ガードポジション1(ベーシックカリキュラム)

ストレートアームロック

VTJのエンセン井上先生がすべてだと思います。柔術で最初にならうテクニックはたいていの場合いわゆる腕十字か十字締めなんですが、かっちりとポスチャーをとった相手の腕をかっちりときめていく腕十字ではなく、あえてタイミングでとっていく技法を最初に教えるのがトライフォースです。これは結構画期的だと思います。なお、ごくたまにいる本物の運動未経験者にやらせると肘を伸ばしたまま吹き飛ばされていく要注意、そして悪い意味で空気が読めるひとをパートナーに選ぶと圧力が足りな過ぎてふにゃっとつぶれてまったく無意味な有酸素運動になっちゃうので注意です。その意味でランディ・クートゥアーを頭の中で再現してくれよ、ということもあります。ランディ・クートゥアーを必修科目にする柔術道場。

クロスチョーク(ダブルアンダー、オーバーアンダー)

背中がマットについていると背中が動かない。でも背筋を使わないと正しい動きにならない。頑張ってほしいものです。手首で他人の首を絞めたことがある人はそんなにいないと思うので初心者はみんな何をさせられているのかが意味不明なテクニックではあります。箸で物を持つのがあたりまえになるように、そのうち手首の橈骨の茎状突起のちょっとしたあたりが相手の頸動脈に食い込む感覚がわかると思いますといって余計混乱させるわけにもいかずスルーしてもらうのがおすすめですね。

ストレートアームロックエピソードがエンセン井上先生ならクロスチョークはエリオグレイシー先生がでてきます。エリオグレイシー先生の立志伝エピソードがみんなの脳内に。そして私は中学生向けの柔道の教科書を読んだらできるようになったテクニックです。それもまたトライフォース流とは違う絞め方でした。道場によって教え方が地味に異なる技法です。もしかしたらベリンボロよりも教え方のバリエーションがあるかもしれない疑惑を持っています。

キムラアームロック

エリオグレイシー先生が出てくるとこんどは木村政彦先生がでてきますね。キムラ。チキンウィングアームロックですね。中途半端にしかけるとアドバンストカリキュラムのキムラアームロックカウンターをくらいます。そしてアドバンストカリキュラムのキムラアームロックカウンターを本来のタイミングともっとも効率の良い力の伝え方をするとたぶん相手の肩が外れます。プロトタイプ時代の上記カウンターは相手にドスンと飛び乗って相手の肩をぶっこわすやり方だった記憶があるんだけどいつの間にか膝を自分の方向に寄せてじんわりと相手にキムラアームロック解除を促すやり方になりました。
なおアントニオホドリゴノゲイラが同じ技法のドリルをしていましたが終始サムレスグリップでした。あれだけ強力なレギュラーグリップをもっているのに。キャッチャーミットのような手の大きさをしてもサムレスにする理由があるのでしょうか。永久に繰り返されるレギュラーグリップ論争がここでも出てきますがベーシックでは素直に先生の言うことを聞きましょう。

シザースイープ

茶帯くらいになるととたんに使えるようになる技法シリーズ。道場を出したばっかりのころはちょっと動けるようになった人がガチガチに襲い掛かってくるようなときによく使っていました。コンバットベースを覚えた瞬間にかからなくなるのでみんなが使わなくなります。
相手が無目的に右足コンバットベースを取るだけなら左手のクロスカラーグリップを使ってみるのも一案です。攻撃テクニックは片方だけでいいけれど防御テクニックは両方できるようになったほうがよくて、つまり私にとってシザースイープは防御テクニックだということです。ここから先、つまりオープンガードはディフェンスの技法なのかオフェンスの技法なのかという議論は哲学の問題となります。それぞれの個性や置かれた立場に応じて政策的な回答が求められるということです。

トライアングルチョーク

柔術はてこをつかいます。じゃあトライアングルチョークのてこは?というとたぶん爪切りと同じてこが使われていて膝関節が刃物の部分ですよね。それじゃあつま先を引っ張ると自分の足首に悪い意味でのてこがかかっちゃってこわれちゃいますねそりゃそうだ。やっぱり脛の足首寄りのパーツを引くといい感じに爪切りになるのですね。こりゃテコだ。そうすると、先日のスパーリングで相手の頭蓋骨を引いてトライアングルチョークをきめていた杉村先生は爪切りに爪をこすりつけて爪を切ろうとしていたってコト……!?と生徒に何かを気づかせてちいかわみたいにさせるところまでがワンセットです。てこだけに、てコト……?と。

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