毛髪再生医療の展望
2024年2月、横浜国立大学 理工学部 教授 福田先生のラボにお邪魔しました。
福田先生はすでにご存知の方も多いかもしれませんが、毛髪再生医療の最先端の先生で、これから日本でも始まる毛乳頭細胞の移植などにも深く関わってらっしゃる先生です。
ラボは無菌室や顕微鏡、培養装置などがたくさんありました。
一息ついてから、福田教授のプレゼンとディスカッションに移りました。
現在、毛髪再生医療で進めている施策は以下の3つとのことでした。
1,毛乳頭細胞の移植(重層化培養)
2,毛包原基の移植
3,生体外での再生した毛包自体移植(オルガノイド)
1,毛乳頭細胞の移植(重層化培養)
1は、重層化培養(毛乳頭細胞を長期間平面培養する)というもので、機能を維持しながら細胞数を増加できる方法です。
毛髪の伸びる機能をある程度維持させるためには細胞数を増殖する必要があります。資生堂が2D法、細胞を培養するときに平面上に並べて行う方法を用いて臨床試験を既に行っていましたが、5%程度の毛量増加のみにとどめているので、私も福田先生も「ちょっと足りないよね〜」と息を漏らしておりました。
重層化培養法について臨床試験が始まるという段階。5年後には実用化できるのではという話でした。
私もこちらの会議に参加させていただいて、積極的に毛髪外科医として意見出しを行っていけるように頑張ります。
2,毛包原基の移植
次は2番目の毛包原基ですね。
毛包細胞がないところでもゼロからイチを生み出す。
これが毛包原基です。すでにマウスではある程度効果が確認できているが、マウスの毛については生えるが人の毛を移植すると方向や長さがおかしくなると。
→これについてはまだ時間がかかりそうでした。
3,生体外での再生した毛包自体移植(オルガノイド)
最後、3番目ですが、体外での再生した毛包移植ですが、これもオルガノイドと呼ぶのですが、
体外で毛包を再生させほぼ100%延長させてそれをそのまま移植する方法ですが、
人間で使用するにはまだ10年以上かかりそうとのことでした。
今現在、最も期待できるのは「毛乳頭細胞の移植」ですね。
これについて色々課題もありますが、一植毛医として、実現するために福田教授含め、再生医療に積極的に協力して参ります。
アルモ形成クリニック 公式サイト
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