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今日もまた眠れない

早寝というものが苦手だ。
目を閉じて、何も考えず、意識を遠ざける。
それが僕には難しくて、色々なことをぐるぐると考える。
真っ暗な部屋の中、暗闇を見つめながら色々なことを思い出す。
最近想いを馳せるのは、子どものころ従兄弟と一緒にゲームをしたり、
高校のクラスメイトたちと学校帰りにカラオケに行って遊んだこと。
上京する前に、そのクラスメイトの一人の女の子から抱きしめられたこと。
彼女が僕を好きだと気づいていたこと。僕も好きだったのに、勘違いの可能性を捨てきれず、臆病になって何も言えなかったこと。
大学に入って初めてできた彼女のこと。彼女の優しさ、おおらかさと、
それに釣り合わない不甲斐ない男だった自分。

あれからみんな大人になった。結婚したり、子どもができたり。
春夏秋冬が何回も巡って、みんな立派な大人になった。

僕は夜の暗闇の中、古い枕を抱えてじっと思い出を見つめる。
10年前の出来事を逡巡する自分に情けなくなる。
果たして僕は今を生きているのだろうか?
このまま優しい思い出だけ切り取って、胸に抱えてそれを反芻して生きていくのだろうか。
何も変わらず、何も変えられず、年月が重なる。
僕はどんどん年不相応でみっともない、幼稚な人間に成り果てていく。

こんな暮らしを、毎日一生懸命働いて、守っていく意味はあるのだろうか?

新聞配達のバイクの音が窓の外から聞こえてくる。

朝になるまでもう少しやり過ごさないといけない。
満たされない人間の夜は長い。

<終わりに>
こういうありのままの気持ちを書き綴っていきたいと思います。
深夜のテンションでメールやLINEはするな、というのが鉄則ですが、
胸に湧き上がる行き場のない気持ちを文字にすることで何か救われるような気がします。

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