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【大公開】bizhikeがNotionを手探りで導入したときの進め方と、幅広すぎる支援領域を支える「組織のナレッジ共有」の手法

※bizhikeはCASTER BIZ セールスマーケへ名称を変更しました

こんにちは!bizhikeのhiker(≒コンサルタント、コンテンツディレクター)のヤスダハヤトです!

▼これは何?
bizhikeがNotionに移行した際の進め方を公開したもの
ついでにbizhikeのナレッジ共有方法についても記載

▼誰が読む?
Notionを使うことが決定した組織の担当者
これからNotionに移行したいと思っている組織の担当者

▼どう使う?
組織がドキュメントをNotionに移行するときの参考にする
Notionにナレッジ蓄積するときのイメージをつくる

bizhikeは、経営課題の言語化から実行までワンストップで支援するというその対応領域の幅広さゆえ、ときにはメンバーがそれまで自分の引き出しになかった領域に初挑戦することもしばしばあります。

しかし、bizhikeのメンバーは、こうした状況でも一定水準を超えるアウトプットを出し続けています。実際、bizhikeにJOINして数ヶ月足らずのメンバーも、初挑戦でプロジェクトを成功させました。

こんな芸当が当たり前にできるのは、ひとりひとりの実行力の高さ...もさることながら、チームのトランザクティブメモリーの量×質の高さが背景にあります。トランザクティブメモリー、初めて聞いた方もいらっしゃると思いますが、ひとことでいうとこんな概念です。

「組織の誰が何を知っているかを組織の全員が知っている」

組織学習の一つの側面である組織の記憶力(経験によって学習した情報の蓄積)において重要なのは、組織全体が「同じ知識を記憶すること」ではなく、「組織内で『誰が何を知っているか』を把握すること」である、という考え方。

weblio辞書

現在のbizhikeは、実はこの一般的な意味合いより、さらに上の状態にあります。ヤスダは勝手にトランザクティブメモリー2.0と言ってますが、

「組織の誰かが知っていることをいつでも参照できる」

トランザクティブメモリーをさらに進めた考え方。「知っている人に直接聞かないとわからない」状態から、ドキュメントツールを活用して「知っている人の知識をいつでも閲覧することができる」状態。

ヤスダハヤトの個人的解釈

bizhikeはフルリモート組織ゆえ、ふらっとデスクに寄って質問するのは不可能。なのでその代わりに、当人に直接訊ねずともデータベース上で組織の誰かの脳味噌にいつでもアクセスできる状態を作る必要があったのです。

このトランザクティブメモリー2.0の基盤となるのがNotionです。日本語化されたこともあり、新たに導入決定した組織も多いのではないでしょうか?

bizhikeは2021年の春、Notionへお引越ししました。当時は組織がNotionに移行した記録を残した記事も皆無だったので、めちゃめちゃ手探り。ああでもないこうでもない...と紆余曲折を繰り返し、ようやく現在のトランザクティブメモリー2.0な状態に辿り着いています。

そこで今回は、新たにNotionに移行しようとしている組織の担当者に向けて

  • bizhikeがNotionに移行したプロセス

  • bizhikeが組織ナレッジを共有する仕組み

を共有したいと思います!

ヤスダはかなり行き当たりばったり進めたので参考にならないかもですが、むしろ「うちの組織だったらこう進めるかな」と思いながら他山の石として読んでいただければ幸いです。笑

この記事で伝えたいこと

文章がえらく長文になってしまったので、結論を先出ししておきます。

  • 最初はリテラシー高い何人かでNotionに触れてみるのがいいよ

  • ドキュメントツールとして最小限の範囲で導入したあと、できる限りの機能を順次Notionに集約するといいよ/でも無理に移行しないほうがいい機能もいくつかあるよ

  • ナレッジ共有は、テンプレートを活用してあらゆる知識をデータベースに集約したうえで、勉強会などで中身を周知する施策も必要だよ/ドキュメントを読んだ上で直接聞くと共有の質が上がるよ

もともと組織のナレッジがどんな状態だったか

ヤスダがJOINした当時のbizhikeは、ドキュメントツールに「📝ライティングのコツ」「📝資料作成のコツ」など個々の業務に紐づくTipsがばらばらと書き溜められていただけ。体系的なナレッジ蓄積は行われていませんでした。

