Lesson 17 サイドコントロール2

マウントトランジション(ステップオーバー)

サイドコントロールエスケープ2のエルボーエスケープ(バックドア)と通常エルボーエスケープの両方、つまり肘とひざをくっ付けるとエスケープできる柔術ディフェンスの基礎理論、を理解していないひとはこの技法のでちょこまか説明される技法が意味不明なはずです。白帯の人にとって大切なことは、意味不明でも無目的に厳密に再現してみることでしょう。人によっては一言ですべての動作の意味を理解できる人もいますしインストラクターもすべての動作の理由を言語化したはずですが、それでもなお意味不明な大多数の人たちは無目的に再現するのが大切です。上述のエルボーエスケープ理論を理解した人たちが白帯の人たちとスパーリングするときはわざとパスさせてスプロールベースをうながしマウントポジションを取らせるところでバックドアのエルボーエスケープをしかけるといいです。スパーリングが膠着しません。膠着するスパーリングは楽しくないし時間の無駄なので白帯の人たちをいかにしてマリオネットの如くあやつり活気あるスパーリング風景にするのかについて考えるのも修行です。

ノースサウスコントロール、フォーアームチョーク

このレッスンで最後に教えるリバースクロスチョークとこのフォーアームチョークはワンセットなのですが、その後のカリキュラムのチョークディフェンスを使えるようにならないとワンセットとして理解できないので残念です。

ベーシックのサブミッションは簡単かつ強力にきまるものばかりなので、というかこの世の誰でも簡単お手軽にきめる方法やコツがもりだくさんのおすすめルートを紹介する方式なので、白帯の人たちも練習相手にバシバシときめることでしょう。そしてバシバシときめられるなかであるときこれってこうやればしのげるんじゃないかと気づき、または先輩に対処方法を教わってそれらを実践してよしこれはしのげると思った瞬間にその対処方法に対するカウンター的なものをくらうわけです。そこらへんも柔術の楽しさなのでぜひそれを楽しいと思ってほしいものです。スパーリングでやられることを楽しいと思えない場合は柔術向きじゃないです。

体圧をかけて相手の顔をファーサイドに促すような動作について体圧をかけるという日本語は体圧以外の何物でもないのですが普通の人生でそんなことはしないのでたぶん最初のうちは全く通じない日本語です。日本語なのに通じない日本語。自分の前腕で相手の頸動脈を圧迫するのも同様で普通に生きていたら前腕で頸動脈を圧迫しないので通じない日本語です。アルファがベータをカッパらったらイプシロンした、的なものです。半年くらい通えば理解できます。

キムラアームロック

右手で相手の手首をつかんだら右ひじをベースにします。ベースにするということはマットに右ひじをつけたままにするということです。ベースは重心であり土台なので家でいえば基礎ですその上に柱だの壁だのを立てるわけで基礎が揺れたら柱がまっすぐにならないように、ひじをベースにした以上その右ひじを基準にして自分の頭の位置や足の位置を決めます、とそこまで言っても右ひじをマットから浮かして別の場所に重心をもっていく人がいるのでインストラクター的に要注意技法です。肘がマットから浮いたらテクニック検定で減点1、減点2ではない。最後に相手の首を足でくいっとすると通好みです。

キムラアームロック(アップライトバージョン)

キムラアームロックの通常バージョンをやれと言われてアップライトバージョンになってしまう問題があるのでそこは意識的に両方練習したほうがいいです。
相手の腕に体重を預けただけで相手を制することができるポイントもあったりしてこういった個別の部品がその後の柔術ライフを助けることになります。腕に乗られると動けないという感覚を覚えることも修行なので、テクニックを受けることもとても大切です。

リバースクロスチョーク

苦しくしようと思えばいくらでも苦しくできる技法。苦しくしないようにやりましょう。限りなくノーリスクなのでとりあえずトライして他のアタックにつなげるのもありですね。

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