未来のためにできること~NPO法人ドラッカー学会糸島大会に参加して
2024年9月14日、福岡でNPO法人ドラッカー学会の大会が行われました。テーマは「『脱』組織時代のドラッカー『未来』マネジメント」、実行委員長は「もしドラ」こと『もしも女子高生がドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の著者であり糸島に移住されている岩崎夏海氏です。
NHKの次回の朝ドラ「おにぎり」でもある糸島は魏志倭人伝にも記載されている伊都国が由来だそうです。弥生時代から続く米作りが今も続いている田園風景から少し離れて、ミカン畑だったという山間に九州大学伊予キャンパスが広がっています。このキャンパスの中心に、在校生が全員集まれるような場所として建設されたのが椎木講堂でした。この講堂が、とにかく素晴らしかった。
ドラッカーの著作『すでに起こった未来』のこの邦訳タイトルは、収録の「ある社会生態学者の回想」という文章から採られています。
今回の大会の後半は、岩崎さんがお話を聴きたいと思った3人のゲストに岩崎さんが自分の悩みを相談する、という構成でした。その悩みとは「日本に明るい未来はあるのか?」であったかと思います。
今回の会場でもある椎木講堂を設計し、今は様々な町のデザインにも協力し、多摩美の学長を務める内藤廣先生の示された答えが印象に残りました。
ひとつ。内藤先生は100年後にも残る設計を考えるとき、必ず現地にひとりで行って、感じるものを大事にしているそうです。現地で何かにつながったとき、大丈夫だな、という感触を得るとか。
もうひとつ。多摩美の学生さんたちを見ていて、若い人はわかっている、と。説明はできなくても、言語化しなくても、感じている、と。
内藤廣先生は、今の日本の建設業界の、多段階の下請け構造も批判していまして「このままだと現場の働き手がいなくなって、早晩、ダメになる」ともおっしゃっていました。しかし、そんなシステムを誰も変えられないと思っているし、変えようと行動もしないのが今の日本です。
未来が不透明なのではなく、すでに起こっている未来を認識しながらも、誰もその未来に向かって行動できない。そんな現実をつきつけられるような、そんなお話でした。
現場からは以上です。
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