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【ボクシング】ドネアの衰えと、サンティアゴの見事な戦術

☆7月29日(日本時間30日)/アメリカ・ネバダ州ラスベガス/T-モバイル・アリーナ
TGBプロモーション
WBC世界バンタム級王座決定戦12回戦
○アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)3位
●ノニト・ドネア(フィリピン)1位
判定3-0(115対113、116対112、116対112)

 同じ階級とは思えないほどの体格差を感じた。ドネアがふた回りほど大きく見えた。これまで歩んできた道の太さ、成し遂げてきた数々の偉業を経て備わった威厳も纏い、ドネアは自信満々に右ストレートを放ち、それを餌撒きとして左フックを狙っていった。

 しかし、その風格は徐々に徐々に剥がされていった。小兵サンティアゴの距離感と戦術によって。ドネアの右ストレートが届きそうで届かない距離を徹底的に守り、ドネアにこれを打たせてかわす。そして、上体の突っ込んだドネアにジャブを合わせる。

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