当時は知っている人を探すところから始まった

業務の進め方でわからないことがあったら、まずはSlackでアナウンスするなどして過去に同じ業務を担当した人を探します。見つかったらコンタクトをとって、Zoomで直接話を聞き、必要な資料をGoogle Driveで共有してもらうという状態。

つまり、当時のナレッジ共有はそもそも知識を持っている人を探すことに始まり、お互いの時間を消費する口頭のやりとりで情報共有していたのです。当時は組織も小さかったのでそれで成り立っていましたが、将来的な組織の拡大を考えると再現性がありませんでした。

ドキュメントを介したナレッジ共有を実現したい

ここで、当時目指したドキュメントツールの理想状態を図示してみます。

Before(=当時)とAfter(=理想)

とにもかくにも、みんながドキュメントをいつも読み書きしている、そんな状態に辿り着きたいと思っていました。

なぜNotionがよかったのか?

当記事は主にNotionの導入を決定している組織に向けて書いているため細かい言及は避けますが、bizhikeがNotionに移行する決め手になった優位性を簡単に示すとこんな感じです。

  1. 操作が直感的で使い方を覚えればめちゃ書きやすい(> Kibela)

  2. TODO機能が同じサービス内で利用できる(> Trello)

  3. コピーが容易で使いまわしやすい(> Googleスプレッドシート)

  4. 階層が理解しやすく閲覧もすぐできる(> Googleドキュメント)

まずは数名でお試し活用

bizhikeにはもともとwebツールに明るいメンバーばかりなのですが、それでも大した準備もなしに移行するのはキケン。そもそもどんなことができるかもよくわかっていなかったので、まずは社内の前のめりなメンバー数名でNotionをお試し利用することに。

数も多くなかったので移行は人力でコピペ

いったん、旧ツールのドキュメントをNotionにいくつかコピー。触った結果、旧ツールでできたことはNotion上でも全てできることがわかったので、とりあえずこの時点で旧ツールを廃止して新ツールに全員お引っ越しすることにしました。

問題なさそうだったので全員アカウント作成

全メンバーのアカウントを作成し、これからはNotionどんどん使おうね!というアナウンスもしました。でも当然ながら、それだけでドキュメントの使い方そのものが変わるわけではありません。この時点ではNotionを利用している人はまだちらほら程度でした。

ドキュメントツールのあり方を変えるには、新しい階層整理やらテンプレートの作成など下地を整備しないといけません。ただ、その前にまずはみんながNotionに毎日訪れる状況をつくる必要があると思い、取り急ぎ毎日行う組織のTODO管理をNotionに移行してしまうことにしました。

TODO管理を移行して毎日使うツールに

もともと使っていたのはTrelloでしたが、このお引っ越しは非常に簡単でした。NotionにはTrelloを含むいくつかのツールからのインポート機能が備わっているのです。

各サービスとアカウント連携したら、ボタンを押して待つだけ

もちろんインポートしたあと多少体裁を整えないといけないのですが、それもちゃちゃっと対応。見栄えが若干劣るくらいで、もともとTrelloでしていたことは基本すべてNotionでも実現することができました。

Trelloと同じようにカンバン形式で表示
ガントチャートに表示切り替えも可(でもたぶん誰も使ってない)

これで、ドキュメントの活用はさておき、全員がNotionに毎日訪れて必ず使う状況を作ることができました。

それNotionでよくない?あらゆる場面で活用

Notionでできることが増えれば増えるほど人がNotionに訪れるようになるので、可能な限り活用場面を増やすことは必須でした。

ここからは、TODO管理に引き続いてありとあらゆることをNotionでできるようにするため、思いつく限りのことをNotionで実現するためにあれこれ試して追加してみるフェーズに。もともと他でやっていたことを移行するのに加え、Notionだからこそ実現できる仕組みを取り入れたりもしてみました。

会社情報やバックオフィス情報のナビゲーション

全体のナビゲーションページとしてHomeを作成。まだまだ追加できていない内容がごまんとあるので、空いた時間にちょこちょこ整備しています。

ここはまだまだ改善が必要…

バックオフィスの情報もNotionで整理。

バックオフィスに聞かないとわからなかった事務作業もマニュアルを読めば自分でできるように

社内のタスク依頼

いままでは社内のタスク依頼をSlackで行っていたのですが、伝えられる情報量に限りがあるのと、各々がそれをTrelloでカード化する二度手間があったので、全部Notion内で完結させてしまうことに。

