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なぜ、ベテラン社員がリストラの対象になるのか?

仕事の能力を高める必要性があるのは、40歳以上だなと思うことがあります。

若手の時代は、仕事の経験値が不足しているので、日々の学びがたくさんあります。また、はじめて管理職に抜擢されれば、マネジメントを学ぶことになります。人間を扱うというのは、予想しない問題が発生するので、自分で仕事をしていた時代とは違った学びがあります。しかし、5年ほど課長をやり、部下のメンツが変わっていないとしたら、惰性で仕事をしても成り立ってしまいます。

部下が成長し、細かい指示を出さなくても仕事ができるようになると、管理職は本来ワンランク上の仕事をしなければなりません。

これは経営者を見れば顕著で、彼らは会社を守るために常に考え、先手を打ちます。ところが、毎年同じ仕事をしている社員は、経営者のレベルに追いつけなくなります。しかも、経営者のレベルに追いついていないことに気がついていません。こうした社員がたくさんいるほど、会社の成長が鈍化します。


あなたは無能レベルではないか?


組織は無能な社員で構成されてしまうと看破したのはローレンス・ピーターです。彼は、組織構成の課題を次のように法則化しました。

いわゆるピーターの法則です。

1:能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。

2:時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。

3:その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。


つまり、有能な平社員は係長になり、課長になりますが、ここで出世が止まっている人は部長になる能力がないということです。つまり、能力の限界に達しているので、これ以上の成長が見込めません。

ただし、企業での仕事の大半はルーチンなので、成長をしなくても大きな問題にはなりません。大きな問題になるのは、会社の業績が悪化して、人件費を削らないといけない場合です。

もし、何年も同じ役職で、同じ仕事をしているとしたら、あなたは能力の限界に達しているということです。

なぜ、ベテラン社員がリストラの対象になるのか?

業績が悪化した企業はリストラを断行します。その際、対象となるのはベテラン社員です。

ところで、なぜベテラン社員がリストラの対象になるのかを考えたことがあるでしょうか?

結論から言えば、給料に見合った仕事をしていないからです。仕事の代用はベテランよりも給料の安い若手で代替えができます。管理職も同様で、何年も課長をやっている人よりも、能力の高い係長を昇進させた方が、期待が持てます。

成長が止まったベテランは会社にとっては重しになり、若手の成長を阻害するので、会社としては放り出したくなるのは当然です。管理職とは言え、部署を縮小すれば、そんなに多くのポストは必要ありません。

一方で、会社の苦境を脱するために力を発揮できる人材で、経験値の高い人はリストラの対象にはなりません。

単純な話、成長が止まっているのに、人件費が高いベテランを雇用できないのは当たり前のことです。すべては、危機感を失ったことが原因です。もちろん、危機感を持ったからといって、怯えながら仕事をすることにも意味はありません。

逆に毎日の仕事で、会社への貢献度を高めておけばリストラの対象どころか、ピンチの時に頼りにされます。ピンチになってから慌てても遅いのです。

中小企業の50代社員ほど、成長をするべし

大企業は容赦なくリストラを断行しますが、中小企業となれば話が違います。小さな組織で社長との距離が近いと、リストラを宣告しにくいものです。また、新卒や若手を採用していない企業は、ベテランが現場仕事をしているので、会社にとって必要な人材であると錯覚しがちです。

経営者には、雇用を2つのパターンで考えている人がいます。

1:単純な仕事は派遣社員を採用し、苦しい時には派遣社員の人数で調整する
2:正社員にこだわり、苦しくなると全員のボーナスをなくし、給料を下げて調整する

いずれにしても、中小企業の場合、リストラはされにくいですが、その理由は会社に貢献しているからではありません。


自分の市場価値を測定する方法

50代の社員が自分の市場価値を測定する方法は、転職ができるかどうかでわかります。

他の会社でも欲しいと思われる人材であることが、会社に貢献できる大前提です。もし、転職ができないから会社に居座ろうと思っているなら、直ちに考えを改めたほうがいいでしょう。

何歳になっても成長をすることはできます。

成長とは、できなかったことができるようになることです。そのためには、目標を持つということでしょう。

・売上目標
・開発目標
・仕事の効率化
・お客様を喜ばせる回数

目標はいくらでも策定することができます。自ら目標を掲げなくなった人は自ら成長を止めていることになります。


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