サプリメントと教則動画

教則はあくまでサプリメントだと思っている。
という考えを聞いてなるほどなぁ思いました。
確かに教則とサプリは似ている。

私の最初のサプリの思い出はプロテインです。
マッスル&フィットネスの表紙を飾るような人が
プロテインの袋を持ち
「俺はこのサプリでトレーニングしてこの体になったんだぜ。」
そんな宣伝をみて、おいおい自分もこれを飲めばこんな体になっちゃうの?
と思って毎日飲んだのを覚えています。

こんな体になりたかった、、

今振り返れば、筋トレをしたらムキムキになっちゃうから有酸素運動しかしない~。と言う人と同じレベルの知識でした。
空になった袋と変わらない身体を見てガッカリしたのを覚えています。
特別な才能を持っている人が膨大な努力を続けて得た筋肉は同じレベルの才能と努力をしなければ得ることはできないでしょう。
しかし宣伝では
「みんなもこれを飲んで俺みたいにならないかと?」
と語りかけてきます。

最近は日本語の柔術教則動画が増えて購入する人が増えているように感じます。
リリースされる特別な才能のある柔術家が努力の末身につけたテクニック。
実際の試合で披露されている技のハイライトの宣伝をSNSで自分もできるようになりたいと思うでしょう。

「この動画を見たら僕と同じような技を使えるようになれるよ。」

「この試合で披露した技を解説付きで見たくはないかい?」

かなり似たものを感じます。

数年前にカイオテハのハーフガードの教則が日本語訳をされて発売されたのをご存知でしょうか?

マイク5本の名盤
カイオ・テハ111ハーフガード

私を含めた英語のできない日本人柔術家たちにとってはカイオの長い説明が日本語訳されて再リリースされるのは朗報であり発売当時はかなりの話題になりました。

内容を詳しくは書きませんがハーフガードへのリテンションの他に相手のリアクションに合わせてたくさんのスイープを紹介しています。

一つのスイープを紹介して、それに対してこの防ぎ方をした場合に合わせて次のスイープをするなど、数珠繋ぎになっており、柔術の根本的な考え方も学ぶことができました。

簡単に言えば、力の強い人は自分やりたい技を押し付けれるけど、力を使わずに相手のリアクションに合わせて正しい技を使えるようになろう。という考え方です。

「この動画を見たら僕と同じような技を使えるようになれるよ。」

この教則通りに相手のリアクションに合わせて技を選択できればね、、、、

このDVDが発売されて数年経ちます。
まだこのハーフカードの技を使いこなしている人にはあったことがありません。
おそらく黒帯レベルでもDVDを見返すことなく完璧に同じ回答をできる人はほとんどいないでしょう。

筋トレを始めて半年でベンチプレス100kg上がるともいれば10年やっても上がらない人もいます。
ブラジリアン柔術も5年で黒帯になる人もいれば10年やっても紫帯の人もいます。
甘い言葉で誘ってくるのはどちらも前者です。
できない人たちのことを彼らはどれくらい理解できているのでしょうか。

まあ、サプリメントも教則動画も何もしてないよりはマシだよなぁ〜くらいの感覚でそこまで過度な期待はしない方がいいと思います。


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