ヘッドロックエスケープ(ベーシックカリキュラム)

護身術っぽいテクニックの日です。柔術経験者にとってはつまらないだろうなあと思います。ベーシッククラスはスパーリングなしで一回に限り体験無料、というシステムにしていたとき、ヘッドロックのエスケープの日にわざわざ柔術経験者のかたが無料体験にきて、ものすごくもうしわけなかった思い出があります。それでもまあ初心者の会員さんと無料体験に来た黒帯だったら前者のために予定通りのことをやります。いまでは月に一回の無料体験入門会の日を設けつつ、その他のベーシッククラスへの体験は一回千円でそのまま入門したら千円キャッシュバックという方式にしています。そのほうが全体の満足度が高くなりそうです。

柔術はヘッドロックでのアタックを嫌うスポーツなのでだれも使わない技法、それがヘッドロック。誰も使わない技法への対処法を虎視眈々と磨き続けるわけです。私も年に一回くらいは使います。

ヘッドシザースエスケープ

ヘッドシザース自体はそれなりに攻撃力が高くて使い方によってはローリスクハイリターンなのである程度は研究しておこうね、と会員さんたちには事あるごとにいっているつもりです。IBJJFルールで失点せずかつカウンターを食らいにくい形でのエントリーできまらなかった場合のオプションを探せるようなかたちもあるはずなので。

ヘッドシザース(アームロックフィニッシュ)

同じ週にマウントポジション1のカリキュラムを習得するはずなので、それをしっている前提です。ぜんぶつなげていきたいですね。

レッグトラップエスケープ

ショルダードラッグエスケープ

このふたつ、使わないように見えて年に一回くらいつかいます。使うのはたいてい[●●]なので志木の会員さんは私がこの技法をスパーリングで使っている姿を見たことがないはず。そして自分の生徒が上からヘッドロックしたら即座に訂正するのでこの技法の攻防を見ることなく黒帯になる会員さんもいるにちがいありません。

私がマスターカリキュラムのスマッシュパスカウンターを使えたのは人生で10回以下で、それはそもそもスマッシュされたらまずかろうという価値判断もあるし、相手が互いにとって理想的なスマッシュの形で圧力をかけ続けてくれるかどうかっていう問題もあるし、その意味では去年はたしか自分の会員さん相手に2回スマッシュパスのカウンターを使ってたまたまそれを動画に撮っていたので会員さんたちに共有したりできて、たぶんみんなが上達すればするほど互いに見せあえる技法も増えていって今後はもっと増えるはずでこれが柔術の楽しさなのだろうと思うけれど、ヘッドロックエスケープに関してはみんなが上達すればするほどであう可能性が減っていく。

バックサイドロールエスケープ

初心者とのスパーリングで相手のパスガードが強引だったとき、このパスガードだとフィニッシュポジションがヘッドロックになるなあと判断したらヘッドロックを促してよいしょとひっくり返して柔術の何か大切なことに気づいてもらうっていうのは先輩あるあるだと思うんですけれど、たとえその場合であっても最初に選ぶべき先輩としての技法はフレームを使ったヘッドシザースエスケープにしなさい、と先日志木の若いインストラクターに教えました。ヘッドシザースエスケープは使い方によっては苦痛系のテクニックになりうるので初心者にしかけるのはちょっと心が痛むのですがそれでも痛くないように苦しくないようにまずはフレームを作ることを自分の癖にしなさいと。なぜなら、世の中にはごくごくたまにヘッドロックの使い手がいて、ヘッドロックだけで気絶しそうになったり首がもげそうになったりヘッドロックのままプロレスのテレフォンアームロック的にレッグトラップアームロックを仕掛けられたりするからで、体育の授業で習うような本袈裟固めの逃れ方を最初に試しているとその間にぶっ壊されちゃう可能性が高いからです。フレームの差込口を探る→肩を探る→最後は足を降る、の三段階を強く推奨しています。つまりカリキュラム通り。そして今も昔もいわゆるヘッドロックの攻防はカリキュラムではこれが最後です。カリキュラムでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?