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いま、思うこと<2022年11月14日>

※写真はわが故郷、埼玉県坂戸市西坂戸の商店街。昨年(2021年)5月に、およそ30年ぶりに訪れた際に撮影

『ボクシング・マガジン』が7月発売号で休刊となり、直後に会社の有志から、「既存WEBを専門サイトとしてリニューアルして回してほしい」という依頼を受け、それに向けて準備を進めてきた。だが、一方的な都合によって頓挫させられてしまった。詳細については、今は語らない。

 明日「11月15日」がリニューアルスタートの予定日だった。今となっては、ただただ虚しいばかりだが、10月に入ってこの話が立ち消えになってからは、頭を切り替えるのに必死だった。

 10月下旬から、このnoteで書くボクシングの記事を基本的に有料化した。広告収入があるとはいえ、巷にあふれる「無料で読んでもらう」スタイルに以前から疑問を持っていたからだ。
 自分が「価値ある記事」を書いているかどうかはわからない。いや、すでに“お叱り”も受けている。だが、「本間暁が見て感じたこと」を一所懸命書いている。それに対して、「価値」を見い出してくれる人がひとりでもいるならば……という想いがある。
 もちろん、有料無料にかかわらず、世の中の人に何かを感じてほしいという気持ちは変わらない。けれども、「無料」では、あまりに軽すぎやしないか。「有料」にしたからこその、それなりの覚悟はもちろんある。

 同じボクシング記事でも“線引き”をした。こちらがお金を払って見た試合、交通費をかけて行って取材したものは有料。無料で見たものは無料に。ボクシング以外の“修業中の”エッセイや、これから不定期だが始めようとしている「日記」からはお金はいただかない、といった具合に。

 もちろん、これで生活しよう、家族を養おうなどとは思っていない。世の中そんなに甘くはないということは重々承知している。有料化して2週間で学んだことも大いにある。そしてこれは、あくまでも“次”に向けた試行、“繋ぎ”でもある。

 有料化してすぐに、ある現役ボクサーから「何でも協力しますから、いつでも何でも言ってください」と、心強い連絡をもらった。本当に嬉しかった。以前から“漢気”を感じていたが、やっぱり本物だと感じ入った。
 しかし、立場的に曖昧な状態、自分でもスッキリとしない現状では、“最低限”のままでありたい。
 だが、“次”を本格的に進められることになったら、とことん協力してもらう。そしてもちろん、だからといって“忖度”はしない。そんな記者でないことは彼だって当然承知しているだろう。

 まるで隠居のような生活である。家庭ある者として、父として、ひとりの人間として最低な日々を過ごしている。
 だが、いまは耐え忍ぶとき。厳しい眼差しで見つめてはいるが、これまで見てきたボクサー、これからも見続けていくだろう選手、サポートしている方々の姿が、揺らぎ続けている心を何とか支えてくれている。

ボクシングの取材活動に使わせていただきます。ご協力、よろしくお願いいたします。