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自己啓発をしても成果が出ない3つの理由

塀の上に2匹の猫がいる。
壁の向こうは、夢のある世界だと聞く。一方で、夢を実現できる人は少数で、ほとんどの人は挫折するとも聞く。
2匹の猫は外の世界に憧れる。
悩みに並んだ後、1匹の猫は壁を飛び越えることを決断する。もう1匹の猫は、そこに止まったままだった。
さて、壁の上には何匹の猫がいるだろうか。

答えは2匹だ。
決断をしただけで、実際に壁を飛び越えたわけではない。しかし、決断をした猫が、その場に止まっている猫よりも自分が先に進んでいると考えるのは危険だ。
行動をする前であることでは、両者は同じ場所にいる。

これが自己啓発の罠だと思う。

成功したいと考える人の多くは本を読んだり、セミナーに行く。
私たちの成功に役立つことも多いが、マイナスに作用することもある。
典型的なのが、「自己啓発」だ。
成功をするために自己を啓発する。何かしかの行動をする時には、モチベーションは必要だし、やる気は原動力になる。しかし、行動するためにやる気を高めているということは、実際に行動している人よりも後ろにいるということだ。
自己啓発の危険なところは、3点ある。

1:やっていないのにやった気持ちになってしまう。
気分が高揚して、何でもできそうな気持ちになる。しかも、想像をするとやった気持ちになる。これは、アクション映画を見た後に、主人公のように強くなっていると錯覚してしまう状態に近い。

2:自己啓発はスキルアップではない。
事業をやって成功したいと思うなら、事業を始めるということが大切だ。商売をしたいなら、まずは何かを売ってみるといい。メルカリに出品すれば、どんなものがどんな値段で、どんな人が買うのかがわかってくる。

3:目標を高く設定してしまう。
自己啓発は、テンションの高い人は多いので、目標を拡大しがちだ。特に、みんなの前で目標を発表し、激励を受けるイベントでは、小さな目標は発表しにくい。新入社員研修で、「会社を変革します!」と宣言して、3ヶ月後に退職する社員がいるように、大きすぎる目標は自分に過大なプレッシャーを与える。

それでも自己啓発のセミナーに成功の活路を見出す人が多いのは、グループダイナミクスにあると想像できる。同じ志のメンバーが集まり、互いを肯定し、励まし合うことで、自己拡大が起こる。ハイテンションで興奮状態になると、ドーパミンという快楽ホルモンが分泌される。脳は、快楽を求めて、自己啓発セミナーに何度も通うことになる。

想像と快楽の繰り返しで、やった気になってしまうのが自己啓発の落とし穴だ。
行動を重視する実業家からは、自己啓発に行く人は、逆にメンタルが弱いとも言われることがある。

何度も自己を啓発する必要があるなら、一人になって自分を見つめることをおすすめしたい。セミナーに参加することは、行動のように思えるが、実際は気持ちを高揚させているに過ぎないのだ。他者に影響を及ぼすことはないからだ。

自己を啓発するのでなく、他人を啓発することで成功をすることを忘れてはいけない。


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