「退く」でなく「引いた」南出仁/コンビネーションをセーブせざるをえなかった飯村樹輝弥
写真_山口裕朗
Photos by Hiroaki Yamaguchi
☆10月20日・東京・後楽園ホール
最強挑戦者決定戦バンタム級8回戦
○南出 仁(セレス)日本1位
●与那覇勇気(真正)日本2位
判定3-0(77対75、78対74、79対73)
前進なんて表現では生やさしい、「突撃突進」だ。そうして左強打をこれでもかというくらいに叩き込んでいく。
南出仁のボクシングに対する勝手なイメージだが、早々に覆された。引いて引いて、動いて動いて動きまくる。与那覇の圧力を感じて、ではなく、自らのはっきりとした意志を持って。「退く」ではなく「引く」。おびき寄せているという表現が適切だろう。
出てきてくれるはずの南出に、与那覇は肩透かしを食ったかもしれない。そうだとすれば、南出陣営にとって願ったり叶ったり。まずはひとつ“崩した”と言えるはずだ。
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