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問題解決について


問題とは何か


問題とは、「理想」と「現実」の間にあるギャップ(差)、もしくはそのギャップ(差)がある状態のことをいいます。ですから、問題解決とは、そのギャップを埋める(現実を理想に近づける)活動のことです。


問題の主な種類

① 発⽣型︓ 不都合や困りごとが、既に表⾯化しているもの
➡ 対処が必要

② 設定型︓ ⽬標(ゴール)に向けて設定する課題
➡ 前向きに取り組んでいく

③ 潜在型︓ 不都合や困りごとが、今後表⾯化する可能性
があるもの
➡ リスクとなるため対策が必要

① 発⽣型︓ 不都合や困りごとが、既に表⾯化しているもの

② 設定型︓ ⽬標(ゴール)に向けて設定する課題

③ 潜在型︓ 不都合や困りごとが、今後表⾯化する可能性
があるもの

発⽣型の問題も、潜在型の問題も、設定型の問題(課題)へ
変換することになります︕

当事者意識︓ 「⾃分のこととして考える」「今の⾃分にできること・すぐにやる
べきことを考える」など、当事者意識を持ちましょう。
ポジティブ思考︓ 「どうしたらいいだろう」「どんな⽅法が考えられるだろう」
(未来思考) 「課題(⽬標)は何か」へ思考を切り替えましょう。
情報収集意識︓ 様々なことに興味・感⼼を持って、視野を広げましょう。
多⾯的な視点︓ 思い込み・前例・固定観念などにとらわれず、「他の考え⽅
はないか」「抜けている要素はないか」を常に考えましょう。
相⼿側の視点︓ 「相⼿が望んでいる(期待している)こと」「相⼿が重要視して
いること」などを明確にしましょう。

問題解決の基本⼿順

問題分析(問題把握)
① 物事を観察して問題を明確にする
② 原因を明確にする
③ 課題・⽬標を設定する
課題解決
④ 解決策のアイディアを出す
⑤ 解決策を整理する
⑦ 解決策を実⾏する
⑥ 解決策を選択する

⼿順① 物事を観察して問題を明確にする

「困っていること」
「不都合が⽣じていること」
「理想(⽬標、ゴール、希望、期待)の状況とは異なること」
「何とかしたいと思うこと」といったところだけでなく、
「もっと****したい」
「さらに****になりたい」
「****なったらいいのでは」と思うところも抽出します。
1つあたり25⽂字以内を⽬安に⾔語化します。
なお、客観的なデータ(数字)に着⽬し、その意味を考えることも有効です。可能であれば、データをグラフにすると様々な関係性が⾒えてくることもあります。
⽇常の業務や⽣活の中で、問題(課題)意識を持ち続けることが⼤切です。⾝近なところから些細なことにも⽬を向けてみましょう。

⼿順② 原因を明確にする

「困った」「何とかしないと」となっている原因を洗い出します。「なぜ、そうなのか」
「何が原因なのか」などと何度も問いかけて本質へ近づけていきます。
【原因を考える際の留意点】
 少なくとも3回、できれば5回以上深く掘り下げます。本質的な原因(課題と
するべき点)を認識しやすくなります。
 複数の視点から原因を考えてみましょう。様々な原因が同時に考えられる
ケースもあります。

原因要素をツリー状に整理するWhyツリーというツールがあります。
少し⼿間はかかりますが、思考が整理されて問題解決を論理的に進めやすく
なります。情報量が多い場合には、ぜひ取り⼊れたいツールです。


⼿順③ 課題・⽬標を設定する

原因の分析ができたら、解決策を考える焦点を決めて、課題・⽬標を設定します。
必ずしも、最も深く掘り下げた要素を焦点としなくても結構です。重要度や緊急度が⾼いと考える要素を1〜3カ所程度選び、課題・⽬標として表現を整えます。その際は、⼤きな課題・⽬標、⼩さな課題・⽬標を意識すると効果的です。

