“歩様”に着目したこの『リズム診断』は、正式公開してから今年で3シーズン目。多くの皆様からご支持をいただいたおかげもあり研究が進み、診断成績も概ね好調です(詳細はこちら)。
競走馬ファンド(いわゆる一口馬主)では、まず勝ち上がれる馬を見極めることが大切です。募集時段階で将来的にG1を勝てるような馬を見つけられたら話は早いのですが、極めて難易度が高いです。それどころか1勝することすら難しい……。
『リズム診断』ではこの“勝ち上がり”に焦点を当て、募集馬の選定時に役立つような情報提供をおこなっています。
ただし、評価「S」馬の勝ち上がり率は今のところ6-7割程度の精度です。これは本診断が歩様のみで評価をおこなっており、そもそも競走馬の能力は歩様だけで決まるものではないためです。よって、ぜひ『リズム診断』をベースに、血統や馬体評価など他要素と掛け合わせをしてより勝ち上がりやすい馬を見つけていただければと思います。
さて今年の東サラ
今年の東サラの募集馬は52頭! 募集頭数はここ数年増えつつあり、 一口ブームの勢いを実感すると共に、東サラも人気になってきたなぁと嬉しく感じる面もあります。
歩様動画にもその熱気が込められていた?ようで、途中に近親の活躍場面を挟むなど販促を兼ねているような内容で、歩様自体の秒数は減ってしまいました。正直なところ、昨年までの動画のままのほうが馬の動きをよく観察できて良かったですよね^^;
『リズム診断』的にも、馬ごとの癖をつかみ辛かったです。今回いったん診断結果を公開しますが、既にお知らせされているとおり個別動画が後日UPされ、仮に“新たな歩様映像”が含まれていた場合、評価内容やコメントを改める場合があることを予めご了承ください(※その後、再診断をおこない、その結果を反映させています)。
『リズム診断』とは?
どんなコンセプトをもって診断をしているかを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『リズム診断』の実力は?
過去3年における各クラブの勝ち上がり率を以下に掲載しています。
診断対象馬(全53頭)
おまけ企画『そくサーチβ』試験公開のご案内(公開終了しました)
本記事ご購入者向けのおまけ企画を設けることにしました。測尺数値や性別、募集クラブなどの指定条件に基づいて、競争成績の傾向を調べられる『そくサーチβ』というツールです。よろしければ募集馬選考の際にお役立てください!
■ リズム診断 結果一覧
色付きは牝馬です。
関東入厩予定馬 No.1~25
関西入厩予定馬 No.26~53
※「近しい測尺・生後日数からの傾向」について
■ 個別評価(関東入厩予定馬 No.1~25)
No.1 スキャットレディビーダンシング21(牡)
No.2 ラストグルーヴ21(牡)
No.3 リュズキナ21(メス)
No.4 ジョリージョコンド21(牡)
No.5 レインボーダリア21(牡)
No.6 サンダーカップ21(メス)
No.7 ドライヴンスノー21(メス)
No.8 サークリングⅡ21(牡)
No.9 サンタフェチーフ21(メス)
No.10 シアードラマ21(メス)
No.11 アストライア21(牡)
No.12 レッツサッチャー21(メス)
No.13 レッドエルザ21(メス)
No.14 サファリミス21(メス)
No.15 プラトリーナ21(メス)
No.16 エクセレントデザイン21(牡)
No.17 ウォンビーロング21(メス)
No.18 ショーコ21(牡)
No.19 パンツァネッラ21(メス)
No.20 レッドラフェスタ21(メス)
No.21 デビルズコーナー21(メス)
No.22 ポルケテスエーニョ21(牡)
No.23 マレーナ21(牡)
No.24 メガン21(牡)
No.25 ブランシェール21(牡)
■ 個別評価(関西入厩予定馬 No.26~53)
No.26 レッドアヴァンセ21(牡)
No.27 レッドオルガ21(牡)
No.28 クイーンズアドヴァイス21(牡)
No.29 レッドセシリア21(メス)
No.30 ティズウインディ21(牡)
No.31 サンドグロース21(メス)
No.32 ディエンティ21(メス)
No.33 レッドコルディス21(メス)
No.34 カルティカ21(メス)
No.35 シックスイス21(メス)
No.36 レッドアトゥ21(メス)
No.37 ブラックスビーチ21(牡)
No.38 インディゴブルー21(牡)
No.39 ディヴァインハイツ21(牡)
No.40 レッドシェリール21(牡)
No.41 アンジュパッセ21(メス)
No.42 ヴゼットジョリー21(牡)
No.43 リヴィアローズ21(メス)
No.44 レッドディオーサ21(牡)
No.45 レイズアンドコール21(牡)
No.46 チルノ21(メス)
No.47 ギエナー21(メス)
No.48 プレステッツァ21(メス)
