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或る恋の話 第4話R-15【応募作品】


チュン チュン

サイダーを飲みながら
キッチンで動くあなたが見える

パチパチと
ベーコンの焼ける音がする

サイダーを飲みながら
あなたは、こちらを振り向いた

「おはよう。もうすぐ、朝ごはんできるよ」

薄曇りのモニターに浮かぶような
少しぼやけたあなたの姿

目をこする

夢じゃない

これは現実──。

ふと、我に返り
何も着けてない自分に気づく

あわてて布団の中で
下着をまさぐる私



「……のど、乾きました」

「ん? 水がいい? 冷蔵庫には……サイダーとウーロン茶あるけど」

「……それ」

「ん?」

「それがいいです」

私は、彼が手にもつボトルを指さす

「え? これ、俺の飲みかけだよ」

「それ……」


課の歓迎会の二次会のあと
私たちは一度別れて
また会った

初めて行く彼の部屋
とてもきれいに片づけられていた
家具や小物がとってもおしゃれ

私の髪を撫でる
彼の手が愛おしかった

夢のような時間が過ぎた


感触は体に残るけど
彼の唾液が欲しかった

受け取ったボトルの口をじっと見つめる

受け取ったボトルにそっと口をつける

少しぬるくなったサイダーは
とってもとっても

甘かった




ネットで検索したら「ネット乞食」という言葉に出くわしました。酷いこと言う人、いるなー。でも、歴史とたどれば、あらゆる「芸」は元々「乞食」と同根でした。サーカス、演芸、文芸、画芸しかりです。つまり、クリエイトとは……、あ、字数が! 皆様のお心付け……ください(笑) 活動のさらなる飛