依頼者や被依頼者専用のビュー設定も作成
依頼シートのテンプレートも作成。必要な資料はNotion内外からペタペタ

顧客や提携先ごとの情報&議事録

以前はGoogleスプレッドシートを活用していましたが、使い勝手が悪かったのと参照しに行くのも時間がかかるので、全てNotionに切り替えました。

データベースであらゆる情報を管理
顧客ごとの議事録ほかタスクや関連情報をまとめる
定例MTGの議事録にもテンプレを用意。メールアドレス指定で顧客に議事録共有もできる

目標管理と1on1

メンバーがbizhikeでの経験を通してありたい姿にどう近づいていくのか、そのための目標設定や1on1でのフィードバックもNotionに蓄積。TODOにまで落とし込んで達成可否を確認できるので、一歩一歩着実に前に進めます。

ありたい姿とそこに向けて直近で達成したい目標を掲示
毎週の1on1のログも。KPTで整理し、最終的にTODOに落とし込めるテンプレートにしている

感謝を残すThanks log

口頭やSlackで伝えたりする感謝と賞賛の言葉が形として残らないのって何だかもったいないなあと思ったので、ログに残るようにしてみました。

「だれに」で感謝の相手を指定すればNotionで通知が届く設定に

トランザクティブメモリー2.0な状態の構築

諸々の機能を整えるのと並行して、本丸のナレッジ共有の仕組みも少しずつ構築していきました。まだまだ完成形だとは思っていませんが、参考にしていただけるようにスクリーンショットを公開します。

データベースで既存のナレッジを整理

とにかくナレッジと呼ばれるものを整理する場所が欲しかったので、データベースを作成しました。

bizhikeの幅広い支援領域をデータベースで網羅

最初はデータベースに関連するものを雑多に突っ込むだけでしたが、ある程度情報が揃ったところで、個々のページもテンプレート化しました。これで誰かが新しいナレッジを追加するときも迷うことはありません。

施策の基本的な進め方からガントチャート、関連資料まで網羅(まだまだ作成中ですが…)

過去作成資料の一覧など他のデータベースも増えてきたところで、フロントページも整備。

個々の資料データベースはリンクドデータベースで連携している

勉強会でナレッジを共有

ただただナレッジを保管しておくだけだと、知りたい情報しか見に行かないので、個人の引き出しがなかなか増えません。「ここにこんな知識があるんだ!」「あの人こんなこと書いてるのね!」「こんなナレッジもあるんだ、勉強になるなあ」という発見の機会を増やすために、bizhikeでは週一で勉強会を開催しています。

誰かが既にまとめているナレッジをほかのメンバーにZoomで解説。当日に参加できなかった人やこれからbizhikeにJOINする人も参考にできるように、勉強会の様子は録画して残しています。

朝会でのちょっとした気づき共有が「それいいね!勉強会でもやってよ」になることも

とはいえ、大事なことは直接聞く

「とにかくドキュメントに残す」をモットーにありとあらゆるナレッジをNotionに溜め込んでいるbizhikeですが、だからといって他の人に直接質問するのがNGというわけではありません。むしろ「ある人が1時間かけて悩むことは、周りに聞けば5分で解決するかもしれない。相談すれば解決どころか新たなインスピレーションが生まれるかも」という考え方のもと積極的に相手の時間を奪うことを推奨しています。

「わかってるひとに聞く」はやっぱり大事

だったら初めからNotionなんていらないじゃん、と思われるかもしれませんが、Notionのドキュメントの作成者を見れば誰がその知識に明るいか一目瞭然ですし、予習できるので当人に質問するときの質も上がります。また回答する側も資料をNotionのデータベースから探せばいいので楽ちんです。

従来「人に訊く」ことだけに頼っていたトランザクティブメモリー1.0の状態が、「ドキュメントを参照しながら情報共有する」ことができるトランザクティブメモリー2.0の状態に進化したことで、bizhikeの集団知識のレベルが格段に上がったことを実感しています。

