絵の練習を半年やりました
半年前の絵をもう一回描きました。前描いた絵をもう一回書き直すの時々やるんですが、あんまり劇的には変わらない、というか、もともとの絵が「いろいろ描いてみたなかでもわりと良く描けている絵」なので、元の絵の方が良いような気がすることもある。それはそうとして、
・人体のバランスを取る
・細かいところを資料を見て再現しようとする
・線をていねいに引く
・服のしわの動きを考える
・水彩の技法をいくつか覚えた
あたりがこの二枚の絵の間でできるようになったことです。バランスまだわりとおかしいし影の付け方あたりはもうちょっと頑張れると思うのでまた半年後に同じ絵を描いてみたら楽しいんじゃないだろうかと思う。
去年の11月に絵の練習を始めてから半年になりました。
過去エントリ
・自分の頭が悪いと思っていた、あるいは絵を描き続けた話その2
前提として、8歳から16歳まで絵を習っていたけど絵と断絶してそれから絵からは距離を置いていました。あわせて、描いていたのは風景画だったので、人物の描き方は特にやってなかったので、ほぼゼロからのスタートでした。ほかに細かくあれはやったことはあった・これはなかったみたいなのがあるっちゃあるんですがたいしてやってないので省きます。
とにかく絵に関しては自意識が邪魔をして「描けない」というより「描きたくない!!!」って感じで、「一回ある程度描けるようになった能力より低いアウトプットになっている、自己卑下の手段のひとつだと思う」だったので、とにかく自意識との戦いだったし、「自分がかつて絵を好きだったころの感情を取り戻す」が半年後には達成できていた、のが、すごく、自分にとっては大きいことでした。絵、好き!
絵、別にうまくなりたくて始めたわけではなく、勉強がしたい:自意識をどうにかしたい:非言語作業がしたい、が1:1:1くらいの感じだったのですが、今は絵を描くのがだいぶん楽しくなってきて、自分が何を描きたいのかもわかってきたような気がするし、自分の手で「自分にとって好ましいもの」が作れるというのは楽しいことだと思います。
料理に似ている。外のごはんはおいしいけど自分で作ったごはんは知っている味がするので落ち着く、ということみたいに、自分の描いた絵は自分の知っている要素しかないので落ち着く。
わたしは25年くらい小説を書いているのですが、小説を書くのは自分の感知できる世界、「住める」世界を拡大する行為だと思っていて、絵も半年やったら「わたしはこのなかに住める」という気がしてきた。
それは良いことだと思います。
半年経って、まあ、とりあえずスタートラインというか、「ぜんぜんできない」から「ある程度できる」「次になにを目標にしたらいいかわかる」くらいになったので、半年間やったこととか所感をざっとまとめておきます。
■1か月目(11月)
先に挙げたエントリにも書いたように、「書くことに慣れる」「書いている自分に慣れる」のに二週間くらいかかった。自分が絵を描いているという状況に慣れる必要があった。定規を使う、資料写真を探す、文具を揃える、色を塗るなど、絵を描くための道具をそろえることもなかなかできず、絵を描いている自分に慣れるというか、自意識をやりくるするための時間が必要だった感じがする。
毎日一枚絵をできる範囲で仕上げる、を目標に、まるや死角を書いて手を慣らす、顔や体のバランスを取るための練習をはじめてたくさん顔を描いては悩んでいました。人体がわからない(これは半年たってもろくにわからない)。
11月末くらいからかっこいい人物写真を探しては模写するようになる。それまで人物を描くことにいまいち興味が持てなかったんだけど人物を描くことが楽しいと感じられるようになったのでやっぱり美しいものをモデルにして模写するのはモチベーションが上がるんだな~~~。
■2か月目(12月)
見返してると、背景を描いたりペン入れや彩色をしたりして一枚の絵にしようという意気込みが感じられるし、どういうイメージをもって絵を描きたいか意識を持って描けるようになってきている気がする。「絵を描いている自分」に対する自意識は一ヶ月描いてたら薄れてきたっぽい。顔の練習と模写も毎日続けている。
『人を描くのって楽しいね!』を毎日コツコツやっている。人体のことはわからない。
■3か月目(1月)
雑誌やポーズ集の模写にハマっていっぱい描く。急に描けるようになった。とはいえ模写ならずいぶんうまく描けるようになったけど見ないで描こうとすると全然まだまだ。
描きたいものの解像度が上がってきたかわりに時間がかかって終わらなくて困るようにもなってきた。細かいところまで描きたくなってきたので背景を描く余裕がなくなってきて立ち絵を描くほうに集中することにする。
『神技作画』のトレスとヒトカクさんを毎日やっている。線を安定させたい、人体のバランスが取れるようになりたい、など、細かいところで「ここができるようになりたい」という欲求が出てきた。
■4か月目(2月)
ひきつづきポーズ集や雑誌の模写。立体感を出せるようになりたいな~
senseiを始める。楽しい。ひきつづきヒトカクさんと神技作画。画材の使い方を模索。複数人のいる絵や絡みのある絵を描こうとしていろいろ模索する。表情をつける、雰囲気を出す、ということを考えるようになる。三か月目と四か月目はおおむねポーズ集の模写をしていました。
■5か月目(3月)
なんかそろそろもっと違うことやりたいな~教本買おう~と思って『モルフォ人体デッサン』を買って毎日模写を始めた。と、ペンタブを買った。
モルフォ人体デッサン、特にめちゃめちゃ何かができるようになるというわけではないんだけど楽しい。
どちらかというとデジタル絵に移行したので急にどんどん描けるようになった。デジタル作画はいっぱい下書きをしたり消したり書き直したりいっぱいできるのでいいですね。加工をするのも楽しい。
ヒトカクさんもようやくなんとなくわかるようになってきたような気がする。
■6か月目(4月)
グリザイユ画法による厚塗りを始めて「自分が何を描きたいのか」わかるようになってきたような気がするところで半年です。
あと線画のデフォルメの方向も模索して自分にとって好ましい絵柄についてよく考えるようになったというか、考えられるようになってきたというか。
4月ちょっと忙しかったので教本が全然捗ってないしポーズのバリエーションもあんまり気を使えてないんですが、かわりに描きたいものを描きたいように描くことはたくさんできたと思うし、描きたかったから描いたんだなと感じられる絵になってきてると思う。
あと『脳の右側で描け』をいただいたのでデッサンを少し始めました。楽しい。
課題としては、教本いろいろやってるけど全部終わってないので一年後には何冊か終わりたいな~というのと、ポーズをもっと気軽につけられるようになりたいので人体の構造に対してもっとわかりを得たい、アナログの絵ももっと練習したい、服その他の人体以外の質感を出せるようになりたい、と、やりたいことはいろいろあります。デッサンもクロッキーもやりたい。
絵を描くのが楽しくなって、やりたいことがいっぱい増えて、もっと練習してうまくなりたいな~と思えるようになってよかったなーと思います。絵を描くということに対してすごく抵抗感があったので、そこを乗り越えられたのはすごくうれしいです。
自意識の克服のためには、「がんばる」より「自分にとって自然な存在になるまで繰り返す」のほうが大事なんだろうなと思いました。
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