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6月23日最高裁判断に対するコメント

2021年6月23日、最高裁は結婚時に夫婦の姓を妻もしくは夫の結婚前の姓に統一することを定めた民法の規定が憲法に違反しないとの判断を出しました。

本記事では今回の最高裁判断に対する感想や今後の決意などについて、署名呼びかけ人や賛同者の皆様から当会にお寄せいただいたコメントおよびメディアなどで公開されているコメントへのリンクを随時掲載いたします。

呼びかけ人コメント・記事

共同代表:青野慶久 サイボウズ株式会社  代表取締役社長

日本における司法の最高機関が、多くの国民の不幸と非効率を引き起こし続ける現制度を放置したことが極めて残念です。
すでに世論は賛成多数であり、一日も早く立法することを国会議員に求めていきましょう。

共同代表:夏野剛 株式会社ドワンゴ 代表取締役社長

共同呼びかけ人:村上臣 元Yahoo! JAPAN 執行役員兼CMO

共同呼びかけ人:村上臣 元Yahoo! JAPAN 執行役員兼CMO
        田代桂子 大和証券グループ本社 取締役執行役副社長

共同呼びかけ人:辻愛沙子 株式会社arca 代表取締役社長

共同呼びかけ人:鈴木世津 ヒューネクスト株式会社代表取締役
(コメントは会員限定部分)

賛同者コメント・記事

友斉照仁 トモナリ衛生材料株式会社 取締役

個人的に思うところがないわけではありませんが、最高裁の判断は尊重すべきものであると考えます。一部の方がおっしゃるような、意にそぐわない判断をした判事を不信任にすべきなどという論には賛同いたしかねます。
あくまで今回は「現行の強制的夫婦同姓が憲法に違反しない」という判断であり、選択的夫婦別姓を否定するものでも、その実現を妨げるものでもありません。選択的夫婦別姓制度は、一部の人たちのわがままを通すために多くの人たちに犠牲を強いるものではない。すべての人がそれぞれの形の幸せを手にするための制度であると、私は信じています。
議論が社会の分断を生むのではなく、議論を通じて一人一人が幸せの形を考え、すべての人が等しく幸福を享受できる社会の実現を望むと共に、そのために微力ではありますが力を尽くす所存です。

松本典丈 元・パルシステム生活協同組合連合会 常勤監事

極めて残念な判決です。
最高裁の裁判官が、真摯に現実に向き合っておられないのか、あるいは今も過去の最高裁判例に縛られ続けておられるのか、ご自分の無意識の価値観を問い直すことをされておられないのか。
国会には国会の役割が、司法には司法の役割があると思いますが、司法が司法として役割を果たせるはずだったせっかくの機会を、再び逃してしまわれましたね。

竹内香予子 平安伸銅工業株式会社 代表取締役

無念ではありますが、本件については引き続き国会での議論を促すのが今回の判決で、つまり、この判決を根拠に婚姻における姓の取り扱いについての議論が必要なくなったわけではないと理解しています。今後、国会で時代の変化を反映した、多様性を包含した制度を提案してくださることを切に願っていますし、動向を追いかけたいと思います。

氏名非公開

「選択の自由のはく奪」でしかない判決に絶望。この国で子供を育てることに疑問しか感じない。

浦田悠宇 株式会社ウラタ薬局 取締役

大変残念な判断ですが、司法の限界なのかもしれません。国会でしっかりと話し合っていただき法律自体を変えていく流れになることを期待します。

氏名非公開

夫婦別姓を国が認める事は、個人の選択権を尊重していることになります。
夫婦同姓の人もいれば、夫婦別姓の人もいる。そのどちらを選択するかは個人の自由で、選択できることが人権につながるのではないでしょうか。多様な生き方や価値観の溢れる社会の中で、かつての家父長制を重んじてばかりでは、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉だけが独り歩きしていることになります。
選択的夫婦別姓は、多様性のある社会で生きていく個人個人を尊重するためのたった小さな一歩です。どうか、社会を構成するひとりひとりの意志と選択の尊重をしていただきたく思います。

坂光信夫 株式会社ミアルカ 専務取締役

私たち夫婦は30年間事実婚を続けており、夫婦別姓選択制の導入を待ち続けています。
事実婚というのは、夫婦ともに元気で仕事をできていれば、とりあえずそれほどの面倒はありません。しかし年齢を重ね、健康上の問題や遺産相続などの課題に対することになった時、やはり不安なものです。改姓したくないなら事実婚でいいじゃないか、通称使用を拡大すれば十分だなどと言われていますが、そのようなものではありません。
私が夫婦別姓選択制を望んでいるのは、個人的な事情、自分達の職業上の事情もありますが、夫婦別姓選択制が導入されている社会の方がより良い社会であるという思いもあります。
夫婦同姓となるとしても、それが強制ではなく、各個人のが選択であるという社会は、よりジェンダーフリーで多様性を許容するものとなるのではないでしょうか。
今回、最高裁判決が2015年に続いて、強制的夫婦同姓制度を合憲であるとしたことには本当に残念と言いますか、悲しく思いました。
あまりにも社会の実態とかけ離れています。
一部の「保守」と自称する頑迷な考え方の人々が夫婦別姓選択制の導入を40年にわたって阻んでいる現状に怒りを感じます。

