編む寓話「籠の中の木」

画像1 兎蜂島には海蛇の伝説が多数あります。といっても、海蛇という生き物が実際にいるわけではありません。
画像2 兎蜂島で語られる海蛇とは、波を喩えたもの、あるいは波間から来る漁師たちを喩えたものではないかとわたしは考えています。
画像3 流刑人の島であり、また、財を逃さぬために自由恋愛が固く禁じられていた兎蜂島では、海は自由へのあこがれ、漁師たちは禁断の果実ともいえました。
画像4 これらの波模様を描いたニットパターンは、海蛇を表しています。
画像5 さて、むかしむかしのことです。兎蜂島で蜂を育てる人々は、女王蜂を入れるための籠を編みました。ところが、そのなかのひとりが、大きく大きく編んだ籠の中に、一本の木を匿っていました。
画像6 木は籠の中で生い茂りました。
画像7 不審に思ったある人が、その籠をあけてみると、中には木などなにもなく、
画像8 ただ一匹の海蛇が、蜂の岩場をするすると抜けていったということです。
画像9 この物語は、生まれた子供を家に閉じ込めて虐待し、殺してしまった実話がもとになっているといわれています。

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