを強引に追いつかせることができる。まさに相手のデッキコンセプトを否定してしまうような追加効果で、カジュアルプレイヤー層はおろかガチプレイヤー層からも、その存在の是非を問われているカードと言ってもいいでしょう。(現に、先立ってローテーション(≒Bマークスタン落ち)が行われた海外では、トップランカーが三神の禁止カード指定を主張した#BANADP運動なるものが起こっています)

一方、この三神の是非を巡って、一部でこのような発言をよく目にします。
「三神を禁止にしなくていいからポケモンレンジャーを再録してくれ」
「エクストラ環境ではポケモンレンジャーがあるから三神もあまり活躍してない」

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ポケモンレンジャー、XYシリーズ後期に登場したサポートです。効果はお互いのプレイヤー・ポケモンにかかっているワザの効果を全てなくすというもの。確かにこれだけ見れば、三神のGXワザに対するメタカードになり得ると考えることはできます。

しかし、私は前回のCLにエクストラレギュレーションで参加したプレイヤーです。当然三神とポケモンレンジャーが共存する環境を一通り考察してきた人間である以上、手放しにこれ1枚で三神環境を抑制できるという意見には懐疑的です。

そこで本note記事では、実際のエクストラ環境の上位デッキを取り上げながら、三神とポケモンレンジャーの関係について意見を述べていきたいと思います。

※「現在の」エクストラレギュレーションで何が強いかといった話題とは無関係です。その点ご了承ください。

CLエクストラ参加の経験からみるポケモンレンジャーの使いづらさ

私自身は前回のCL愛知エクストラにはモクナシラフレシアデッキで参加しました。

この時、私の周りでCL愛知エクストラに参加する人は他に2人おり、私を含めた3人で練習と情報交換をしていました。
その中で得た結論としては、「オルタージェネシスGXは撃ち得」というものでした。
理由は以下の通り。
・タッグコール、グズマ&ハラ+ボール、ダブルドラゴンエネルギー+ボールいずれかにアクセスできれば後攻1ターン目から使え、安定性と得られるリターンが大きい。
・相手が先攻でサポートが使えない状況で後1オルタージェネシスGXを決めると、1回目のサポート権をポケモンレンジャーに回して展開不十分のまま戦うか、オルタージェネシスGXの効果を残したまま別の展開系サポートを使うかの選択を迫られる。前者ならアルティメットレイのエネ加速から盤面展開力の差で押せるし、後者ならテテフシェイミデデンネのどれかをアルティメットレイで狩っていけばよい。

実際は、ハンデス系やLOが多くこのような単純な話にはならない環境だったのですが、ビートダウン系デッキ同士だとほぼ後1オルタージェネシスGX決めれば勝ち、といえる状況だったわけです。実際に三神ザシアンで参加した知人は予選完走、30位台でフィニッシュしています。

また、直後に行われたエクストラバトルの日でも、その知人はほぼ同じ三神ザシアンのデッキを使い数回優勝しており、私もCLの候補デッキだった三神ゲコゾロで1度優勝しました。(この時3試合中2試合でレンジャー使われました)

結論:ビートダウン系同士の殴り合いなら、ポケモンレンジャーがあろうとオルタージェネシスGXは強い。

エクストラ環境上位入賞デッキの分析

ここまでの話では私の主観がメインでしたので、もう少し客観的な話を見ていきましょう。

先攻サポート使用禁止のルール改訂以降に開催された、CL・シティリーグのエクストラレギュレーションの上位入賞デッキで、プレイヤーズクラブにてデッキが公開されているものについて、デッキタイプとポケモンレンジャーの採否をまとめてみました。それがこちら。

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どうでしょうか。意外と三神多いな……

これらのうち、ポケモンレンジャーを採用しているデッキについて分類すると
・妨害系・・・・・・ヤミラミ/ミミッキュLO(8)、モクナシラフレシア(1)
・準妨害系・・・・・ラボネク(3)、ゲロゲゾロラッタ(4)
・ビートダウン系・・ザシアンドータクン(1)、パルスワンマルマイン(1)
(ラボネク・ゲロゲゾロラッタは勝ち筋はビートダウンではあるものの、展開のうえでエネ破壊や特性ロック、グッズロックを多用するため準妨害系に分類)

いかがでしょう。ポケモンレンジャーが三神の対策になるのであれば、もう少しビートダウン系が多くて、三神系がもう少し少なくても不思議ではないと思いませんか?

一方上記リストには、ビートダウン系でありながら三神もレンジャーも一切採用されていない、ターボダークというデッキタイプが多くみられます。これは「ダークパッチ」や「ダークライGX」を使って早期に盤面にエネルギーを供給し、ゲッコウガ&ゾロアークGXやメガミミロップ&プリンGX、アクジキングなどを使ってビートダウンするデッキです。このデッキが勝ち上がっている理由としては、オーロット&ヨノワールGXに対してタイプ相性で有利な点、そしてダークライGXのGXワザ「デッドエンドGX」で三神にオルタージェネシスGXを撃たれる前、あるいは撃たれた直後に即気絶させることができるという点が大きいでしょう。

結論:ポケモンレンジャーを有効に使うことができるデッキは、妨害系・準妨害系である。三神に勝てる太いギミックが存在するデッキにはそもそもレンジャーが必要ない。

改めてスタンダード環境に目を向ける

さて、別にこの記事の目的はエクストラの環境考察でも強さ解説でもなんでもなく、本題はスタンダード環境にポケモンレンジャーを放り込んだらどうなるか、です。

前述の通り、単純なビートダウン系デッキではポケモンレンジャーを有効的に活用することは確率的にかなり厳しいです。バトルコンプレッサー、バトルサーチャー、シェイミEX、カプ・テテフGXが揃ってるカードプールで無理なんだからそりゃあスタンダードじゃ猶更です。

ではどういうデッキが有効にポケモンレンジャーを使えるかというと、「エネ破壊や特性・トレーナーズロック、ハンデスで三神の攻撃や展開を足止めできる」デッキであることが条件です。

現スタンダード環境でそういったことができるカード達というと…

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う~~~~~~ん。

結論:現状のカードプールでポケモンレンジャーを再録すると、ハンデスやコントロール系デッキがイキイキする。

まとめ

三神の対策になるからといって何も考えずにポケモンレンジャーを再録すると、三神と同等、下手したらそれ以上にヘイトを向けられているハンデス、コントロール系デッキがイキイキと環境にのさばってくる可能性が高い。結局、多くの人が望む「デッキの多様性」というものは失われたままである可能性が高いのです。

よって、私たちが望むべきは、ポケモンレンジャーの再録などという生ぬるい要求ではなく、もっと三神を真っ向から潰せるパワーカードを多く収録してもらうことでしょう。(当然、ポケモンレンジャーの効果がサポートではなくグッズで登場したら十分すぎるパワーカードになるわけですが)

あるフォロワーが最近呟いていた印象的な言葉があります。

「三神を禁止しろではなく、やぶれかぶれカキを返せ」

是非はおいといて、これくらいのインパクトを全デッキが積み込めるようにならないと、現状のポケモンカードで多様性というのは産まれないのかもしれません。

それでは、おやすみなのバイビースト!(流行らせろ)

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