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来シーズンの予告編? “新しい指数”導入について(キャロット2023年産で試してみた)

この記事の要約
①“新しい指数”の導入背景
②同指数テスト版を2021年産駒(キャロット、シルク)に当てはめて仮検証
③同指数テスト版を、キャロットの2023年産駒に当てはめて提示

“新しい指数”の導入背景

いつも『リズム診断』をご覧いただきありがとうございます。説明不足でよく分からない歩様の仮説に対してお金を払っていただけるだなんて、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!!

敢えて説明不足にしている面もあります。一応は“歩様のみで勝ち上がりやすい一口馬主の募集馬を見抜く”をコンセプトとしておりその成り立ちはこの記事で説明していますが、具体的に何がどうなると評価Sなのか?等の核心部分はずっと曖昧にしてきました。

本当は根拠をしっかり書いたほうが納得感をもってお金を支払っていただけるはずですが……。ネタを明かすと模倣される恐れがあるのと、何よりリズム診断の仮説がまだ検証過程であり明言するレベルには至っていない想いが強いため根拠をぼやかしてきました。

おかげさまで『リズム診断』は現1歳募集で公開6シーズン目。評価Sの勝ち上がり率はどのクラブも一応は50%を維持でき(今年の東サラなど例外ありましたが)、リズム診断という「歩様」の仮説ロジックとして「なんとなく当たっていそう」レベルではあります。

ただし、毎年成績は凡そ安定しているものの、まぁ普通というか物足りなさがあるのも事実です。もっと何とかしたい。

裏側では歩様の研究をつづけており、より精度の高い成績を出せるよう微調整を重ねてきました。ただし、募集馬の世代成績が出るのは診断してから約2年後。検証・改良するにも結果が出るまで年単位で時間かかるため、大幅な成績改善はなかなか難しい部分があります。

しかし、ようやくリズム診断をアップデートできそうな材料が揃ってきました。それが今回の“新しい指数(仮称)”です。

“新しい指数(仮称)”って何?

リズム診断は、歩様の特定要素を数値化しています。それを計算式に当てはめ、過去のクラブ募集馬データ(歩様動画があるもの)と照らし合わせつつ、計算結果により分類した評価Sが最も勝ち上がり率が高くなるよう設計しています。

この計算式のコンセプトは「歩様の運動効率と再現性」です。

計算式は、この記事のとおり歩様の速度に採点の重きを置き、他要素を係数にして掛け合わせながら算出しています。この結果、事前検証どおり評価グループ順に勝ち上がり率が高くなる結果を示せている状況です。

ですが、計算結果の数字をもとに機械的に分類しているため評価に矛盾が生じていました。

例えば、過去のリズム診断で「歩様がやや遅いため、統計データ分類上の評価はBとなります。ただし、動き自体はとても良いです」といったコメントが書かれているのを目にしたことがあったかと思います。矛盾となる課題は正にこれで、動きの良さを正当に評価できていなかったのです。

これを解決すべく、これまで配点を低くしていた「〇〇という要素(秘密)」の解像度を上げる計算式に改め、係数の値をリニューアルすることで先に挙げた「歩様の運動効率と再現性」を正しく表現できる“新しい指数(仮称)”を導き出すことにしました。

計算式の内訳を超ざっくり書くと以下のようなイメージです(あくまでもイメージ)。

旧:歩様速度 7割 × 以外要素 3割 = この値で評価分類
新:歩様速度 4割 × 〇〇要素 4割 × 以外要素 2割 = この値で評価分類

この新しい計算式を過去の募集馬の歩様データに当てはめたところ、現行のリズム診断の計算式よりも良い成績傾向が出てきました。かつ、課題であった動きの良さも値に反映されている。これなら上手く進めていけそうです。

前書きが長くなりましたが、実例サンプルとして過去の募集馬に新しい計算式を当てはめたものを公開します。

キャロット2021年産に新しい指数を当てはめてみた

前述の計算式により全馬の指数を算出。これに対し、今回は分かりやすいよう仮に指数の範囲を5刻み、6分類にしてみます。各分類ごとの勝ち上がり率は以下。

キャロット 2021年産

指数 勝ち上がり頭数/対象頭数 勝ち上がり率
・84.9以下 1/8頭 12.5%
・85.0-89.9 8/20頭 40.0%
・90.0-94.9 7/12頭 58.3%
・95.0-99.9 11/18頭 61.1%
・100.0-104.9 5/9頭 55.5%
・105.0以上 12/12頭 100%


※勝ち上がりは2024年8月25日出走分までの成績です。未出走馬・地方競馬の成績は除外

なんと「指数105.0以上」の勝ち上がり率は100%になりました!(ほんとか?笑)
母数が少ないため分類ごとにあまり差が出ておらず信憑性は極めて低いのですが、指数の値が大きい馬ほど勝ち上がりやすく、逆に値が小さいほど勝ち上がりづらくなっているのが分かります。

このあたりは、今回は適当に指数を5刻みの範囲にしているためであり、今後は適切なサイズに設定して、計算式の係数を調整すれば、うまく指数上位ほど勝ち上がり率が高くなるよう設計できるかと思います。
(重賞勝利といったその後に活躍しやすい傾向なども表現できないか取り組んでみます)

個別詳細は以下です(指数降順)。馬名が黄色く塗ってあるのが現時点で勝ち上がっているお馬さん。上位ほど勝ち上がり馬が多くなっていますね。

現在の指数テスト版では、指数が大きいほど良い馬・重賞馬候補という訳ではなさそうです。

※指数は隠さずに敢えて数字で表現してみました(数字が出ていたほうが「ちゃんと計算してるだぞ感」を出せますし笑)。なお、多重にフィルター掛けているので逆算しても計算式は導き出せないと思います。

シルク2021年産にも新しい指数を当てはめてみた

「キャロットだけでは何かアヤシイ。都合よく数字をまとめてるんじゃない?」と思われそうなので、シルクの募集馬にも新しい計算式を反映してみます。

シルク 2021年産

指数 勝ち上がり頭数/対象頭数 勝ち上がり率
・84.9以下 3/8頭 37.5%
・85.0-89.9 3/10頭 30.0%
・90.0-94.9 2/8頭 25.0%
・95.0-99.9 9/19頭 47.3%
・100.0-104.9 11/15頭 73.3%
・105.0以上 10/12頭 83.3%


※勝ち上がりは2024年8月25日出走分までの成績です。未出走馬・地方競馬の成績は除外

どうでしょう。シルク2021年産でも指数の値が大きいほど勝ち上がり率が高くなっています。シルクでは「指数105.0以上」の勝ち上がり率が100%にはなりませんでしたが、83.3%とかなり高い値です。「指数95以上」あるお馬さんだったら出資検討の候補に入れて良いかもしれませんね。

現時点で集計サンプル数が少ないために賛同を得られづらいかもしれませんが、取り組むべき方向性は合っていそうです(裏側ではもっと下調べをしています)。


と、こんな感じでもう少し検証を重ね、計算式を調整して、うまくいきそうであれば来シーズンのリズム診断から“新しい指数(仮称)”を公開していければと思っています。ご期待ください!!

大前提として、今回はテスト版です。
今後サンプル数を増やした検証をおこない、例えば重賞馬になりやすい傾向などを加味しつつ調整を加えていくため、将来的に公開する値と異なっている可能性があります。また諸事情により「やっぱり公開するのを止めた」になるかもしれません。もろもろ予めご了承願います。

この新しい指数(テスト版)を、キャロット2023年産駒に当てはめてみると…?

恐れ入りますが、ここからは有料記事です。現行リズム診断の評価も反映させているためご了承ください。

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