和久井香菜子 合同会社ブラインドライターズ 代表

日本国憲法を制定したときに、女性の人権について話し合ったそうです。日本人官僚からは「日本には女性が男性と同じ権利を持つ土壌はない」と条文を退けようとしたとか。70年以上経ってもその土壌は変わらないのかという気持ちです。事実、日本のジェンダーギャップは先進国にあるまじき大きさです。
「本当は改姓したくない」「周囲からの圧力があった」と多くの女性が声をあげています。その声は、どこにも届かなかったのでしょうか。
「法制度のパッケージ」として法律婚には貞操義務や同居義務、夫婦同姓があるとしているようですが、同姓以外は当事者の話し合いによって例外もあり得ます。なぜ、同姓だけが厳格に守られなければいけないのでしょうか。
70年前と令和の現代とで、社会は大きく変わっています。その頃と同じパッケージが今、合理的であるはずがありません。
裁判所と国会のキャッチボールが続きますが、その根底には凝り固まった家族感、女性観が見え隠れします。
ダイバーシティ、人権意識は国家のもっとも重要な指針のひとつとなるはずです。これらが守られない国からは亡命者が相次ぐように、日本からも密かに優秀な人材が流出していることでしょう。
恥ずべき結果だと思います。
また私たち国民も、自分たちの国を救うために、これらの思考停止した人たちを排除しなければいけません。

安江雪菜 株式会社計画情報研究所 代表取締役社長

今回の最高裁判断は大変残念に思います。何年待てばよいのでしょうか。国会や政治家の責任はいっそう大きくなりました。
選択的夫婦別姓は、個人がそのアイデンティティの一つである氏を変えることなく、人生を豊かなものとするために不可欠な制度です。当社は9割以上の女性が旧姓で働いており、総務部門の二重管理、公的サービス窓口での扱い不統一による確認、上乗せさせられる申請書類のための労力など、時間、コストは看過できるものではありません。
世界に向けて若者が自由に活躍できる日本にするために、価値観をアップデートしましょう。

藤井真理 アイフォータレント株式会社 代表取締役社長

夫婦同姓の強制は戦前の「家制度」の名残です。改姓するのは現在も95%以上が女性であり、両性の平等に反しています。女性差別撤廃委員会からも繰り返し、規定の改正が勧告されています。

藤田修嗣 西部商工株式会社 代表取締役

夫婦別姓を認めることは21世紀には必要なことであり、SDGsでGendar Equality を国連が提唱し、それに賛同する日本国であるならば、国会による憲法改正もしくは司法による解釈改正を支持します。

時實達枝 Tokizane綜合事務所・AMC合同会社 代表

個人個人を尊重し、夫婦単位や家族単位とするあらゆる社会システムを変革する。
国際社会に通じる法制度とともに、個人の意識改革を進め、ジェンダー平等を地域社会に根付かせる。


氏名非公開

夫婦の氏の統一の強制は、結婚する当事者の双方に「選択の自由が与えられない」という意味において、基本的人権の侵害であると思います。また、今回の最高裁判断の中でもこの強制がほぼ一方的に「女性側に課せられる負担」であることが認識されていますが、本来は男性女性、有業無業に関わらず、すべての人に「出世時に付与された氏名を使い続ける自由」、あるいは、「自分のライフスタイルに合った氏名を選択する自由」が保証されるべきではないでしょうか。
個人的な経験では、海外での業務遂行時には、「旧姓併記の身分証明書」や「旧姓の通称使用」には全く実効性がなく、在外公館においても、相手国政府機関に対してなんら有効な説明資料が準備されていないという状況です。そして就労ビザ等の変更手続きにも、数十万円単位の追加費用と、数週間以上の変更期間が発生します。(離婚時にはむしろ選択が可能なため、余計に婚姻時のみ選択が許されないことの非論理性が際立ちます)
婚姻時の氏の変更の強制により、現実には非常に多くの負担が生じているにも関わらず、どちらか一方に必ず負担を押しつけざるを得ない現行の制度では、とても「婚姻の自由が保障されている」とは言えないのではないかと思います。選択的夫婦別姓、同性パートナーシップ制度など、既存の固定観念に縛られず、すべての人が自分らしい結婚を選べる制度の実現を心から希望します。

与那嶺一枝 沖縄タイムス社 取締役編集局長

また、世界から取り残される道を自ら選んだニッポン。最高裁から託された政治は、いつまでも足踏みせずに、いいかげん前に進んでください。

水上駿 DIGGLE株式会社 取締役CTO

今回の判断が司法の限界などと評されておりますが、そんなことはありません。むしろ明らかに法の範囲内の問題であることは裁判官宮崎裕子氏・同宇賀克也氏の反対意見により示されています。すなわち、もし仮に、憲法14条が要請する平等に矛盾しても憲法24条が不平等を内包できるということであるならば、言い換えれば同様のロジックにより憲法14条の要請をすり抜けることで、不平等な法律を立法し放題の状態にあるとも言えます。要するに、法律のバグです。バグを特定し、正しく修正するように立法に働きかけることはまさに司法の役割ではないのでしょうか。

