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ジャブかフックかわからない…。鈴木雅弘の匠の左/ダウン2度の坂井祥紀が重田裕紀を猛攻しドロー

写真_山口裕朗
Photos by Hiroaki Yamaguchi
@FinitoYamaguchi
@Finito22

☆10月22日・東京・後楽園ホール
スーパーライト級8回戦
○鈴木雅弘(角海老宝石)日本ライト級4位
●近藤哲哉(横田スポーツ)
TKO4回2分19秒

ストップ寸前。この右でロープへとよろめいた近藤を、レフェリーが抱きかかえた

 最大の武器である左フックを、最高のタイミングでカウンターする。一時期の鈴木は、そこに囚われすぎて、体のリズムを止め、自らのボクシングのリズムをも失っていたと感じた。だが、この日は目立たないものの、細かい足の動きでリズムを刻み、丁寧にボクシングを遂行していた。体のコンディション調整もうまくいっていたのではなかろうか。滑らかな動作がそれを物語っていた。
 連敗しているものの、粘り強さとタフネスで格上の相手を苦しめてきた近藤は、右ブローのタイミングが独特。上体の動きに対し、若干遅れてくるから掴みづらいのだが、鈴木はカバーリングの上手さでその威力を逃がし、ジャブとフックの絶妙な組み合わせで近藤の強い心をもぎ取ってしまった。

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