睡眠恐怖症

こんな話を聞いたことがあるだろうか。

眠りに落ちる感覚と死ぬ感覚はかなり似ている。


これが都市伝説か本当かはちょっと死んでみないとわからないのだが、この話を聞いたとき私は少し寝るのが怖くなった。
死ぬのは怖い。死にたいか死にたくないかは置いておいて、死ぬのは怖い。
まあ生き物として当然である。生き物にとって死は最も大きなリスクであり、それを真っ先に避けなければ種族としての存在が危うくなる。だからセーフティとして死に対する恐怖はあって当たり前というか、なくてはならない。まあ昨今すぐ死にたいという若者たちが問題になっている(私もその中に含まれるのだが)が、これは本来的にはありえないことであり、自ら死を望むのはある意味ではとても理性的なことなのかもしれない。知らんけど。
うつの診断をガッツリされたときにマイドクターから

「死にたいと思っていませんか?」

と聞かれた。あーこれは死にたいって言ったら即アウトだー、と認知機能の死んだ脳ミソでもわかったのでもちろん

「死にたくない(死にたい!)」

と死んだお魚の目で答えた。何がいいたいのかと言うとうつとは脳みそのバグなのである。そのためそのバグを修正するために認知行動療法が効いたり効かなかったりするらしい。知らんけど。
そんな感じで本來望むはずのないことを望んじゃったりしちゃうわけであるが、死を望むのも、睡眠を怖がるのももとを辿ればこのバグが原因なのではないかと思う。

私は寝るのが怖い。人を信じていないとか、寝込みを襲われそうだとかそんな次元ではなく、生理的に恐怖の感情が呼び起こされるのである。例えるならば、眼の前に日本刀を突きつけられているかのような気分である。いつからかは覚えていない。気がついたらなっていた。
ほなお前どうやって生きてんねんという話であるが、まあ普通に寝ていない。大体3日に一回12時間くらい寝る。あとの日は夜の間ずっとぼけーっと痴呆にでもなったかのようにぼけ~っとしている。ちなみにこれを書いている今日は2日目だ。社会人になってからは睡眠薬を服用しまくって寝ていたのだが、色々あって半分無職になり、無理やり休息を取る必要がなくなってからは睡眠薬を飲んでいない。飲まないと寝られないので当然寝ない。こうして社会から逸脱した化け物が誕生した。
寝るまでももちろん怖いのだが寝てからも怖い。バンジージャンプのようなもんである。ちがうのは毎日というところ。飛んでからも恐怖心は続き、自分の叫び声とともに起きる。起きて最初に強い恐怖心と怒りを覚えるのだ。うつにもなる。
寝ると夢を見る。睡眠が浅いからだ。そしてその夢はいつも苦悶と苦痛に満ちている。よくわからんがなんかデカい虫が窓に張り付いていたり、人がたくさん立ってこっちを指さして囁いていたりする。そのことに対して私は恐怖心を抱く。そして起きる。起きるのに失敗すると金縛りに遭う。最初は怖かったが今となってはまたかという感じである。ちなみに深呼吸すると動くので試してみて欲しい。あとは指先に意識を集中させて制御を取り戻すイメージをし、動かすのも結構いい。閑話休題。

このような感じで私は寝ることに対して強い恐怖心を感じてしまう。カウンセラーは幼少期に原因を見ているようだが、あいにくこちとら何も覚えていない。お昼寝は好きだった。
早く良くなるといいな〜とのんびり待つことにする。今日も夜は長い。