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【ボクシング】モレル140秒でベガスデビュー。ベナビデスとの“デビッド対決”熱望

☆4月22日(日本時間23日)/アメリカ・ネバダ州ラスベガス/T・モバイル・アリーナ
WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦
○デビッド・モレル(キューバ)チャンピオン
●ヤマグチ・ファルカン(ブラジル)6位
TKO1回2分22秒

 サウスポー対決は、あっさりと決着をみた。しかも、わずか9戦目の24歳モレルが圧倒的な強さ、巧さを魅せた末に。

 ロンドン五輪ライトヘビー級銅メダリストのファルカンも、まったく歯が立たなかった。ファルカンが“らしさ”を見せたのは、右ジャブへの左クロスだけ。モレルが間合いを測るために放った右リードに重ねたもので、この若き異能はそのクロスにもしっかりと反応していた。

 元メダリストが左右を放っていくのだが、モレルは小さなスウェーバック、ウィービング、ダッキングですいすいとかわしていく。サイズはまったく異なるものの、ギジェルモ・リゴンドーを思わせるような身のこなしだ。そして決定的に違うのは、モレルが相手を仕留める獰猛さを兼ね備えている点だ。左クロスを狙われたことで触発されたのか、一気にギアを上げて攻める。右フックを下から上に返し、右からの左ストレートを鋭く打ち抜く。後退するファルカンに右フック、さらに左アッパーから右フック。これがテンプルを抉ったのだろう。左右にフラつきを見せたファルカンを見て、セレスティーノ・ルイス・レフェリーに「ダウン取らないの?」とグローブをつきつけてアピールする余裕すら見せた。
 レフェリーがその仕種をスルーすると、跳ぶようにして放つ右フック。ロープに腰を落としかけたファルカンに、レフェリーはようやくカウントを数えた。

 ここは続行となったものの、もう、試合の趨勢は決していた。モレルは荒々しく冷静に詰める。左のオーバーハンドを叩きつけて右フック。大逆転の左を狙ったファルカンに、痛烈なカウンターとなる一撃で、前のめりに沈んだファルカンを見て、ルイス・レフェリーはノーカウントで試合を止めたのだった。

 4団体王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)、そしてWBC暫定王者デビッド・ベナビデス(アメリカ)との対戦を熱望する。WBO暫定王者ジョン・ライダー(イギリス)戦を2週間後に控えるカネロより、実現性が高いのは“デビッド対決”だろう。強打で瞬間スピードの達人ベナビデスとの対戦は、統一戦中指折りのビッグカードだ。

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