Appendix:Notionを組織に浸透させるためのコツ

階層の正確さより見やすさ重視の配置にする

ユーザーがストレスなくドキュメントを参照できる状態を実現するのに最も大切なのは、配置ルールです。どんな配置がベターかは組織や事業によっても異なりますが、ことNotionのドキュメント整理で特に気をつけたいのは、階層構造に囚われすぎないことかと思っています。

Google Driveなどのストレージサービスなら、最も重要視されるのは階層化です。ありとあらゆる種類の雑多なファイルも、組織構造や時系列・拡張子などの横並びに等しいフォルダにまとめて区分されることで、たま〜に見に行くときにもどこを探しに行けばいいか分かる状態が実現できます。

いっぽうNotionは、ドキュメントに限らずタスク管理や仕事依頼など必要な各種機能に素早くアクセスして日常的に運用するツールです。そこで最も重要視されるのは階層構造の正確さではなくアクセスのしやすさです。

よって、組織にとっていちばん必要な情報がワークスペースのいちばん上にあるような配置にするのがベストです(画像左、workspace)

ワークスペースは「組織にとって」重要なページを表示。なお「個人にとって」重要なものはお気に入りやプライベートで個人が好きにカスタマイズすればOK

見つけた機能は随時共有

多機能であることがNotionの強みですが、実はこれが諸刃の剣で、初期の取っ付きづらさはどうしても拭えません。ここで諦めずに地道に少しずつ慣れていくことが必要。お互いにTipsを共有しあうことは、Notionを組織に定着させるための重要なポイントのひとつだと思います。

bizhikeでは、こんな機能あった!こんな使い方できる!は発見した人が随時共有していました。シンプルテーブル機能が追加されたときはこんな感じ。

欲しかった機能が見つかるとSlackが盛り上がる

キーボードショートカットを覚える

Notionの書きやすさのベースになるショートカット、一度覚えたらドキュメンテーションが格段にスピードアップします。逆にこれを覚えておかないと見出しや箇条書きなど毎回メニューから選ばないといけないのが手間なので、Notion離れの原因にもなってしまうかもしれません。

マークダウン記法などはNotion以外のツールでも使えるので、知らない人には積極的に教えてあげましょう。

ショートカットキーも大事

Appendix:あえてNotionに移行しなかったこと

基本的にはあらゆることをNotionに集約しようとしていますが、なかには既存のものを使い続けたほうがいいなということで敢えて手付かずにしているものもあります。

カレンダーの共有

ひとりで使うならNotionのカレンダー機能でもOKかもしれませんが、チームやクライアントと連携するとなるとGoogleカレンダーが最強すぎて、移行するという発想には至りませんでした。GoogleカレンダーとNotionを同期する方法もあるらしいですが、その有効な使い方は見出せていません。

ピボットテーブルで分析

簡単なデータベース機能はNotionにもありますが、そのデータをいじくって分析したりグラフを作ったするのは不得手。Googleスプレッドシートに軍配があがります。

データ系全般の保管

Notionにはさまざまなデータを保管することができますが、いかんせんドキュメントに「貼り付ける」形になるため、データの整理や保管には向いていません。データそのものはGoogle Driveに置いて、関連するドキュメントにリンクを貼ったり埋め込みを作るのが最適解かと思います。

まとめ

割とラフな感じで導入したわりには業務の中心になっているNotionですが、これは組織がまだまだ小さくwebツールにもとから慣れている人が多いbizhikeだからできた感は大いにあります。古くからある大きな組織であればあるほど、もっと丁寧な進め方が求められるのではと思います。

現在はNotion導入に関するノウハウ記事もいくつか存在すると思うので、導入担当者の方はそれらを参考にしつつ、しっかりとした導入計画を立てて移行を進めることをお勧めします。


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このように当チームでは、業務ナレッジがしっかり蓄積されており、気軽に人に聞きやすいカルチャーが根付いています!そのため、もし未経験の業務があったとしても安心して取り組むことができます。

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株式会社キャスター CASTER BIZ セールスマーケ(旧称:bizhike)
ベンチャー・スタートアップ を中心にハンズオン型の業務支援を展開。新規事業の企画設計から、営業・マーケティング・採用に至るまで幅広く支援。お客様のチームの一員として伴走しながら、一緒に悩み、考え、喜びあう新しいサービスです!

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