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新型コロナウイルスの感染力はいつまで続くのか

新型コロナウイルスの流行が続いています。
ご自身や身近な方が感染された方も多いと思います。
このウイルスの厄介な点は、二回・三回と複数回感染してしまうことです。
さらに、他のウイルスと比べて感染力のある期間が長いことも特長です。
では、いつまで感染力があるのでしょうか。

まず、新型コロナウイルス感染後、吐く息の中に含まれたウイルス量を検討した研究をご紹介します。

発症8日まで高濃度のウイルスが呼気中に含まれている

44人の新型コロナ感染者の方を対象に吐く息の中に含まれた新型コロナウイルスのウイルス量を検討したこの論文では


  •  症状がでてから8日目まではウイルス量が多い

  • 症状がない方や、症状が軽い方でも吐く息の中のウイルス量は症状の強い方と同量のウイルスが検出された

と述べられていますので、少なくとも8日間は吐く息の中に多くのウイルスが含まれているようです。

症状がでてから約8日間はウイルスは生きていた、という報告もあります。

発症から8日目までウイルスは培養された

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2202092

これらの報告のポイントは
「症状がよくなった方や無症状の方でも、発症または検査陽性から少なくとも8日間は、他の方へうつしてしまう可能性が高い」点です。

また、新型コロナにかかった医療従事者を対象に発症日と新型コロナウイルス培養の陽性率を検討した報告では

  • 発症後5日目では約72%で感染性のあるウイルスが検出された

  • 発症後10日目でも約18%で感染性のあるウイルスが検出された

  • 過去に新型コロナにかかったことがある方は、発症後5日目では35%で感染性のあるウイルスが検出されたが、7日目には5%しか感染性のあるウイルスは検出されなかった

と述べられています。

発症日と感染性のあるウイルス培養陽性率との関連性

新型コロナウイルスが5類感染症となった令和5年5月8日以降も、国は
「10日経過するまではマスク着用やハイリスク者との接触は避ける」といった感染対策を推奨しています。

5類移行後の感染対策について

https://www.mhlw.go.jp/content/001087473.pdf

新型コロナウイルスが身近な感染症になった今こそ、ご自身や感染すると重症化する方を守るため、適切な感染対策が望まれます。

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