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カップラーメンを待つくらいの間にわかる音楽講座 ビートにうまく乗っかろう b labo vol.7

ビートにうまく乗っかろう

すこし乱暴な説明ですが、歌の人も楽器の人も曲の持つビート感(ノリ)を把握してうまく乗っかることができれば「それなりに」聴こえるものです。80年代を代表するアイドルの松本伊代ちゃんは、決して歌がうまいと思える歌唱力ではありませんでしたが、ビートに乗っかることはできていました。

デビュー曲のセンチメンタル・ジャーニーですが16ビートの曲です。
16ビートとは4分音符の1/4の長さの音符が1小節に16個あります。
よくわからない方は「チキチキ・チキチキ」で覚えてください。
この「チキチキ・チキチキ」のアクセント(強弱)をどこにもってくるか?でノリは変わってきます。

センチメンタル・ジャーニーの場合は2拍目と4拍目にあり、洋楽の大半はそうなっています。
正反対のものとして「白い蝶のサンバ」(森山加代子)を歌ってみてください。1拍目と3拍目がアクセントです。

とにかく伊代ちゃんは、身体を16ビートで揺らしながら重心を2拍目・4拍目に置いて歌っています。

そしてこの曲は出だしからしばらく休符がつづくハネた曲です。
「読み捨てられる、雑誌のように、わたしのページが・・・」とBメロの前まですべて半拍待ってから歌が入ります。
「あなたの、瞳の・・・」Bメロ以降は逆に半拍くって入り「センチメンタルジャーニー」で初めてアタマから入ってタイトルが強調される。さすが筒美京平!って感じですね。

さらに伊代ちゃんの声質自体がすごいテイストをもたらしている。ゴーストノートというものです。

これは譜面には書けないほどの短い音や、実際には聞こえないくらいの小さな音のことなどを示します。効果としてはよりスピード感が増したりハネさせたりできるので、ベーシストやドラマーはとても大切にしています。

伊代ちゃんは鼻声であるため無意識のうちにゴーストノートが発生しています。
「ィ読み捨てられる、ン雑誌のように、ゥわたしのページが」
みたいに(なんとなく)聞こえる。なんとなくが重要ですよ。

結論としては、16ビートのノリでハネたシンコペーションにゴーストノートが加わる、というかなりの高等テクニックの仕上がりです。

みなさんも伊代ちゃんになったつもりで練習してみてください。
アイドル志望の方もぜひb laboへお越しください!

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