![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148604144/rectangle_large_type_2_970973709b3385068369e80fa172757f.png?width=1200)
ショップチャンネルの成功戦略
はじめに
テレビ通販大手のジュピターショップチャンネルが、2024年3月期に売上高1,584億円を達成し、4期ぶりに増収に転じました。この成功の背景には、24時間生放送の双方向型ライブ放送や、消費者のニーズに応じた商品展開がありました。この記事では、ショップチャンネルの成功ポイントと、他の企業でも再現可能な戦略について詳しく解説します。
ジュピターショップチャンネル株式会社について
設立: 1996年11月22日に設立されました。
本社所在地: 東京都中央区新川1-14-1 コッカンビル。
事業内容: テレビショッピングを中心とした通信販売事業を展開しています。ケーブルテレビ、衛星放送、インターネット、カタログ通販などの媒体を通じて商品を販売しています。
放送: 24時間365日、ライブ放送を行っています。
視聴可能世帯数: 3,000万世帯以上(日本の全テレビ視聴世帯の約半数以上)が視聴可能です。
取扱商品: ファッション、美容製品、家庭用品、家電製品、グルメなど幅広い商品を扱っています。
売上高: 2022年度の売上高は1,555億円でした。
従業員数: 2020年3月31日時点で1,006名。
資本金: 44億円。
株主構成:
ジュピターテレコム株式会社(SPC経由): 50%
住友商事株式会社: 45%
KDDI株式会社: 5%
特徴: 日本初のテレビショッピング専門チャンネルとして開始し、現在は業界最大の売上を誇るテレビショッピング企業です。
サービス: テレビ放送だけでなく、インターネットショッピング、モバイルショッピング、カタログショッピングも展開しています。
コールセンター: 東京(250席)と大阪(110席)に自社のコールセンターを持ち、1日平均約7万件の電話を受けています。
ジュピターショップチャンネルは、ライブ放送の特性を活かした双方向のコミュニケーションや、商品の購入から配送までの一貫したシステムを強みとしています。また、顧客の多様化するライフスタイルに対応するため、商品だけでなく旅行などの体験型サービスの提供にも力を入れています。
24時間生放送の効果
ショップチャンネルは、2023年10月から生放送時間を20時間から24時間に拡大しました。この施策により、消費者とのコミュニケーションが強化され、リアルタイムでのフィードバックを商品開発や販売戦略に反映させることができました。例えば、ある商品が放送中に多くの視聴者から好評を得た場合、その商品の在庫を増やすなど、迅速な対応が可能となりました。
成功ポイント
リアルタイムのフィードバック: 消費者の声を直接聞くことで、ニーズに即した商品展開が可能。
放送時間の拡大: より多くの視聴者にアプローチできる。
コト消費の取り組み
ショップチャンネルは、物だけでなく「コト消費」にも力を入れています。クルーズ船企画や国内外のツアー、家系図作成や墓参り代行など、多様なサービスを提供しています。これにより、消費者に新しい体験を提供し、リピーターを増やすことができました。
成功ポイント
多様なサービス展開: 物販だけでなく、体験型のサービスも提供することで、消費者の満足度を高める。
リピーターの獲得: 一度利用した顧客が再度利用したくなるようなサービス設計。
次世代顧客の開拓
ショップチャンネルは、35~54歳の次世代顧客をターゲットに新しいプラットフォームを立ち上げました。このプロジェクトでは、ECサイトやオウンドメディアを活用し、これまでテレビ通販を利用していなかった層にもアプローチしています。
成功ポイント
新しいプラットフォームの構築: ECサイトやオウンドメディアを活用して、新しい顧客層を開拓。
ライブコマースの活用: 短時間で商品の魅力を伝えるライブコマースを導入し、若年層の興味を引く。
デジタルとアナログの融合
ショップチャンネルは、デジタルとアナログの両方を活用する戦略を取っています。ECサイトでの販売強化と同時に、カタログやテレビ放送も続けることで、幅広い層の消費者にアプローチしています。
成功ポイント
マルチチャネル戦略: デジタルとアナログの両方を活用することで、消費者の多様なニーズに応える。
エンターテインメント性の追求: 消費者が楽しめるコンテンツを提供することで、購買意欲を高める。
結論
ショップチャンネルの成功は、双方向型の24時間生放送やコト消費の取り組み、新しい顧客層の開拓、デジタルとアナログの融合といった多岐にわたる戦略によるものです。他の企業でも、消費者とのコミュニケーションを重視し、多様なサービスを提供することで、同様の成功を収めることができるでしょう。
引用: 2024/07/26 日経MJ(流通新聞) 2ページ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?