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詐欺の手口を知ることがあなたのお金を守る

第14話 500億円詐欺?「合同会社エクシア」
社員の給料は月額2億円

投資会社「エクシア」疑惑


投資会社「エクシア」をご存じでしょうか?
もしかしたら、2.3年前にその派手な広告や無料のパーティに参加した人がいるかもしれません。
今、この会社が詐欺疑惑にまみれています。訴訟も起こされています。

合同会社「エクシア」とは
その手口
社長の「菊池翔」という人物
提訴の中身
今後とまとめ

合同会社「エクシア」とは

こちらは六本木にあった本社ビルです。

豪華な無料のパーティーを開き、出資者を集めて、多額のお金が集まっていたころの本社の写真です。
 六本木グランドタワーにあった会社は豪華そのものです。
今は、ここを引き払い、錦糸町に移転しました。

 写真にある本社ビル、このころは、とても羽振りが良く、出資者にも配当金が配られていました。
まさに「合同会社 エクシア」が絶頂のころです。
 多くの出資者から何十億というお金が集まっていました。

ここで勘のいい人は気づいたはずです。「合同会社」?なんで「株式会社」ではないの?
だいたい、「合同会社」って、何なの?と思ったことと思います。

そう、今回はここが大事なポイントです。

その手口

 ご存じの方もいるかと思いますが、日本では勝手に不特定多数の人からお金を集めることは禁じられています。
 銀行や証券会社などのような会社は、金融庁から認可されていますが、認可されていな人や会社が他人からお金を集めると、出資法違反で逮捕されます。

 また、この認可を受けるのはとても難しいのです。

 株式、債券、投資信託等の金融商品を取り扱う事業に参入するには、「登録」「認可」「免許」を受けなければなりません。その審査はきわめて厳格だからです。金融商品取引法等による厳しい規制を受けます。
 はっきり言って既存の会社以外、新規で認可を取る事はほとんど不可能な状況です
そこで、出てきた手段が、唯一の方法、「合同会社」です。

 ここでは、合同会社の仕組みなど細かい事は説明しませんが(興味のある方は調べてください)
 合同会社は社員になると、出資者として配当金を得る事が認められています。出資者を社員扱いにして、配当金を出すわけです。
つまり、出資法に抵触しないのです
 堂々とお金を集めて、社員ということでお金を配ることが出来ます。つまり合法ということです。社員権の販売という名目で出資者を募ったわけです。

「エクシア」はこのやり方で、
およそ1万2000人の出資者から、723億円を掻き集めました。

この投資会社の勧誘名目は、
「月利約3%」程度をうたっていました。
しかし、これは複利効果を加味すると「年利42.6%」ということになります。
 どうやったらそんなお金を配当できるのか、その利益の説明には、
 投資家がエクシアと、合同会社の社員権の取得契約を結び、出資金を払い込む。
 そうすると、上記のような利率で、エクシアから分配金や出資金の払い戻しを受け取るシステムです。
 会社は、 預かった出資金は、エクシアがシンガポールのEXIA Private Limitedに貸し付け、エクシアが利息を得る。
 また、EXIA Private Limitedは、金融デリバティブ取引や外国為替証拠金取引などCFD(差金決済)取引で運用するスキーム(手法)だと投資家、出資者に説明していました。
 


 この出資者、投資家をつのるために、派手なパーティーが行われていました。
 また、もうかっていることを示すように、SNSをとうして、豪遊している姿を紹介しています。その中には、社長や社員の姿も流されました。

 そして、SNSには、なんと、この「エクシア」社長 「菊池 翔」とキャバ嬢「ひめか」の恋愛模様まで発信されていました。



 一晩で数千万円を使い、毎晩、羽振りの良さをアピールしていました。ちょうど、コロナ禍でみんなが自宅で悶々としているときに、手元のスマホに彼らの派手な姿が連日流されたわけです。
 この公私混同のようなことは、社長だけでなく、部下もそうでした。
日本テレビの「それって!?実際どうなの課」という番組に出演して「家賃100万円以上の家に住む住人って一体何者なのか?」ということで紹介され、その派手な生活を宣伝していました。
 
社長の「菊池翔」という人物



「エクシア合同会社」の設立は2015年にさかのぼります。
代表社員(株式会社における代表取締役にあたる)の菊地頼平(本名)は北海道で、1977年生まれ。のちに現在の「菊池 翔」に改名します。
東京モード学園を卒業後、6年半の間にFX取引を独学で学び、“天才的なトレーダー”として才能を開花させたという伝説があります。が、これはデモトレードでの経験で、実は実力はなかったことが後で暴露されています。
 ネイルサロンを経営するも失敗、借金をかかえ、改名したようです。
その後、現在の「エクシア」を仲間と起業します。

つまり、まったく金融の知識はなかったようで、どこでこの詐欺行為を思いついたのか、誰かが教えたのかわかりませんが、会社は順調に拡大していきます。
しかし、
支払われていた、配当金の金額が減り、さらに滞る事態が起きます。

 このあたりのことは、派手にユーチューブや、インスタグラムに投稿していたので、この問題を、人気のユーチューバーたちも、自分のユーチューブで取り上げていました、見た人もおおいのではないでしょうか?(ホリエモン、青汁王子とか)

2月17日
投資会社「エクシア合同会社」に出資した259人が、会社と役員3人に対し、総額約32億4,600万円あまりの損害賠償訴訟を東京地裁起こしました。
 
 

まとめ
 エクシア合同会社は、「月利約3%」程度をうたっていました。しかし、これは複利効果を加味すると「年利42.6%」ということになります。以前にも書いた、月利と年利を混同させる、詐欺師の良くやる手口です。

 金融当局もこの事態を問題視し、合同会社スキームについて、2022年10月から網がかけられることになりました。「金融商品取引業者」の登録が必用になりましたので、勝手に合同会社だからと言って、お金を扱えなくなったわけです。

 先に書いたシンガポールの現地法人は債務超過に陥っており、ほぼ機能していません。運用も怪しく、決算書の粉飾、偽造を疑われています。

いずれ逮捕されるのは時間の問題でしょう。
実際に、派手で憧れるような生活をしている人は、あまり世の中の人に知られないようにしているものです。
どこかおかしいな?という感覚を持ちましょう。それがあなたの身を守ります。

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