弱視の視覚障害者な俺はどんな感じでプロレスを見ているのか説明してみる~会場観戦編
noteでは初投稿となります。
プロフィールにも書いてありますが、自分は弱視の視覚障害者です。
2012年と13年の境ぐらいに緑内障で急速に目が見えにくくなり、2013年より視覚障害者(2級)となりました。今年で10年。
今でも目の中央を中心に視界が欠けていて、全体的にも暗くなったり明るくなったりします。。
それでも今年でプロレスのブログを書き始めて19年。目が悪くなって数年は休んでいましたが、今は復帰しています。
プロレスも見続けています。
基本的に相当なプロレス馬鹿です。
ここではまず、自分がプロレスをどうやって見ているのか説明してみます。
白杖でプロレス会場にいて、不思議だと思うのですよ、ほかから見れば。無駄に疑問を持たせるままより知ってもらったほうがいいでしょう。
なお、自分が続けているブログはこちら。
■プロレス専門ブログ・ブラックアイX
http://blackeyepw.com/
このnoteでは、目に関連する記事をブログから転載していく予定です。
目のことだけに関しての記事を、noteで書く場合も。
自分の目の見え方
軽く目の状態を伝えておくと、
・文字が読めません・書けません。
・そこに人がいることはわかっても、顔はハッキリわかりません。。。
・足元が見えにくいので、基本は白杖をついて行動しています。
・遠目のものがハッキリ見えない。
・テーブル上でも、30cn先ぐらいのものはなんだかわからない。
・ぐじゃぐじゃとした感じのものがハッキリわからない。
・スマホなどで拡大して目の前で見ると、文字などはわかる場合がある。すごく大きく書かれた文字は読める。
・数分の間に、視界が明るくなったり暗くなったりする。見え方はいろいろ。ひどいと色がわからなくなる。
・「暗く見える」と書いているが、「ものが薄く見える」のほうが感じとしては正しい。
・冬より夏のほうが見え方が良くなる。
・夜は白杖なしでは歩行不可能
・パソコン・スマホは、視覚障害者用機能を利用することで使えている。無いと生活ができないレベルで使っている。
なお、視覚障害者の見え方は、人によってかなり違います。
今回のものは私の場合。他の弱視の方が同じとはかぎりません。
スマホのカメラで拡大しながら見ます
今から説明するのは、会場で観戦する場合。
自宅のテレビ・パソコンで見る場合はだいぶ違います。また別の記事で説明するつもりですが、テレビならばだいたいほとんど何をやってるか理解することができます。
会場観戦は、条件にもよりますが50%ぐらいしかわかっていません。
今回、例として紹介するのは、2023年4月19日に新木場1stRINGで行われた天龍プロジェクト大会です。
新木場1stRINGは、自分にとって"やや見やすい"ぐらいの会場。
まず、もともとが倉庫で、トラックやフォークリフトが入る仕様上、アリーナの床に段差がない。
場外マットやパイプ椅子座席があるので、完全バリアフリーではありませんが、「大きな段差がない」というのは有り難い。
もちろんひな壇状の座席は階段があるわけですが、そこは仕方ない。ゆっくり登ります。
ちなみに大会後、降りるときはお客さんがだいたい帰るのを待ち、座席を一段一弾、座りながら降りています。イスに背もたれがないので可能。普通に階段を降りるのは、自分にとっては危険すぎるかな。
普段から、階段をのぼるのは問題ないのですが、降りるほうが圧倒的に難しいです。
エスカレーターは下りもつけてくれると嬉しいのですけどね。
新木場1stRINGの個人的に大好きなところは、席番号を示す数字・文字が、かなり大きいこと。
この大きさなら、ルーペやスマホを使わなくても、自分そのままの目でわかる。
新木場以外では、後楽園ホールの北側ひな壇ぐらいでしょうか。
席探しは1つ壁なので、やはり安心します。
新木場1stRINGは、350人ほどのキャパ。
プロレス会場としては小さめの部類に入る。
つまりはリングまでの距離が近いので、自分にとっても良い。
唯一のマイナスは、証明が暗いこと。
ただ、これは演出上のこともあってなので(休憩中はすごく明るくなる場合もある)、諦めています。
今は暗めの会場が多いですね。リングに集中させようという効果もあるみたい。
後楽園ホールは全体が明るい場合多いのですが。
距離としてはOKなのだが、暗いのがややマイナス。
試合を見る。
生の目だとほとんどわかりません。
スマホのカメラを使い見ます。
iPadでもいいのですが、大きい画面からの光が他の観客に邪魔だろうと使ってません。あとiPhoneに比べカメラの性能がよくない。
スマホ=iPhoneは、2023年の時点で画面が一番大きい14PLACE。
ズームさせ拡大。
それでも映る範囲は限界がある。
スマホのカメラには、自分の目だとこんな感じで映っています。
※これはスマホでみた場合、実際の目ではもっと上下左右が広く見えています。
また、自分の画像編集技術の限界から、完全に再現もできていません。