【課題・⽬標を設定する際の留意点】
 現実的な内容・レベルで設定しましょう。
 出来る限り具体的に設定しましょう。(期限、⽬標値など)
 魅⼒的(ポジティブ)な内容にしましょう。
 「⽬指すべき姿」「理想(⽬標、ゴール、希望、期待など)」を意識しましょう。
 経過や成果を測定できると、さらに効果的です。

この際、SMARTの法則を念頭において設定することが望ましいです。
MARTの法則は以下の5つの基準で構成されています。

  1. Specific(具体的な):目標が具体的か

  2. Measurable(測定可能な):達成度を測れる目標か

  3. Achievable(実現可能な):達成可能な目標か

  4. Relevant(関連した):目標の達成が自分の利益につながるか

  5. Time-bound(期限を定めた):期限が設定されている目標か


⼿順④ 解決策のアイディアを出す

よい解決策を出すためには、様々な視点・⾓度から⾃由にアイディア出しをすることが有効です。創造性を⼟台として⼤切にしながら、創造⼒を発揮し、創造へと近づけていくことで、問題解決・課題解決の質を⾼めることができるのです。

“ よいアイディア” は、いきなり出てくるものではありません。着想のアイディア(未完成なもの)を沢⼭だしていく中で、組み合わせたり、修正・⼯夫・具体化したりしながら育てていくものです。

 傍観者としてではなく、当事者意識をもって様々な視点から物事を捉えましょう。
(特に相⼿側の視点に⽴ってみることが⼤切です)
 ⾃分が考える常識・前例にとらわれていないか、改めて考えてみましょう。
(⾃分⾃⾝の認識のしかたや知識をまず疑ってみましょう)
 頭の中は⾃由に、まずは他者の評価は気にせず考えてみましょう。
「今のままでいい」「仕⽅ない」「⾯倒だ」などの諦めは着想・発想の敵です。
 アイディアは、とにかく沢⼭挙げましょう。(アイディアは量が質を⽣むのです︕)
 ⾒たり聞いたりすることがヒントになることを意識し、アンテナを張りましょう。
 「独創的な新しいアイディアでなければいけない」という考えは棄てて、良いと
思うものは、どんどん取り⼊れましょう。(ほとんどのアイディアは、既存のもの
を上⼿に組み合わせ、応⽤・⼯夫したものです)

具体的なアイディア拡散方法としては、

マンダラート(マンダラチャート)があげられます。

マンダラートとは仏教に登場する曼荼羅(マンダラ)模様に由来するもので、曼荼羅とアートを組み合わせた造語のこと。

曼荼羅模様のようなマス目を作り、そのマス目一つ一つにアイデアを書き込むことで、アイデアの整理や拡大などを図り、思考を深めるものです。紙と鉛筆さえあればできるため、手軽な発想法・思考法としてさまざまなシーンで活用されています。

投手と打者の二刀流で世界にはばたいた大谷翔平選手は、花巻東高校時代にマンダラートを使って今後どうなりたいかといった夢に対する思考を整理し、実行に移しています。


また、オズボーンのチェックリストも有効的です。
オズボーンのチェックリストとは、9つの視点からアイディアを生み出す発想法です。項目に沿ったチェックリストをあらかじめ用意して、それらに答えることでアイディアを発想するという手法です。 具体的には、アイディア出しの対象やテーマを決め、チェックリストの項目のそれぞれに対してアイディアを出していくというものです。 この発想法は、「チェックリスト法」とも呼ばれます。

9つの視点とは、「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「再配置」「逆転」「結合」を指します。


手順⑤ 解決策を整理する

解決策のアイディアを洗い出したら、アイディアを組み合わせたり、修正・⼯夫・具体化したりして完成度を⾼めていきます。ある程度グループに分けて整理すると分かりやすくなるのでおすすめです。

