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採用力を付ける第一歩はデータ管理から

以前、勤めていた中小規模のSES(System Engineering Service)をメイン事業としていた企業にて、エンジニア採用スキームを0から作り上げ、年間数十名のエンジニア(経験・未経験含む)採用を常態化させたポイントを振り返ってみようと思います。

ポイントはタイトルにも記載しておりますが、「データ管理」です。データ管理と言っても簡易的なレベルではなく、最終的にはかなり具体的かつ詳細なレベルまで落としていきました。

ただ、データ分析があまり得意ではない・好きではない場合は詳細にやろうとすると途中で嫌になってしまう可能性もあると思いますので、最低限このレベルでやって頂きたいと思います。

母集団形成力を確認するために

項目は、「流入経路ごと(求人広告や求人数無制限のスカウト系・SNS系)」にそれぞれ分類します。社員紹介(リファーラル採用)や自社で勉強会などを開催し、採用している場合は、それらも分類します。

求人広告の場合に関しては、料金別で大きく数値が変わってくると思いますので、違った料金にて掲載している場合は、料金別で分けてください。

分類した後は、インプレッション数・PV数(求人閲覧)・応募数・書類合格数・1次面接/面談実施数・2次面接数・・・最終面接数・内定数・承諾数といったフェーズ毎に数値を埋めていきます。面接時は、「不採用・辞退・通過」の3タイプで分ける事をオススメします。

また、スカウトを併用している場合は、各媒体ごとでのスカウト送信数・開封数(あれば)・返信数と分けます。採用ツールの中には、開封率を確認できない場合もあると思いますので、把握できる数値を入力してください。

そうしてみると、流入経路ごとでの効率がハッキリ見えてきます。媒体ごとでも料金別で出した実績があれば、費用対効果も同じ媒体で比較することができます。いざ、数字に表してみると、もしかしたら頭で考えていたような結果かもしれないですし、予想外の結果が見えてくるかもしれません。どちらにせよ、ここで大事なのは「予想通りだった。予想外だった」という答えあわせをするのではなく、誰にでも客観的に採用状況を把握できるような体制を作っておくことです。

客観的に採用状況を把握しておく理由は?

一つ目の理由は、前任者が長い間、採用業務を担当し、ノウハウ(暗黙知)で流入経路を決めていた節があったとしても、数字で効果がハッキリ分かっていれば、採用しやすい流入経路が誰にでもわかるので、組織として採用力が担当者変更によって大幅に落ちることがありません。

二つ目の理由は、採用の関係者がいつでも状況を把握できるようにしておくだけで、会議での無駄な時間を無くなりますし、現状のボトルネックを全員が共通認識として持てることがとても大きいです。また、会議が効率的に終わることで、自分の業務に集中する時間を確保することもできます。

私の場合は、全くの知識が無い状態で採用を任されたこともあり、とりあえず有名な採用広告を一通り使ってみたり、当時はまだ浸透していなかったダイレクト・リクルーティングを取り入れてみたりと様々な手法を試しながら、数値管理をしていった結果、効果の差がハッキリ現れました。なので、残りの予算を集中投下する判断もしやすかったですし、投資をするからこそ、前回以上に採用することも出来るようになるとプラス効果を産む結果をとなりました。

データ管理を更に深掘りするには??

面接官別での、選考辞退率や人事評価、早期退職率といった部分も差が現れる可能性があります。採用の目的はあくまで事業成長に貢献してくれる人を採ることだと私は思っています。また、喉から手が出るほど欲しい人がいた場合、辞退されることは何としてでも避けたいことです。ここも、面接官別での数値を録っておかないと思い込みなど主観的な判断になってしまうので、この項目もぜひ入れてみてください。

スカウト数値に関しても、上記はツール別で記録していましたが、もし件名や文面を変えて送っている場合は、その内容別で記録した方が良いですし、スカウト対象者を「年齢・性別・職種」といったカテゴリーで記録してみると、反応率が全く違うことが分かると思います。また、スカウト文面ごとで記録すると、応募が多くても面接が全く通らない人材が集まってしまうものがあったり、その逆もあったりと新しい発見があります。

何を使って、データ管理すれば良いの??

お金があるならば、採用管理ツールを遠慮せずに導入した方が絶対に良いです。ただ、「そんな予算は無い。」という場合は、Excelやスプレッドシートなどでも数値管理や分析は問題なく出来ます。私はスプレッドシートを駆使して数値管理していました。もしも、そういったフォーマットを作るのが苦手な場合は、社内にマーケターがいればその方の力を借りましょう。数値分析は、マーケターの得意分野のハズですので。

最後に

何事も最初の一歩は面倒ですし大変です。しかし、この一歩さえ踏み出せれば、「採用改善するための課題を思い込みで特定し、ボトルネックでは無い部分ばかりに対策を講じ続け、結果、改善できない。」という負の連鎖からは解放されるので、結果的には楽にしてくれます。ぜひ、頑張ってチャレンジしてみてください。

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