健常者が見たとするならこんな漢字。
まず右目だけで見た時。
右目は左側半分以上の視界が潰れてます。ほとんど見えてません。
真ん中の白い部分は中央の書けている部分。やや真ん中より右より。
次に左目だけ。
左目は右側が少し欠けています。右に比べればまだ見えている。
両目で見た場合。
よくあるのか偶然なのかわかりませんが、左右とも中央の欠けている部分がほぼ同じ位置なので、両目で見ると重なって1つになります。
そして中央以外で見えない部分が逆側なので、両目だと左右も見える形となります。これもよくあるのか幸運なのかわかりません。
両目なら少し視界が広がりましたが、中央は見えないままなので、これではプロレスの内容もわからない。
そこで、目線を横にズラします。
左側のほうが自分は見やすいので、見たい部分より少し右に視線を送る。そのうえで、なんとなくぼんやりと、見たい部分を意識する。
見たい部分をじっと見てしまうと白い円の穴が戻ってきてしまうので、目線はその右横に。意識は左横。
これはコツがいりますが、もうだいぶ慣れてきました。
ただやはり、視線があっているわけではないので、ぼんやりとしか見えないのです。選手の表情もわからない。
コスチュームと体型が似ている選手が戦うと、どちらがどちらかよくわからなくなります。
ほぼ黒ショートタイツ対決の新日本ヤングライオンマッチは最悪です(笑)。
あと寝技の攻防がほとんど何をやってるかわかりません。
多人数タッグも苦手。
できればシングルマッチが良い。
あとデスマッチがアイテムによって苦手。細かいものは、どんな感じで刺さってる(!)とかわからないので面白さ半減しますね。
蛍光灯や爆破はOK。そういうものを使うプロレスもあるのです。
こんな漢字で、やってることのすべてを理解はできません。良くて半分ぐらいか。
なかなか説明が難しい、伝わりましたかね?
この日の天龍プロジェクト大会では、メインに出場した羆嵐選手の動きがわかりやすかった。ヘビー級なうえ体当たり系、技も大きく持ち上げたりするものが多い。
第2試合の3WAYは、3選手のコスチュームが全く違うので認識が楽だった。
翔太選手を中心に、試合の文脈がちゃんとあるのも見やすさにつながる。
視覚以外の助けも
プロレス会場でも、「場内実況」を行っている団体はわずかながらあります。TTT、HEAT UP!、666など。
これはもう自分にとって強い見方となる。
また、視覚障害者向けの音声ガイドを行う団体、バリアフリープロレスHERTROも存在します。
NOAHでは夏の川崎大会で、バリアフリー実況が恒例となりつつあります。
■「プロレス音声ガイド」を、視覚障害者の俺が実際に会場で体験してきましたよ~8.15 NOAH・カルッツかわさき大会: プロレス専門ブログ・ブラックアイX
http://blackeyepw.com/article/188959702.html
場内実況のない団体では、Twitterのハッシュタグを追うと、観戦されている方が試合経過を書いてくれる場合があるので、それを頼りにしています。
少し前まで、自動でツイートを読み上げてくれるアプリがあったのですが、Twitterの外部連携制限がおそらく原因で、動かなくなってしまっています。
残念。
ちなみに一番見やすい会場と場所は、後楽園ホールのバルコニー。立見席です。
リングまでの距離が近いのと、天井とほぼ同じ高さなので、照明がすぐそばで明るいのです。
もともとバルコ観戦が多かったので、見慣れてるというのもある。
ただ、場所取りはほぼできないので、超満員になるような時は難しい。
でもそれがバルコのルールだからいいんです。早く全面解禁してほしいですね。
自分のプロレス頭に、助けて頂いている方に感謝
まぁ、完全に楽しめてるかと言えば微妙です。
目が悪くなる前は、最高で年間100大会ほど観戦していましたが、今は1ヶ月に1~2回。調子の悪い冬は更に少なくなります。
私生活上の問題もありますが、、どうしても減ってはしまう。TV観戦が中心。
それでも会場観戦は完全に捨てきれない。
あとやっぱ、30年以上もプロレスを見ていることで自分は鍛えられてますね。
プロレスを楽しめるポイントを山ほど知ってるのですよ。だからこんな目でも「行って良かった」と思えることも多い。
選手の動きが部分的にしか分からなくても、そこからどんな技化を推測したり。
自分のプロレスバカっぷりに感謝。
プロレス会場で白杖つく人なんて自分だけでしょうから、もう特定されまくり。
前は使っていなかったのですが、最近はもう吹っ切れました。
ちょっと天龍さんの影響もあるんですよ。あのひとが杖で人前で出ているのに、俺が恥ずかしがってる場合じゃないだろう、と。
観戦する際には、多くの人に助けていただいています。
常に感謝。
今後もお手数おかけすることがあるかもしれませんが、その時はよろしく。
またテレビ観戦版も書きます。
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