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【ボクシング】カシメロ、ンギーチュバの奮闘許す/井上岳志はドロー防衛/花田歩夢は判定で敗れる

☆5月13日/フィリピン・マニラ/オカダ・マニラ・ホテル
◇TBプロモーション&ジョニー・エロルデ・プロモーション
WBOグローバル・スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
○ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)WBO5位
●フィリップス・ンギーチュバ(ナミビア)WBO10位
判定3-0(114対112、116対110、116対110)

 カシメロ得意の左フックに左フックをカウンタ―する。ンギーチュバの作戦のひとつはそこにあったが、序盤を見る限り、ワンテンポ遅れ、打ち終わりに体も開くシーンを見て、早い回でカウンターを合わされて倒される姿を想像した。はたしてそれは6ラウンドに実現することになったが、痛烈なダウンから立ち上がり、必死にクリンチで難を逃れ、その後、回復してラストまで戦い抜いたのは驚異的だった。

 6ラウンドこそもらってしまったものの、ンギーチュバはカウンターのタイミングを徐々に修正していった。さらに先手で攻める左フックに加え、右ストレートも拳半個分ほど伸びていく。カシメロは距離とタイミングを早々に把握して、当初こそオーバーアクションを起こさずとも悠然と鼻先でかわしていたが、ンギーチュバの変化に完全には対応しきれなくなっていた。規格外のタイミングと、鋭い踏み込みから届かないはずのパンチを届かせる。カシメロの真骨頂だが、ンギーチュバもまた、規格外のそれらを持っていた。巧みなボディムーブも使って、まともに貰うことこそ回避したが、カシメロにも余裕はなかった。

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