鈴木裕二 あんしんプランナー 代表

本来は国会で活発な議論がされるべき問題。多様性のある社会の実現という言葉が空回りしているように感じていた。その中での今回の最高裁の司法判断は憲法の番人としての役割を放棄した。今後の国会で制度導入に向けた議論が進展するとは思えない。保守層に議論を進めない為のいい口実になってしまい、とても残念。

松岡恭子 株式会社大央、株式会社スピングラス・アーキテクツ 代表取締役社長

憲法13条に「すべて国民は、個人として尊重される」とあることとの乖離を感じずにはいられません。
アイデンティティである氏名を選べないのが婚姻ならば、婚姻の意味さえ問いたくなります。

森岡貴和 サイボウズ株式会社 営業本部副本部長 兼 取締役

司法に対するアプローチの限界が見えた気がします。
これ以上前に進むためには、立法を動かす必要がありそうです。
世論も確実に動き始めています。
一人一人の個性や主体性を認めない社会は間違いなく停滞します。
(既に停滞し、日本は世界から取り残されようとしています。)
そんな社会を主導する(維持しようとする)立法府の構成員には、どんどん退場していただきましょう。

平田仁志 株式会社M4CH 代表取締役社長

たしかにこれは民法で規定する話であり、憲法の判断としては違憲ではないということなのかもしれない。しかし、これが合憲と言えるかというとほど遠い状態であることも間違いない。たとえ違憲ではないという結論に達したとしても、司法の立場からもう一歩踏み込んだ発言がほしかった。今回の最高裁の判断は、司法としての立場を半ば放棄し、立法に責任を押しつけただけのように思える。

渡辺学 株式会社PSD 代表取締役

今回の判決は、「誰一人取り残さない」という国際的な目標であるSDGsの理念、日本国憲法第13条に規定された「個人の尊重」及び第14条「法の下での平等」に反していると考えます。2015年の最高裁判決で96%が夫の氏を選択していることが判決の根拠となったとの事ですが、逆に言えば、4%の個人に対しては、尊重は不要であり、取り残したと言わざるを得ないのではないでしょうか。今回の判決も同様であり、夫婦別姓を望む全ての国民を取り残したものと考えます。選択的夫婦別氏のみならず、国会で議論のあったLGBTQ、ジェンダー、少数民族、在留外国人、派遣社員等の課題において、残念ながら取り残している方々がいると言わざるを得ない社会が変わっていけばと願います。

宮城直 司法書士宮城事務所 代表司法書士

改正案
戸籍法
第七十四条 婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
一 婚姻をしようとする者の氏のうち、各当事者が婚姻の効力が生じた場合に称する氏
二 その他法務省令で定める事項
戸籍法施行規則
第五十六条 戸籍法第七十四条第二号の事項は、次に掲げるものとする。
一 当事者が外国人であるときは、その国籍
二 当事者の父母の氏名及び父母との続柄並びに当事者が特別養子以外の養子であるときは、養親の氏名
三 当事者の初婚又は再婚の別並びに初婚でないときは、直前の婚姻について死別又は離別の別及びその年月日
四 同居を始めた年月→削除
五 同居を始める前の当事者の世帯の主な仕事及び国勢調査実施年の四月一日から翌年三月三十一日までの届出については、当事者の職業→削除
六 当事者の世帯主の氏名

佐藤正子 合同会社ファーストさくら 代表

社員の名前が2つになると処理に混乱が生じる。社員が希望すれば戸籍名を旧姓のままにしてもらいたい。

記野直子 カイオス株式会社 代表取締役

とても悲しく思いました。何度も申し上げておりますが、別姓にしろと言っているのではなくて別姓を選択する「権利」を頂きたいと申し上げているだけなのです。しかもこの権利がないのはわが国だけ。また、外国人には認められている権利が自国民に認められていないという事実(外国人と日本人が結婚しても双方とも別姓を名乗ることができますが日本人同士の場合はそれが認められない)。男女同姓にしていただくのが基本で結構です。ただ、別姓を名乗りたい人には名乗ってもいい「権利」を頂きたく。フツーに21世紀のお話です!

五嶋耀祥 一般社団法人ファミリー支援INV協会 代表理事

私は幼い頃の両親の離婚再婚と自分の結婚を含めると人生で5回名字が変わっています。そもそも、明治時代にできた家制度の名残が結婚という制度です。ワンオペ育児が増え、専業主婦という男尊女卑文化に依存する特権制度もほとんど形が残っていない今、結婚という制度すらも疑問です。まずは夫婦別姓という、現代のニーズに即した基本的人権に寄り添う判決が出ることを期待しておりましたが、このような結果が出ている日本の現状をとても残念に思います。フィンランドのネウボラに少子高齢化への期待を持ち、子育て支援の活動に取り組んでおりますが、フィンランドでは夫婦別姓を超え、すでに夫婦で姓を新しく作ることができるようになっています。時代は変化するものです。




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