この際には「優先度×重要度」のマトリクスで分かるのが王道でしょうか。

  1. (A/第1象限)重要度も緊急度も高いタスク=「必須」

  2. (B/第2象限)重要度が高いが、緊急度が低いタスク=「効果性」

  3. (C/第3象限)緊急度が高いが、重要度が低いタスク=「錯覚」

  4. (D/第4象限)重要度も緊急度も低いタスク=「浪費・過剰」

マトリクスのAの領域は、緊急度も重要度も高いタスクです。
「必須の領域」とも呼ばれ、優先順位が最も高く、まず対処すべきタスクと言えます。

例えば、クライアントからのクレーム対応や、締め切りが差し迫るタスクなど、必ず実行しないといけない活動がこの領域に当たります。

当てはまるタスクは、言うまでもなく最優先に取り組む必要があります。


マトリクスのDの領域は緊急度も重要度も低いタスクです。
「浪費・過剰の領域」と呼ばれ、優先順位が最も低い領域になります。

例えば、デスクの整理のようなものがあるかもしれません。
ビジネスへの影響度も小さく、急ぎで行う必要もないタスクです。

重要なのはCとDの領域の優先度付けになります。

マトリクスのCの領域は「錯覚の領域」と呼ばれ、緊急度が高く、重要度は低いタスクがこれに当てはまります。
例えばほとんど誰にも読まれていない毎日の作業報告などは、緊急度は高いが、重要度は低いというタスクになるでしょう。

しかし緊急度の高い第3領域のタスクを、人間は「重要」だと錯覚してしまう傾向にあります。
意識をせずに日々の業務を行なっていると、いつの間にかこの領域のタスクに忙殺されているということは少なくありません。

しかしここに時間を割いても生産性は上がらないため、どうしたら効率よくできるか、そもそも本当に行う必要があるのかを検討し、重要度の高いA・D領域に時間を割くようにするべきでしょう。

マトリクスのBの領域は「効果性の領域」と言い、緊急性は低いが、重要度の高いタスクです。

この領域は、将来への価値を生む重要なタスクが分類されます。
長期的に考えると、本来、時間を費やすべき領域はこの「効果性の領域」です。

例えば長期的営業戦略や、知見を高めるための研修や勉強などが当てはまります。
緊急ではないためにどうしても後回しにされがちですが、緊急度の高いタスクにばかりに気を取られすぎると、時間ばかりが過ぎて本当に必要な成果が得られないということが起こり得ます。


⼿順⑥ 解決策を選択する

⼀度に沢⼭の解決策を実⾏することは現実的ではありません。「すぐに取り組めるもの」「重要度が⾼いもの」「緊急度が⾼いもの」「期待効果が⾼いもの」など優先度を考慮して可能な範囲で選択します。
なお、抽象的な解決策は、さらに具体化・⼿順化して実⾏しやすくしましょう。

この際、「意思決定のマトリクス」を用いるとスムーズになると思います。

「意思決定のマトリクス」は、会社が抱える課題や、これから取り組んでいきたいアイデアについて評価や選定する際に有効なフレームワークです。企業が抱える課題やアイデアとは1つではなく、複数であることがほとんどです。取り組むべきものが複数ある場合に、どの選択肢から着手するかは、主観的なものではなく客観的に判断されるべきでしょう。

意思決定のマトリクスは複数のアイデアや課題を並べて、さまざまな評価基準に対して点数づけをしていくことで客観的な評価を行うものです。必ずしも点数の高いものから着手した方がよいわけではありませんが、客観的な評価は大きな判断材料になります。



以上のように、問題抽出~解決策の立案までの一連の考え方・フレームワークはどの職業・職種でも共通して必要なスキルだと思いますので、ぜひ自分のものとして身に付けていただけると嬉しいです。

飲食店の店長でも
トラック運転手でも
水道工事員でも

仕事がそこにある限り、使えるものだと思います!

最後までご覧いただきありがとうございました!!

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