No.49 ツインテール21(牡)
No.50 シティイメージ21(メス)
No.51 ボインビューティー21(メス)
No.52 ダンシングラグズ21(メス)
No.53 サウンドオブフリーダム21(メス)
総評
No.26 レッドアヴァンセ21(牡)
が最も良く見えました。毎年300頭弱のリズム診断をおこなっていますが、これほどの歩様は年に1頭いるかどうか。歩様を見た瞬間に「これだ」と分かり、以来何十回と繰り返し本馬の動画を見ていますがこの感触にブレはありません。この『リズム診断』を構築するうえでの基礎となっているアーモンドアイの募集時歩様に近しいと感じるほどです(だからと言って良い競争成績を残せるとは限りませんが)。
母系は言うまでもなく素晴らしいので、あとは歩様以外の要素、心肺機能や気性、筋肉の質なども最上であることを願うばかりです。
個人的に、募集価格が高くなっているロードカナロア産駒への今年の出資は全く考えていなかったのですが、票の読み具合によっては本馬を最優先でいこうと考えています(母優もっていません^^;)。
2021年産のイチオシ馬(全て評価S)
歩様からみた場合
あとがき
冒頭にも記載しましたが、今年の歩様動画は秒数が短かったため、各馬の個性の把握が難しかったです。このあと公開されるはずの個別動画で、秒数や新しいカットが増えていた場合、コメントを追加させてもらう可能性があります。“リズム”自体の数値データは取れたので「S」といった評価は変えることは無さそうですが、変化が大きい場合は改める場合があるのでこちらはご了承願います。
※ちなみに筆者は、以下で先行を申し込むことにしました。
第一 レッドアヴァンセ21
一般 サークリングII21
一般 サファリミス21
予算が多い訳ではないのでこれで。第一希望はリズム診断の本編で触れたとおりの理由。一般の2頭は主に歩様の良さと、これまで連続してディープを付けられていたように牝馬として期待値の高さに期待して。サークリングII21は恐らく第一希望だけで400口は埋まってしまいそうですけどね。サファリミス21はキムテツ厩舎予定で、年平均出走回数が少ない傾向にあるためそのあたりは躊躇してしまいますが、できが良さそうです。こちらは一般抽選にも回ってきそうですが当選確率は低そう。
レッドアヴァンセ21だけでも当選したい!! ですが、クジ運は本当にないので全滅もありえそうです。その場合は、一次募集で満口にいかなければダンシングラグズ21にいこうと思っています。
以下、余談。
海外セール購買牝馬と次世代戦略について
ダンシングラグズ21(メス)について。
海外繁殖馬による高額牝馬であり、恐らくダート寄りの適正と思われるため出資しづらいのは確かです。ただし動きは良く見えます。
また、いま東サラは”Our Blood(通称アワブラ)=過去募集した牝馬の産駒を募集馬にすること”を進めている様子であり、昨秋と今回の海外繁殖牝馬の産駒募集は、次世代を視野に入れた取り組みであると推測されます。
母ダンシングラグズは海外セールで落札した東サラ保有馬(紹介記事)。1口12.5万円と、昨秋の外国産馬募集と価格帯を揃えてきました。ボインビューティー21も同様であり、ここからも「将来産駒が欲しいなら、今これらの馬に出資しておいてね!」という東サラの意図的な募集戦略が読み取れそうです(海外からの輸送費とか考慮するとこの価格帯にせざるを得ないのかもしれませんが)。
最近の東サラは繁殖牝馬をセールで買い集めており、自己・関連所有馬の産駒募集が増えてきています(今回募集の母アストライアは祖母ハープスター。また母インディゴブルーはバレークイーン牝系。など)。
クラブ経営的にも質の良い募集馬確保は必須であり、いわゆるバイヤー系のままでは何かと限界がありそうです。となると良い繁殖牝馬を自己所有をし、生産したほうが手っ取り早いのでしょう。今回のアヴァンセ・オルガのように高額で産駒の募集をかけられますし……。他牧場が所有する“貸し馬”ではないため、その産駒は毎年募集される可能性が高く、会員としては喜ばしいところですが……。
今後もこの傾向が続くと予想され、「あの頃レッドファンタジアやメデューサ、エルザに出資していれば、母優を使って毎年産駒に出資できていたのに……」と似た状況が今後もおこりうるのだと思っています。その機会を逸しないためにも、東サラ所有となる、良い血統背景の募集馬(牝馬)には毎年のように出資しておいたほうが良いのかもしれません。
“アワブラ”を謳うキャロットは、募集頭数の限度や、募集馬のほとんどを提供するノーザンファームとの事情?により、活躍した募集牝馬の産駒であっても必ず募集される訳ではありません。ただし、繁殖牝馬の自己所有を広げる東サラならば、“本当のアワブラ”を叶えてくれるかもしれません。そんな次世代への期待を込め、特にセリで買い集められた海外繁殖牝馬の産駒(牝馬)へ一票を投じるのも面白そうです。